告白 の商品レビュー
最初からグイグイ
第1章から引き込まれます。 その後に続く人達の心情も目の前で見ているかのような錯覚を覚えます。 きっとこうやって犯罪っておこるんだろうな…因果応報という言葉が相応しいかはさておき…
鹿内美保
第一章だけでもうぶっ飛びます
第一章だけでひとつの短編としてちゃんとどんでん返しが味わえる。 読み進むと二章・三章がだれて感じてくるが、それが結末へむかう 大きな伏線になっていることに、後から気がつく。 そしてとんでもない結末。 最近多いテーマでありがちな話なのに、料理のしかたがちょっと違う?
うしこ
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まず一章の聖職者が素晴らしい。導入から本題の少年ABの話への流れが滑らかで、話の切れ目を感じさせない、素晴らしい話の構成だった。内容も、牛乳の雑学から始まり、最後はその牛乳による娘を殺した少年ABに対する断罪。関係ないと思っていた冒頭の話でさえ伏線だったとはこの話の密度におどろかされた。 最後の締めくくりもいい。母に会うために作った爆弾で、母親を殺させるという演出に、「これが本当の復讐であり、あなたの更生の第一歩だとは思いませんか」という締めくくり。生徒の更生を信じ、牛乳を入れ替えた夫との対比もあり、良かった。 また、一章で出来上がった登場人物の人物像がどんどんひっくり返されていくのも湊かなえ作品の素晴らしさだ。少年Aは、猟奇殺人という手段で目立ちたいだけだと思っていたが、母親に会いたいという願望から来ていたこと。少年Bは事件に巻き込まれてしまった可哀想な好青年だと思っていたが、少年Aからの言葉に腹を立てて森口先生の娘愛美を殺していたこと。学級委員長は真面目で常識人だと思っていたが、ルナシー信者だったこと(学級委員長視点の章が殉教者であることから、ルナシー本人ではないと考えられる)。 この作品を通して感じた疑問点についての考察書きたい。まず、「B組内での告白を外に漏らしたヤツは、少年Cとみなす」というメールの差出人だ。連絡網によってクラスの生徒全員が他の生徒全員のメールアドレスを知っていたことから、森口先生か、このクラスの生徒ということになる。森口先生がやっていたと大半の人が思っただろうが、私は副委員長でさらに、クラスの中心で野球部のエース。そして愛美の死体の第一発見者星野祐介説を推したい。まず、メールの口調が男っぽいところだ。漏らした"者"ではなく、"ヤツ"というところに、森口先生だった場合、違和感を覚える。男っぽい口調から、森口先生より、星野祐介の方が信憑性があるのではないか。それだけではない。2章の描写で、「おそらく祐介くんは森口先生のことが好きだったのだと思う」というセリフがあり、少年ABへの復讐の動機もあるし、牛乳パックを投げ、無視から嫌がらせへと発展させた張本人でもある。これらの理由からメールの差出人は星野祐介だったと考えられる。 次に、これはネットに書いてあったものなのだが、時系列的に、爆弾を回収してから大学に持っていくことはできないのではないかというものだ。実は、少年Aが母親に会いに行った時の描写から学校の最寄駅から大学まで3、4時間かかるほど遠い。だから、爆弾を設置するのが間に合わないのではという疑問だ。面白い着眼点だなと思ったが、これは簡単に解決する。自分の学生時代の終業式を思い出して欲しい。学校に来てすぐ終業式ではなく、先に大掃除がなかっただろうか。私の記憶が正しければ、登校→大掃除→終業式→成績表配布→下校であったと思う。8時半に登校→大掃除1時間→作文の音読ならば、読み終わる頃には10時をすぎているだろう。6時に回収していれば余裕で間に合うのだ。さらに、電車は直線距離ではなく、かなり回り道をする。乗り換えの時間もあるため、タイムロスが多い。車で行けばほぼ直線距離で行けるため、おそらく4時間よりも早く着くだろう。
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1章の内容で1冊の本が書けそうなストーリー性。 読み進めるごとに、それぞれの視点からの物語が読み解ける。 書いてある内容のどれが本当か嘘か考えながら読むことは私には難しく、全て読み進めていた。 過去に本と映画を1回ずつみた私は、今回、同時に映画も見直しました。
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【衝撃的な内容と独特な構成】 湊かなえの『告白』は、読む者に強烈な印象を残す衝撃的な作品である。物語全体にわたって重い雰囲気が漂い、特にバッドエンドの展開は心に深く刻まれる。作品は、話し手が次々と変わる構成で進行し、それぞれが事件の真相を「告白」する形で描かれる。この斬新な形式は物語の緊張感を高めるとともに、読者を物語の核心へと引き込む。 【思春期特有の心理と母親への特別な感情】 物語の中心にいるのは、母親や母親に特別な思いを抱く子供たちである。彼らの視点を通じて語られるのは、思春期特有の自己中心的な考えや破滅への衝動、そして母親への強い愛憎である。話し手たちの「告白」は、驚きと恐怖に満ち、同時に彼らが抱える葛藤やゆがんだ価値観がリアルに描かれている。 【現実味がもたらす恐ろしさ】 『告白』の最大の恐怖は、登場人物たちの行動が「現実に起こり得る」と思わせる点である。思春期の未熟さや衝動が、彼らを破滅的な行動へと駆り立てる。その背景には家庭環境や社会のゆがみが存在し、物語にさらなる現実味を与えている。読者として「もし自分が彼らの立場だったら」と考えずにはいられない。 【母親という存在の重要性】 物語では、「母親」という存在が中心的なテーマとなっている。母親への愛情や憎しみが登場人物の人格や行動に大きく影響を与える点が印象的である。母親との関係性が物語全体の暗さや緊張感を際立たせ、そのつながりが生む感情の揺れが深く心に刺さる。 【読後の学びと気づき】 思春期の自分を振り返りつつ、他人の感情や行動の背景について考えるきっかけとなる。私も、中学生でいじめにあったときは、「かっこ悪いところを人に見られたくない。」「世界が滅べばいいのに。」と思ったものだ。思うだけで何か具体な行動に走らずに済んだのだが。。 思春期にありがちな未熟さや矛盾を描き出した『告白』は、破滅的な行動が持つ危険性や、他者との関係性の重要性を再認識させてくれる。
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映画化されてたものだな〜と思い読んでみました。 最初の語り口調から、それぞれに視点が映っていき、真相がわかって行くのがすごく印象的でした。 娘を殺されたお母さんの復讐で、すごく考えられていてゾッとしましたが、そりゃそうなるかと思いました。愛する娘を殺されて異常でいられないわけがないと思いました。
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かなり以前に読了していますが、鮮烈な印象を当時感じたことを覚えています。昨日の朝食すら 忘れてしまうワタシが。 多重視点で描かれて、真相に迫っていく緊迫感。 映画『怪物』と同じ手法ですが、これを20年以上前にエンタメとして、表現していた湊かなえさん。 そりゃ、イヤミスの女王だよ...
かなり以前に読了していますが、鮮烈な印象を当時感じたことを覚えています。昨日の朝食すら 忘れてしまうワタシが。 多重視点で描かれて、真相に迫っていく緊迫感。 映画『怪物』と同じ手法ですが、これを20年以上前にエンタメとして、表現していた湊かなえさん。 そりゃ、イヤミスの女王だよね。 血液いり牛乳のくだりは、スタートから読者のココロつかんじゃう!最高のエピソードです。 一生わすれることができない、読書体験でした。 令和になって、『新作です!』って発表されても、 色褪せのない、最高傑作だと思います。
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直接的な復讐じゃないところが、気持ち悪くておもしろかった。湊かなえの初読本がこれだったので、強烈な印象を持った笑
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かなり暗い話だった。一人一人性格が違っていた。一通り読まないと、何が嘘で、事実がどうだったのかが分からなかった。もう1回読むと、分かりやすいかも。どこまでか本当で嘘なのか分からないところもあったけどそこが面白いのかも。楽しい本を読みたくなった。
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人を見た目で判断してはいけないと思いつつ、渡辺修哉を先入観で決めつけていた。彼は、許されない行為をしたが、同情はできる。小中学生での家庭環境は人格形成において極めて重要な時期であるから。 森口の復讐劇が大胆かつ狡猾で圧巻。 最近読んだ本が微妙だったせいか非常に面白かった。
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