光媒の花 の商品レビュー
道尾秀介さんの 「光媒の花」を読みました。 この本は、 判子屋主人の20年前 小さな兄妹の事件 少女の秘密と昆虫博士になりたい少年 耳が聞こえなくなった少女 病気の姉を見舞う青年 女教師と悩みを持つ女子生徒 が登場します。 どの登場人物も光と影をもち、 ...
道尾秀介さんの 「光媒の花」を読みました。 この本は、 判子屋主人の20年前 小さな兄妹の事件 少女の秘密と昆虫博士になりたい少年 耳が聞こえなくなった少女 病気の姉を見舞う青年 女教師と悩みを持つ女子生徒 が登場します。 どの登場人物も光と影をもち、 何かを見出そうとしてもがいている姿が描かれています。 私はこのブログで何度も書いていますが、 作者の道尾さんんは、 人の些細な感情の動きや揺れなどを 表現するのが非常にうまい方だと思っています。 私がこの方の作品を読み続けるのは、そんなところがあるのかもしれません。 タイトル「光媒の花」・・・いいタイトルだと思います。 とても深い意味が隠されていると、読んだ後思いました。 これはお勧めです。 評価:★★★★★
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それぞれ少しずつ重なってくる短編集。しんみり読ませてくれる本でしたが…案外さらりと読んでしまって印象が薄かったのは何故だろう?
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短編集だけど繋がっている、登場人物が少しずつリンクしている作品。 切なくてやりきれない出来事をそれぞれが抱えていて、悩みながらもかすかな光を見つけていく。 すっきり解決する訳じゃないけど、だからこそ心に残る話しだった。 でもやっぱり切ないな。
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今まで読者を楽しませようと、いっぱいひねった作品が多かったけど、今回はそれをちょっと抑えてヒューマニズムが入っているので、すごく読みやすいしよかったと思う。 リンクがちょっと花粉がかかった程度で、その人の人生に あまりかかわりがないところも、なんか素敵でした。
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印章店を細々と営み、認知症の母と二人、静かな生活を送る中年男性。ようやく介護にも慣れたある日、幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が、「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか?(隠れ鬼)/共働きの両親...
印章店を細々と営み、認知症の母と二人、静かな生活を送る中年男性。ようやく介護にも慣れたある日、幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が、「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか?(隠れ鬼)/共働きの両親が帰ってくるまでの間、内緒で河原に出かけ、虫捕りをするのが楽しみの小学生の兄妹は、ある恐怖からホームレス殺害に手を染めてしまう。(虫送り)/20年前、淡い思いを通い合わせた同級生の少女は、悲しい嘘をつき続けていた。彼女を覆う非情な現実、救えなかった無力な自分に絶望し、「世界を閉じ込めて」生きるホームレスの男。(冬の蝶)など、6章からなる群像劇。
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印章店を細々と営み、認知症の母と二人、静かな生活を送る中年男性。ようやく介護にも慣れたある日、幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が、「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか?(隠れ鬼)/共働きの両親...
印章店を細々と営み、認知症の母と二人、静かな生活を送る中年男性。ようやく介護にも慣れたある日、幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が、「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか?(隠れ鬼)/共働きの両親が帰ってくるまでの間、内緒で河原に出かけ、虫捕りをするのが楽しみの小学生の兄妹は、ある恐怖からホームレス殺害に手を染めてしまう。(虫送り)/20年前、淡い思いを通い合わせた同級生の少女は、悲しい嘘をつき続けていた。彼女を覆う非情な現実、救えなかった無力な自分に絶望し、「世界を閉じ込めて」生きるホームレスの男。(冬の蝶)など、6章からなる群像劇。大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘、絶望の果てに見える光を優しく描き出す、感動作。 (amazonより抜粋) 面白いです。 少し時間が経ってからもう一度読み直したい物語の一つかもしれない。 短編集かと思ったらリンクしあう物語だと分かったときに「もう一度読み返したい」と思いましたね。 切なく優しく。そんな一冊。
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連作短編集なんですが、むしろリレー小説とでもいいましょうか…それぞれのお話が次のお話へと絶妙にリンクして、最後のお話ではまた最初のお話の人物が出てきて、という構成がとても面白かった。それぞれに重いお話ではあるんですが、ささやかな幸せを大切にしながら生きていこうとする姿に、じんとさ...
連作短編集なんですが、むしろリレー小説とでもいいましょうか…それぞれのお話が次のお話へと絶妙にリンクして、最後のお話ではまた最初のお話の人物が出てきて、という構成がとても面白かった。それぞれに重いお話ではあるんですが、ささやかな幸せを大切にしながら生きていこうとする姿に、じんとさせられました。文章も読みやすくていいし、以前読んだ本ではどこか力技というかムリヤリ感が多少あったんですが今回はそんなこともなくて、ほんと読んでよかったと思います^^
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それぞれの登場人物たちが、それぞれに背負うものは罪であったり、嘘であったりと様々で。それに対して、悩んで、もがき苦しんで…。全ての物語に救いがあるわけではないけれど、それでも読後感は良かったです。 初めは長くて真っ暗なトンネルを手探りで進むような怖さがあって、でもそんな中に白い...
それぞれの登場人物たちが、それぞれに背負うものは罪であったり、嘘であったりと様々で。それに対して、悩んで、もがき苦しんで…。全ての物語に救いがあるわけではないけれど、それでも読後感は良かったです。 初めは長くて真っ暗なトンネルを手探りで進むような怖さがあって、でもそんな中に白い蝶が現れて、それに導かれながら少しずつ明るい出口に向かって行く―全体的な物語の流れ、と言うか私の中での作品のイメージはそんな感じでした。
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連作短編集という今までに読んだことのなかった作品構成でとてもおもしろかった。全6話の短編が一話完結になっているのだが、どこかで絶妙に つながっている画期的な作品。 植物や虫の習性など雑学も得られて読み応えがあります。
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十字架を背負って生きている登場人物たちが、少しずつ繋がっていることで、勇気をもらったり安心したり何かに気づいたりできることが素晴らしい。 そんな少しずつの繋がりは光によって媒介されており、タイトルの『光媒の花』というフレーズを頭の中で繰り返すたびに、希望の光のようなあたたかみを感...
十字架を背負って生きている登場人物たちが、少しずつ繋がっていることで、勇気をもらったり安心したり何かに気づいたりできることが素晴らしい。 そんな少しずつの繋がりは光によって媒介されており、タイトルの『光媒の花』というフレーズを頭の中で繰り返すたびに、希望の光のようなあたたかみを感じる。 なんだかとっても素敵な人たちに出会えたような気持ちになった。
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