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光媒の花 の商品レビュー

3.7

251件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    108

  3. 3つ

    77

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2011/08/06

連作短編で、次の話で前の話の脇役が主人公になったりして物語の世界が繋がり広がっていくのが好きだ。その中で、いい方向の後日談が聞けたらもっといい。道尾さんはその繋がりの見せ方がうまいんだなぁ。あぁ、そうだったのかとほっとさせる。どの話も、主人公は、つらい過去や生きにくい現実を抱えて...

連作短編で、次の話で前の話の脇役が主人公になったりして物語の世界が繋がり広がっていくのが好きだ。その中で、いい方向の後日談が聞けたらもっといい。道尾さんはその繋がりの見せ方がうまいんだなぁ。あぁ、そうだったのかとほっとさせる。どの話も、主人公は、つらい過去や生きにくい現実を抱えていて、その状況は読んでいてつらい。それだけに、他人との関わりを通して、現状から一歩踏み出そうとするに至る運びにはじんとくる。どんなつらいことがあっても、日々生きていれば、いつか乗り越えられる、そんな日が来ると、そう思わせる。短編のタイトルのつけ方もうまい。それぞれ内容の重要なモチーフではあるけど、それが合わさった相乗効果として「光媒の花」のイメージを立ち上げている。つらいお話が苦手な方も、この作品は救いがあるから大丈夫!

Posted byブクログ

2010/10/09

認知症の母と印章店を営む息子の場面から始まるのが印象的。そこから、周辺の人間の有様が書かれていく。 どの章も人間の闇のような部分に焦点が当てられているが、光の部分も取り上げられていたら、もう少し読後感がすっきりしたかと思った。

Posted byブクログ

2011/02/09

次の章の主要人物がニアミスしつつ数珠繋ぎに登場する、連作短編もの。6章で構成されているが、前半3章と後半3章でずいぶん雰囲気が違う。 前半3章までは、主人公が暗い記憶や経験をするんだけど、感傷に浸るだけで向き合ったり成長したりしないまま話が終わる感じ。 ところが4章から雰囲気が...

次の章の主要人物がニアミスしつつ数珠繋ぎに登場する、連作短編もの。6章で構成されているが、前半3章と後半3章でずいぶん雰囲気が違う。 前半3章までは、主人公が暗い記憶や経験をするんだけど、感傷に浸るだけで向き合ったり成長したりしないまま話が終わる感じ。 ところが4章から雰囲気が変わり、温かい成長物語路線にシフトしていく。6章にいたっては1~3章までの主人公もちらっと登場し、暗い出来事を振り切って成長しようとする姿を見せたりもする。 読み進めている間は、3章までのじめっとしてて小利口にまとめた感じが嫌だったけど、構成上の手法であったならそれはそれでいいかと読み終えて思い直した。 5章の「風媒花」は、中では抜群にいい話だった。

Posted byブクログ

2010/09/24

日常のなかのほんの一瞬の関わりから、人々が抱える心の傷が描かれる。 どの話も重く深いが、その中にも必ず手を差し伸べている人が必ず居てくれる事が救いとなる。

Posted byブクログ

2010/09/23

短編が苦手ということも影響しているのかもしれないが、 なぜかそんなに楽しめなかった 再読したら印象が変わるかもしれないので、時間を置いて 読み直してみたい

Posted byブクログ

2010/09/23

せつない系です。緊張感あるストーリー展開。通勤電車で読んでて喉が乾きました。6編の連作ですがその連鎖の仕方が気持ちイイ。

Posted byブクログ

2010/09/20

読み途中はドキドキで、どうなってしまうのだろう、と心配で仕方が無かったけれど、 いい方向へ行ってくれて、よかった。 どこかしらで繋がっている連鎖が、興味深かった。

Posted byブクログ

2011/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

熟成過程にある。そう感じた。久しぶりの道尾作品だった。 離れていたのは、道尾作品の持つ毒に耐えられなくなっていたからだ。 道尾さんは非常に優れた作家である。ただ彼が創り出す世界は強烈な刺激を多く内包しすぎている。私はもう少し角の取れた作品が好みで、不快感や苦痛に耐える必要のない作品を望んでいた。 もちろん、そういう作品がなかったわけではない。『カラスの親指』はまさに好みの作品で、最高に楽しんだ。でも、『カラスの親指』のような作品はその後見つけられない。 読むたびに、みぞおちに強烈な一撃をくらったみたいにからだの芯にこたえる道尾作品。でも、この連作短編集は、ちょっと違う。これまでのイメージを覆すほどではないが、いつもの強烈な負のパワーをやや抑え、不快感は残るものの微かな希望へと繫げているところが心地よくもある。 道尾さんがさらなる熟成を重ね、どんな芳醇な作品を生み出していくのか。本書を読んで、また気になりだした。

Posted byブクログ

2010/09/12

6つの短編でありながら、一つの世界を作り出してる。 その世界は帯に… 装丁に表現されている。 どことなく仄暗く湿度を持ちながら、暖かさがある・・・ 不思議な読後感だった。

Posted byブクログ

2010/09/10

各話の主人公が少しずつリンクしている短編6編。この人の場合、純粋なミステリよりもこういうお話の方がむいてる気がします。はいはい、「蝦蟇倉市事件1」の誤植に対する誠意のない対応を未だ不愉快に感じてますけど、何か?(笑

Posted byブクログ