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競争の作法 の商品レビュー

3.7

66件のお客様レビュー

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2019/05/21

今のデフレは、2002年から2007年ころのバブルがはげただけだ。各自がコストを下げないと競争できない、という内容。最初の方は面白いが、あとの方はグダグダになってくる。

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2018/11/14

一橋大学の経済学教授による、経済上の競争について述べたもの。「豊かさ」と「幸せ」との違いを追求し、競争のあり方について論じている。データー分析からの結論づけに短絡的なところがあり、表現も感情的なところも多く、学術的な書籍とはいえない。また、「日本社会で不平等が深刻」と書かれている...

一橋大学の経済学教授による、経済上の競争について述べたもの。「豊かさ」と「幸せ」との違いを追求し、競争のあり方について論じている。データー分析からの結論づけに短絡的なところがあり、表現も感情的なところも多く、学術的な書籍とはいえない。また、「日本社会で不平等が深刻」と書かれているが、ジニ指数を海外と比較すれば誤りであることは明らか。 「1997年から2002年にかけての企業による大量解雇は、コストを1%下げたに過ぎず、賃金削減で対処すべきであった」と書かれているが、大量解雇をしなければ、同じ組織体質を維持している場合、少なくとも5.5%のコストアップは避けられず、競争力を低下させたことは明らか。少なくとも、大量解雇によって悪化を防いだことになると思うが。

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2021/08/08

「勝手に『インフレ率は2〜3%でなければならない』と思い込んだ結果、物価が安定してきた長期的な傾向や、合理的な理由から物価が低下した最近の動向に対して、強い不満を抱いてしまう。」 「21世紀の入り口に立って格差社会論争が取り組んだ不平等とは、競争原理を実践するはるか手前のところで...

「勝手に『インフレ率は2〜3%でなければならない』と思い込んだ結果、物価が安定してきた長期的な傾向や、合理的な理由から物価が低下した最近の動向に対して、強い不満を抱いてしまう。」 「21世紀の入り口に立って格差社会論争が取り組んだ不平等とは、競争原理を実践するはるか手前のところで、少数に対して悲惨な貧困を押しつけた多数が安堵していた状態にすぎなかった。」 格差社会の不平等については、全面的には賛同できないが、著者の特筆すべきは、自ら上記状態を憂いて、自らが改善すべく行動実践していることである。だいたい学者なんていい加減な発言をするだけで言行不一致の急先鋒みたいなイメージだが、著者は大学の給与体系の改革に身を投じているあたり、中々他に例を見ないと思う。このような人物こそ、世間を批判する権利と価値があると言える。

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2018/03/21

競争原理とは「報われる限りで努力する」という人間の本性に深く根ざしたもの。なるほど。 同期入社の同僚と50代になった時年収の開きが500万と2000万で一緒に酒を酌み交わす事が出来るのか?という問いに、一生懸命働いていたなら出来ると本書では書かれているが、私には無理だなぁ。

Posted byブクログ

2017/10/21

90年代から今に至るまでを通して生産性が低く$$戦後最長の好況は円安、しかも海外のインフレと国内のデフレの差に下駄を履かせた競争力のせいである。$$根本的な生産性の向上をしなければ良くならない。$$

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2017/09/10

リーマンショックが終わった2010年に刊行された書籍。 2002年から2007年にかけて日本は「戦後最長の景気回復」を果たしたと言われるが、それは二つの円安によるバブルに過ぎなかったものと指摘する。一つが「目に見える円安」(円ドルレートの上昇)、もう一つが「目に見えない円安」(日...

リーマンショックが終わった2010年に刊行された書籍。 2002年から2007年にかけて日本は「戦後最長の景気回復」を果たしたと言われるが、それは二つの円安によるバブルに過ぎなかったものと指摘する。一つが「目に見える円安」(円ドルレートの上昇)、もう一つが「目に見えない円安」(日本製の円建て価格の相対的な低下)。 後者はどういうことかというと、日本は物価が安定している一方で、外国は物価が上昇し相対的に日本製がの価格競争力が出たもの。 要はこの時期のバブルは自助努力というよりかは棚ぼただったといったか感じか。その時得た恩恵は、株主や労働者に還元されることはなく、設備投資に投じられた。安値で海外で売り高値で海外から買っている結果、交易損失という形で海外に出ていった。日本の幸福には繋がらない皮肉だったと説く。 自分たちの世代が新入社員だったころ何が世の中で起きていたのかを反芻してしまった。

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2016/10/21

本書において著者は、リーマンショック前後の日本経済を、誰もが手に入れられる統計データをもとに分析し、一人一人が真正面から競争と向き合っていくこと、株主や地主など、持てる者が当然の責任を果たしていくこと、非効率な生産現場に塩漬けにされていた労働や資本を解き放ち、人々の豊かな幸福に結...

本書において著者は、リーマンショック前後の日本経済を、誰もが手に入れられる統計データをもとに分析し、一人一人が真正面から競争と向き合っていくこと、株主や地主など、持てる者が当然の責任を果たしていくこと、非効率な生産現場に塩漬けにされていた労働や資本を解き放ち、人々の豊かな幸福に結びつく活動に充てていくことといったことを主張している。 著者のリーマンショック前後の日本経済の分析には、納得させられるものがあった。また、その分析から導き出される含意も妥当なものだと思う。 本書で貫かれている、一人一人の個人が現在進行中の経済状況と間合いをとっていく、すなわち、現在、目前で進行している経済を、自分の目で観察し、自分の耳で聴き分け、自分の口で表現し、自分の頭で考察し、その上で自らの意思で「自分のやるべきこと」を決めるという考え方に共感した。本書での分析も経済学に疎い自分には少し難しかったが、なんとか自分なりに経済状況と間合いをとっていきたいと感じた。

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2015/04/19

サブプライムローン問題の後に書かれた本。不況について、冷静な視点から議論を試みている。複雑な経済理論を使用せずとも、思考できることが多いことが本書を通じて明らかにされたと思う。アベノミクスの現状と照らしあわせて読んでみると、いろいろと相対化できるだろう。情熱的な一冊だ。本書は学部...

サブプライムローン問題の後に書かれた本。不況について、冷静な視点から議論を試みている。複雑な経済理論を使用せずとも、思考できることが多いことが本書を通じて明らかにされたと思う。アベノミクスの現状と照らしあわせて読んでみると、いろいろと相対化できるだろう。情熱的な一冊だ。本書は学部2年生のゼミで使用した。

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2015/02/25

一見ビジネスマンへの心構えを教えてくれるような本かと思ったが、中身としては統計を用いて日本の経済の移り変わりを示し、そのような中で各立場の個々人が正しい姿勢を持って社会に迎合していく必要性を説いている。なかなか難しかった。

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2014/09/13

非常に同意。稼ぎの場も人間関係形成の場も就業先であるというのが問題点であるというところが特に。そのせいで、不要な人員も投げ出しにくくなるし、地域の社会資本は貧困だし、権力関係が持ち込まれるから若者は私的にも抑圧されるし。ただ、為替のとこはなんか違和感があるんだけどまあ書き手が書き...

非常に同意。稼ぎの場も人間関係形成の場も就業先であるというのが問題点であるというところが特に。そのせいで、不要な人員も投げ出しにくくなるし、地域の社会資本は貧困だし、権力関係が持ち込まれるから若者は私的にも抑圧されるし。ただ、為替のとこはなんか違和感があるんだけどまあ書き手が書き手だし、多分正しいのだろうなあ。

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