パリでメシを食う。 の商品レビュー
とても良い本だった。 私が本を読む理由の一つに、自分とは違う人たちとたくさん出会いたい、というのがある。その欲求をすべからく満たしてくれた。 超人や偉人やお金持ちではなく、ごく一般的な人たちが自分の力で人生を歩んだ先にあった、「一般的な日本人」とは違う暮らし。それぞれの人のエピソ...
とても良い本だった。 私が本を読む理由の一つに、自分とは違う人たちとたくさん出会いたい、というのがある。その欲求をすべからく満たしてくれた。 超人や偉人やお金持ちではなく、ごく一般的な人たちが自分の力で人生を歩んだ先にあった、「一般的な日本人」とは違う暮らし。それぞれの人のエピソードに共感し、勇気づけられ、私にもまだもっと人生を楽しむチャンスがあるはずだと思わせてくれる本だった。 そしてひとつ。出てくる方々のご家族(ご両親など)が、良い意味で放任主義で、行ってこい、やってこい、と背中を押してくれるタイプのような気がした。親が日本的な型にはめようとすると、こういう自由を持った人は育たないかもしれないと思った。
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元々魅力的な人たちなのだと思うが、川内さんだから語ってくれた人達がいて、だからこそ貴重で読み手もひきこまれるだろう。また、文章が矛盾がなく、言葉が分かりやすい。 写真も良かったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
視覚障害者との美術館巡りの本のように、パリで暮らす日本人ひとりずつに丁寧に寄り添いながら取材されて、各々が考えている伝わりにくい部分をしっかり表現しているエッセイだと思った。パリでヨーヨーのプロとして知られる人、アーティスト集団による「不法占拠」の中にいる日本人、三ツ星レストランを目指す料理人、、イメージの中の華やかな都ではないパリの中で、異国の地に飛び込んで頑張ってどうにか生きて行く人たちがたくさん描かれている。 いかにして『パリでメシを食う。』か?という意味合いのタイトルかな。 === 人気のない夜道、毎晩エッフェル塔の光を眺めた。無数のスパンコールが瞬くようなイルミネーションは、いつ見てもハッとするほど綺麗だった。見るたびに、そうだ、自分はまだパリに来ているのだと思い出させてくれた。(p.35) 言葉はアイデンティティであり、思考の道具であり、文化や知識への入り口である。ユリオは、日本、ルーマニア、フランスと3つの交錯するアイデンティティを背負って生まれて来た。パリで育つ以上は、当然、母国語はフランス語、アイデンティティはフランスになる。それでいいのか?それは2人が真っ向から考えぬき、決断しなければいけないことだった。(中略)「僕が使わなければ、彼は扉という言葉を覚える機会を永遠に逸してしまう。だから、色を表現する時も無理して『橙色』や『緑色』なんて言います。カップは湯のみ、スプーンは匙」(p.91) パリに恋焦がれて何年も準備をして、やっとの思いでここに来る人もいる。かと思えば、彼のように大股でヒョイと国境を跨いでしまう人もいる。彼の身軽さは、たぶん「自称・熱くならない性格」と関係しているのかもしれない。物事をちょっと遠くから見ているので、何事も「別に大したことじゃない」と気軽に動けるのかなと思う。(p.183) どうして花屋になろうと思ったのかと、清美さんに聞いたことがある。 「花ってそこにあるだけで、気分を明るく、幸せにしてくれるじゃないですか」と彼女は答えた。(中略)”ただそこにあるだけで幸せにしてくれる存在”(pp.326-327)
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当たり前のことだけど、どんなに輝いて見える人でも苦難を経験しているということに勇気づけられた。 余計なノイズに惑わされず、自分の声に耳を傾け続けることは、実はとても難しい。 日本は他人からのノイズが多いのかもしれない。 自分はどこに行ってもいい、挑戦してもいい、失敗してもいい...
当たり前のことだけど、どんなに輝いて見える人でも苦難を経験しているということに勇気づけられた。 余計なノイズに惑わされず、自分の声に耳を傾け続けることは、実はとても難しい。 日本は他人からのノイズが多いのかもしれない。 自分はどこに行ってもいい、挑戦してもいい、失敗してもいいということを忘れないでいたい。
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この本に登場する人たちはバイタリティあふれる人が多い。突拍子もないことができて、無鉄砲に突っ走れる人。それも才能だと思う。 パリの雰囲気も感じられ、元気のでる一冊。
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とてもよかった。それは、もうとってもとってもよかった。 パリで働く人たちの今までの道のりを著者が丁寧にインタビューをし、まとめた本。と言うと簡単だけれども、読んでいると著者の感じるインタビュイーの印象がどうやって作られたのか、どうやって人間性が形成されていったのかというのが読ん...
とてもよかった。それは、もうとってもとってもよかった。 パリで働く人たちの今までの道のりを著者が丁寧にインタビューをし、まとめた本。と言うと簡単だけれども、読んでいると著者の感じるインタビュイーの印象がどうやって作られたのか、どうやって人間性が形成されていったのかというのが読んでいて伝わってくるのがとても面白い。そして各話を読み終えた時にはインタビュイーのことがとても魅力的に感じられる。そんな本だった。それは、思わずそれぞれの今を調べたくなるくらい(初版が約10年前だったので)。あとはパリに住んでみたくなってしまうくらい。笑 最近、自分のことが嫌になる日が多かったけど、この本を読んで、それぞれからちょっとずつエネルギーをもらった感じ。アーティストのエツツが言っていたように、いい方向に向かうと思ってこれから行動していきたい。
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面白かった。「しょーもない人生」なんてことない。小説になりそうな人生を沢山見れた。勝ち組負け組とかそんな物差しで計るのが馬鹿らしいと思えた。自分の内なるものに正直にいたら道は開かれるのかも。
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前情報なく、本屋さんでたまたま見かけて読んでみたけれどとても良かった。 何かを成し遂げた偉人でもなくて、でもパリで奮闘している人達の話にやる気をもらった。
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生きていくことの厳しさ感じつつも、人生の転機はいつかわからないし「マイペースでいいよね」と思わせてくれる心強い1冊。厳しい街だろうと、わたしもパリに住みたくなった。 特に共感できたのは恋に走る国連職員。自分のした選択とは裏腹にも道が開けていくの、本望でないはずなのにとても幸せ。 ...
生きていくことの厳しさ感じつつも、人生の転機はいつかわからないし「マイペースでいいよね」と思わせてくれる心強い1冊。厳しい街だろうと、わたしもパリに住みたくなった。 特に共感できたのは恋に走る国連職員。自分のした選択とは裏腹にも道が開けていくの、本望でないはずなのにとても幸せ。 すべてノンフィクションだなんて。ずっとドラマを見ているようで、なんだかずっと読んでいたかった。そんな本に出会えて嬉しい。
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今月パリに旅行をした事をきっかけに手に取りました。 パリの情景が浮かび、そこで暮らすいわゆる「普通の人」たちの唯一無二の人生が綴られてる本です。 東京で会社員をしていると定期的に何のために生きてるか分からなくなりますが、この本の人たちは苦労しながらも皆毎日を楽しんでいるように感...
今月パリに旅行をした事をきっかけに手に取りました。 パリの情景が浮かび、そこで暮らすいわゆる「普通の人」たちの唯一無二の人生が綴られてる本です。 東京で会社員をしていると定期的に何のために生きてるか分からなくなりますが、この本の人たちは苦労しながらも皆毎日を楽しんでいるように感じました。 10人の「普通の人」がそれぞれ何故パリで生きるのか、パリが何故人を惹きつけるのか何となく理解できる本です。 東京での日々に疲れたらまた読みたい。
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