光媒の花 の商品レビュー
一編一編の短編としては、陰湿だったり、ありがちだったりあまり好きではなく、途中で止めようかとも思ったほど。しかし…、風媒花、虫媒花、白い蝶、そして光媒の花。すべての短編を読み終わった後に、これらの言葉を噛み締めてみると胸を突くものがあります。
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前の短編の脇役が次の主役となる連作短編集。最近のものでは有川浩の阪急電車。あっちが前向きなポジティブな明るい話であるのに対し、こちらは、作者お得意の切ない子供たちが多数登場する。最後の章までで、これらの切ない子供たちの後日譚が一部、語られるため救いがあり、読後感は救われる。 タイ...
前の短編の脇役が次の主役となる連作短編集。最近のものでは有川浩の阪急電車。あっちが前向きなポジティブな明るい話であるのに対し、こちらは、作者お得意の切ない子供たちが多数登場する。最後の章までで、これらの切ない子供たちの後日譚が一部、語られるため救いがあり、読後感は救われる。 タイトルの光媒の花は、作中でも説明される風媒花、虫媒花からの造語だろうが、登場人物が景色の中で観る光のことだろう。光に導かれ、人生の実りを得るという意味合いだろう。秀作でお勧めです。作者は、だんだんと文章がうまくなっていて、先が楽しみな作者の一人です。
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後味が悪い話もあるな…と思っていたら、 最後でうまく回収されていた。 連作好きなので、満足できる本。 でも綺麗にまとまりすぎているかなって、 どんだけ欲張りなんんだ。反省。
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山本周五郎賞(2010/23回)/直木賞候補(2010上/143回) (収録作品)隠れ鬼/虫送り/冬の蝶/春の蝶/風媒花/遠い光
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短編集だけどあざやかに話が続いていく。 あまり楽しい話ではないのかと思いきや、見事にストーリーが展開される優しい話。 人はいろいろな傷を負いながら、自省し、いろいろな人に支えられ、いつの間にか前進していく。 ケセラセラ
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それぞれが繋がりを持った群像劇。 大きく最初の四章・後半二章と2つの物語で更生。 明るい話しではないけど良い物語です。 「隠れ鬼」妹に悪戯をしたホームレスの住むダンボールハウスめがけ、幼い兄妹は橋の欄干から石を落としてしまう…。 「虫送り」欄干から石を落とした兄妹を対岸から見て...
それぞれが繋がりを持った群像劇。 大きく最初の四章・後半二章と2つの物語で更生。 明るい話しではないけど良い物語です。 「隠れ鬼」妹に悪戯をしたホームレスの住むダンボールハウスめがけ、幼い兄妹は橋の欄干から石を落としてしまう…。 「虫送り」欄干から石を落とした兄妹を対岸から見ていたもう一人のホームレス。 「冬の蝶」ホームレスの死の真実とは…。 「春の蝶」アパートの隣の老人が泥棒の被害にあった。不機嫌に父親を迫る不機嫌な娘。 「風媒花」喉にできたポリープ。夢みていた教師という仕事。名前が変わってしまったクラスメートの少女。いろんなことが立ち回らなくなった彼女の決断は…。 「遠い光」母親が嫌いな自分。本当に憎むべきは母親なのか…。 「春の蝶」「遠い光」ともに親子関係の確執その再生に触れていますが、子を持つ親として胸が痛いです。 もうすっかり自分が親の側でしか思考が働かなくなってることに気がつきます。
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六篇の連作短編集。言葉の選び方が巧く、陰惨な内容ながらも全体的に無駄がなく綺麗な印象を受けた。絶望の中に提示される一片の希望が、物悲しい物語を美しく薄明るくしている。秘密を抱えて生きる残酷さと、真実の持つ解毒力の強さに胸がいっぱいになった。
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なんとも…… 道尾ワールドが広がってるなぁというかんじ。 うちが手にとる道尾さんの本がたまたまそういう雰囲気なのか。 好きな要素あるんだけど、やっぱり気持ち悪い。 そこが魅力なのかなぁ?
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少しずつ繋がっている病んだ(心を痛めた)人々の話。それぞれにちゃんと「救い」が用意されていて良かった。
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6つの短編が巧妙に繋がっている、連作短編です。 最初のストーリーに底知れない怖さがあり、2編目、3編目とどっぷり闇を感じますが、後半の3作で少しずつ光がさしてきます。 一匹の蝶が、それぞれをつなぐ鍵になっていて、最後の章で、闇の中にいた最初の主人公に光を導いている感じがよかった...
6つの短編が巧妙に繋がっている、連作短編です。 最初のストーリーに底知れない怖さがあり、2編目、3編目とどっぷり闇を感じますが、後半の3作で少しずつ光がさしてきます。 一匹の蝶が、それぞれをつなぐ鍵になっていて、最後の章で、闇の中にいた最初の主人公に光を導いている感じがよかったです。 上手い構成になっていると思いました。 心に巣くう闇にふっと光がさして、前を向くきっかけを作ってくれます。人を救うのはやっぱり人なんですね。そんな優しさを感じます。
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