そうか、もう君はいないのか の商品レビュー
それこそ運命のような夫婦の出会いと再会。作家の妻という以外にも苦労はあったろうに、明るく健気に夫を支え、本当に天使のような存在。死後の作者の寂しさが辛くて泣きそうになった。愛されて愛して、天国での再会を心から喜んでいるのだろう。娘さんから見た城山さんの人間的な様子も今は亡き、児玉...
それこそ運命のような夫婦の出会いと再会。作家の妻という以外にも苦労はあったろうに、明るく健気に夫を支え、本当に天使のような存在。死後の作者の寂しさが辛くて泣きそうになった。愛されて愛して、天国での再会を心から喜んでいるのだろう。娘さんから見た城山さんの人間的な様子も今は亡き、児玉さんの解説も胸にささる。そうか、もう君はいないのか… 、最近 亡くなった若き俳優や偉大なコメディアンをそんな気持ちで思い出してしまう…。別れは辛い、遺された方も遺した方も。
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このタイトルは本屋でずっと気になっていて、少し勇気を出して読んでみた。自分で言うのもなんですが、奥さんとは仲がいい。だからもし先にいなくなったらという事を考えたら本当にどうなるだろうか。こんなにも自分の妻を愛していることを包み隠さず文章にしているところが、男性として尊敬できる。後...
このタイトルは本屋でずっと気になっていて、少し勇気を出して読んでみた。自分で言うのもなんですが、奥さんとは仲がいい。だからもし先にいなくなったらという事を考えたら本当にどうなるだろうか。こんなにも自分の妻を愛していることを包み隠さず文章にしているところが、男性として尊敬できる。後半は涙無しでは読めませんでした。奥さんとごくたまに喧嘩した時は、この作品を思い出すことにします。
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知人に勧められた本。今年に入って城山三郎さんブームが続いていたけど、それらの経済・社会小説とは雰囲気が全く異なる内容。その執筆活動の裏には、この題名をつい呟いしまうほど、他人であった女性が自分の中で忘れられない存在になっていく。 『仕事と伴侶。その二つだけ好きになれば人生は幸福だ...
知人に勧められた本。今年に入って城山三郎さんブームが続いていたけど、それらの経済・社会小説とは雰囲気が全く異なる内容。その執筆活動の裏には、この題名をつい呟いしまうほど、他人であった女性が自分の中で忘れられない存在になっていく。 『仕事と伴侶。その二つだけ好きになれば人生は幸福だと言う…』 …まずは、伴侶を見つけねば。。。笑 https://amzn.to/2LL0Lvm
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字が大きくて一瞬で読めた 長年連れ添っててもこんなにお互いへの気持ちが瑞々しいままでいられるものなんか、っていう深い驚き 二人がいつまでも仲睦まじくいられたのは、ひとえにお互いにおおらかで細かいことは気にしない性質やったことと、茶目っ気と感謝の気持ちを忘れないでいられたからかなと感じる 付け足された娘の手記を見ても感じるけど、子供の目から見てもずっとお互いに愛情をもってて、子供はもちろん大切やけどやっぱり一番はお互いやっていうスタンスがなかなかあるものじゃないしすてきやと思った でもだからこそ、喪ったときの悲しみは深いなあ… 最愛の妻に先立たれてから自分が亡くなるまでの7年間。寂しさと半身を喪ったような気持ちを持ち続けたんやろうなあ やっぱり将来自分の方が先に死にたい(;o;)
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身近に奥様を亡くした方がいて、なんとなく手に取った一冊。まさかこんなにも心動かされるとは。 城山三郎氏の奥様への思いの描写が終始慈愛に満ちたもので、読んでいると涙が。 悠々と綴られる思い出の中で、突然の癌宣告。 城山にそれを伝える場面の、奥様の振る舞いがすごく粋で、これまた涙が...
身近に奥様を亡くした方がいて、なんとなく手に取った一冊。まさかこんなにも心動かされるとは。 城山三郎氏の奥様への思いの描写が終始慈愛に満ちたもので、読んでいると涙が。 悠々と綴られる思い出の中で、突然の癌宣告。 城山にそれを伝える場面の、奥様の振る舞いがすごく粋で、これまた涙が。 そしてこの本のなにが素晴らしいって、次女によるあとがき。 文章の美しさに加えて城山の最期に触れていることで、より城山自身が書いた文章に深みが出ている。 良書の一言。こんな夫婦になりたい。
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城山三郎が妻をを亡くした後に、二人の日々を回想したもの。遺稿として出版されることを前提としたかのような素直な表現が多く胸を打つ。巻末の次女の寄稿も清々しい。
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大切な人と結婚するということは、大切な人を失う覚悟もいるということ。 大切な人を亡くしたらこんな想いになるのかな、と考えさせられたと同時にほっこりと心温まるような作品。
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図書館で薄さに惹かれて借りた本 初めての作家さん 期待せずに読み始めたら面白くて泣けてきて 夫婦って素敵だなと思わせてくれる一冊でした
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2019/08/30 読了 心にささる一冊だった。城山三郎さんの、奥様とのなれそめの話から始まり、作家と大学教授の二足のわらじ、やがて筆一つで食べていく作家に。 それを陰ながら支えた容子夫人が主人公だ。 いつも天真爛漫、明るい容子さん。しかし、ガンを宣告されてしまう。余命あと3ヶ月という緊急事態だが、やはり「ガンちゃん」と歌いながら診察室を出てきた。 前と何ら変わらないような生活、明るい容子さん。しかし、刻一刻と別れの時間が近づいてくる。 そして、別れの時。それを経て、いつものように城山産は話しかけようとしてしまうが、容子さんがいないことにふと思い至り、「そうか、もう君はいないのか」と思う、それが本書の題名になっている。 切ない、しかしその中に家族の温かみや夫婦の深い愛情・絆を感じる、とても素晴らしい一冊でした。 皆さんもこれを読んでみて欲しい。今一緒にいる家族、配偶者、子供ともいつか分かれるときが来ることを、本書は思い出させてくれる。だから、今を大事に生きていかなければ。 本書の後半部分に書かれていた、文筆家で娘の井上紀子さんの後記も泣けた。奥様を亡くした城山三郎さんを自宅に引き取って、背中を流すが、かつては大きく見えた父の背中がそれほどまでにやせ細って小さく見えるのか。その後、城山三郎さんがなくなる時のことも詳しく書かれている。なくなる二日前に、井上さんとお兄さんが病室を後にするとき「ママは?」と口を動かした城山氏。その直後に、容子夫人が迎えに来てくれたようで、天国へ旅立った。 文筆家というのは楽ではない仕事を一生続けて、沢山の素晴らしい作品を世に送り出した城山氏。 その葛藤も、苦労も全部受け止め、喜びを分かち合ってきた妻の容子さん。天国で今何を話しているであろうか。 「ありがとう」とか「ごめんなさい」とか、そういうことは相手が生きている内に必ず言っていこう。本書を読んで、周りの人の大切さを再確認させてもらった。
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素敵なご夫婦だと素直に思いました。 自分の両親はまだ健在なので、いろいろ昔話を聞いてみたくなりました。
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