競争の作法 の商品レビュー

3.7

65件のお客様レビュー

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2011/04/12

エピローグに中島敦の『山月記』と坂口安吾の『堕落論』が並び、みずから大学の高齢研究者の再雇用制度に反対して3日間のハンスト(朝食付き)闘争を展開したという著者の、読後に不思議な爽やかさが残る経済書。格差論争→貧困論争をへて、リーマンショックで決定的に、また不当に貶められた「競争」...

エピローグに中島敦の『山月記』と坂口安吾の『堕落論』が並び、みずから大学の高齢研究者の再雇用制度に反対して3日間のハンスト(朝食付き)闘争を展開したという著者の、読後に不思議な爽やかさが残る経済書。格差論争→貧困論争をへて、リーマンショックで決定的に、また不当に貶められた「競争」の正しい意味を、マクロ経済学的視点から真摯に説いた良書である。 2010年6月初版で、その年の日経新聞「エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」の第1位を獲得した本だが、震災&原発問題で堕ちるところまで堕ちたいまこそ読みたい本である。 競争から目を背けたり、逃げているだけでは、幸せはやってこない。きちんと向き合うところからはじめよう。

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2011/04/04

競争に対し如何に向き合うか。このテーマに真摯に取り組んだ本で、競争社会の啓蒙書といえる。個人的には、自分の仕事の成果を果たしてどれだけ正当に評価できているのかなあ、と考えさせられた。 豊かさと幸福についての話については、よく聞く話だったものの、失われた10年以降の日本経済について...

競争に対し如何に向き合うか。このテーマに真摯に取り組んだ本で、競争社会の啓蒙書といえる。個人的には、自分の仕事の成果を果たしてどれだけ正当に評価できているのかなあ、と考えさせられた。 豊かさと幸福についての話については、よく聞く話だったものの、失われた10年以降の日本経済について経済学者の全うな考えを知ることができたことから、価値ある一冊だと思う。

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2011/03/21

リーマンショックの日本への影響は世間で報道されていたり、自分できる感じているほど大きくはない。たとえリーマンショックがなくても、今の日本の状況は起こって当然のことであり、戦後最長のリーマンショックまでの好景気はそれ以前の好景気のように個人の豊かさには反映されていない。 今後におい...

リーマンショックの日本への影響は世間で報道されていたり、自分できる感じているほど大きくはない。たとえリーマンショックがなくても、今の日本の状況は起こって当然のことであり、戦後最長のリーマンショックまでの好景気はそれ以前の好景気のように個人の豊かさには反映されていない。 今後においても、企業のみならず、政府の方針を含め歩む方向を示してゆかなければ、日本の世界に対しての競争力は落ちてゆくばかりであることがわかります。

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2011/03/21

『戦後最長の景気回復』はどうして起こったのか。そこには「見える円安」「見えない円安」という2つの要因があった。この2つがなぜ起こったのか。ということを教えてくれる。

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2011/03/09

齋藤誠「競争の作法ーいかに働き、投資するか」 各方面で非常に高い評価で気になっていた一冊。 市場での競争がキチンとなされていない事が現在の日本経済の課題であると丁寧に説明。 ...文にするとアッサリだけど、本当に丁寧さを感じる。 競争原理を説きながら、「競争は勝ち続ける事は...

齋藤誠「競争の作法ーいかに働き、投資するか」 各方面で非常に高い評価で気になっていた一冊。 市場での競争がキチンとなされていない事が現在の日本経済の課題であると丁寧に説明。 ...文にするとアッサリだけど、本当に丁寧さを感じる。 競争原理を説きながら、「競争は勝ち続ける事はできないので、勝ち方同様に負け方も大事」と(このあたりがタイトルの『作法』に繋がる)と看破している。 僕の好きな本は「翌日の思考プロセスに明確に影響する事」が基準だけど、その意味で好きな本。 立場に甘んじる事無くポジティブに競争し続けれると良いなぁ。 そのためにもきっと作法が大事。

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2011/03/08

 たいへん面白かった。ここ20年くらいの日本経済を見る目を改めて確認させてくれた。著者の論旨に賛成できない人も少なからずいるだろうとは思う。競争ということを肯定的にとらえ、一人ひとりが現代社会で生きる覚悟を問うような、著者の論法には、そんな強いしっかりした頭脳明晰な人間ばかりでは...

 たいへん面白かった。ここ20年くらいの日本経済を見る目を改めて確認させてくれた。著者の論旨に賛成できない人も少なからずいるだろうとは思う。競争ということを肯定的にとらえ、一人ひとりが現代社会で生きる覚悟を問うような、著者の論法には、そんな強いしっかりした頭脳明晰な人間ばかりではないよ、というつぶやきもあるだろう。そこから先は、一人ひとりの日本人がどのような道を選ぶかだろう。私は、少なくとも今の私は著者の主張に沿って生きることが、よりましな日本社会を築くための道だろうと考える。それが実現されるかどうかの自信まではないのだが。アマゾンの書評などを読むと、具体的な経済政策の処方箋が書かれていないなどの批判的感想が目立つが、そのような態度こそが反省されるべきだ、と思うのである。

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2011/03/03

リーマンショックやデフレに対する認識が変わった。特にデフレに関しては、大きな認識違いだった。 誰でも入手出来る資料を元に、難解なモデルを使わずに論理展開されているので、ブラックボックスになってしまう部分が無い。

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2011/03/01

一橋大学経済学部教授の著作。 個人的には経済の統計よりも「自分でものを考え行動する」エッセンスを読むために購入。 共感できるようなところが多かったが、特に「これからは生産活動を終えた後の時間の使い方が重要になる」と言う点は日頃から思っていたところ。 ただそれらはあくまでエッ...

一橋大学経済学部教授の著作。 個人的には経済の統計よりも「自分でものを考え行動する」エッセンスを読むために購入。 共感できるようなところが多かったが、特に「これからは生産活動を終えた後の時間の使い方が重要になる」と言う点は日頃から思っていたところ。 ただそれらはあくまでエッセンス。やさしく書いてある統計も良いんだけど。

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2011/02/24

「競争に向き合うこと」の重要性を人間の心理に結び付けて解説しているのは、とても新鮮。 でも、感覚的になんとなく感じていたことが、明文化されたようで、とても爽快に読むことができた。

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2011/02/22

1章は非常に読み難いが、2章以降どんどんわかりやすくなってくる。主張は明快なものの、著者自身言っている通り裏付けデータがシンプルのため、消化のためには深い理解が必要でかえって難しい。 文章を一読してわかる、「変わった」先生だが、主張の筋の通し方、展開は秀逸。

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