光媒の花 の商品レビュー
認知症の母と暮らす、印章店の店主の苦い恋の思い出。その陰に潜んでいた真実は・・・「隠れ鬼」 僕たちがやってしまったことを、川向うの光の人は見ていたかもしれない。犯罪発覚の恐怖に怯える兄妹の前に現れた人物は・・・「虫送り」 世界を閉じ込める方法を教えてくれた少女。彼女を救お...
認知症の母と暮らす、印章店の店主の苦い恋の思い出。その陰に潜んでいた真実は・・・「隠れ鬼」 僕たちがやってしまったことを、川向うの光の人は見ていたかもしれない。犯罪発覚の恐怖に怯える兄妹の前に現れた人物は・・・「虫送り」 世界を閉じ込める方法を教えてくれた少女。彼女を救おうとした若き日の私は・・・「冬の蝶」 耳が聞こえなくなった少女と祖父。彼らが暮らす部屋で起こった盗難事件の犯人は・・・「春の蝶」 病に弱った姉を見舞うトラック運転手の弟。彼と母親の確執。カヤツリグサとでんでんむ虫・・・「風媒花」 悩める教師の〈私〉と母親の再婚に戸惑いを見せる女生徒。彼女が子猫に石を投げつけたわけは・・・「遠い光」 一匹の白い蝶が行き過ぎる時、そこに繰り広げられる人間模様。 時に優しく、時に残酷。 でもどれもがなぜか美しい。 道尾さんらしい作品だなぁという印象。 『鬼の足跡』ほどのインパクトはないけれど、こちらも十分美しい短編集でした。
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微妙に絶妙にリンクしてるのね。 おじさんの回想録と、お姉ちゃんと弟のやつが好きでした。 いろんな感情がぐるぐるするけど、言葉にできなくてもどかしい。 ただ、一言で言うならば 『せつない』だよね。
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本の内容 もう、駄目だと思った。それでも世界は、続いていた—少女は無限の想像力でこの世界を生き延び、少年はたった一つの思い出にしがみつく。一匹の蝶が見た悲しみの先に広がる光景とは…渾身の連作群像劇。
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きれいな文章、さりげない読者への裏切り、身近だけど重たい題材を扱っている短編6話ですが、主人公たち、光、蝶のつながりは読んでてワクワクした。主人公が代わりリンクするのはよくある構成だけど、それを飽きさせずにグイグイ興味をひくのは、ストーリーテラーとしてすごいんだろうな、と偉そうに...
きれいな文章、さりげない読者への裏切り、身近だけど重たい題材を扱っている短編6話ですが、主人公たち、光、蝶のつながりは読んでてワクワクした。主人公が代わりリンクするのはよくある構成だけど、それを飽きさせずにグイグイ興味をひくのは、ストーリーテラーとしてすごいんだろうな、と偉そうにも思った。もうちょっとつながっていくを見てみたい本です。
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著者自身に「この全六章を書けただけでも、僕は作家になってよかったと思います。」と言わしめたことはある。俺自身も道尾秀介の作品の読んで中で一番良かった。
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隠れ鬼 虫送り 冬の蝶 春の蝶 風媒花 遠い光 6つの短編 1章の脇役が2章の主人公に…と話がリンクする 虫や植物についての描写が多い 装丁が綺麗
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とある街に暮らす人々の心のうちを描いた短編小説。なんという陳腐な紹介ww でも・・・・なんだろう?道尾作品なのでそれなりに暗い展開を予想しながら読み進めていました。実際に明るいとはとても言えないような話づくりだし、そういう空気でしたし。 でもなんとなくハートフルな・・・ハートフ...
とある街に暮らす人々の心のうちを描いた短編小説。なんという陳腐な紹介ww でも・・・・なんだろう?道尾作品なのでそれなりに暗い展開を予想しながら読み進めていました。実際に明るいとはとても言えないような話づくりだし、そういう空気でしたし。 でもなんとなくハートフルな・・・ハートフル?あの道尾秀介が?! 読みながら自問自答w 文体に幅のある作家さんなんだなあ・・・と偉そうなことを思いましたw 話の展開自体はそんなに派手派手しいものではないにせよ、なんとなく癒される、そんな小説。
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道尾秀介の作品は、初めて読みます。確かNHKの番組で本人とも紹介されて、みたくなったのがきっかけです。
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短編のように見えて実は長編小説? 引き込まれていっきに読んでしまう作品。 前半の殺人を犯した人々から後半の涙を誘う作品まで 文章の美しさとストーリーは素晴らしいです。 タイトルの意味は分かるような分からないような。 最終話の光の話。 この感覚を言葉にするなんて凄いと思った。 私...
短編のように見えて実は長編小説? 引き込まれていっきに読んでしまう作品。 前半の殺人を犯した人々から後半の涙を誘う作品まで 文章の美しさとストーリーは素晴らしいです。 タイトルの意味は分かるような分からないような。 最終話の光の話。 この感覚を言葉にするなんて凄いと思った。 私もその光を求めて色々してみた事はあるが、 実際大人になってその光に遭遇できたことはない。 大人になるって寂しい事なのかもしれない。と思った。 色々面白い作品でした。
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封じたはずの過去を母が描く絵に見た男。 ホームレスを殺した罪に怯える兄妹。 閉じ込められた世界の外側のホームレスの回想。 ファミリーレストランで働く女と初老の男性とその孫。 トラック運転手と入院中の姉。 小学校の女教師とその生徒。 一見無関係な人物たちが織り成す群像劇。 全6篇の...
封じたはずの過去を母が描く絵に見た男。 ホームレスを殺した罪に怯える兄妹。 閉じ込められた世界の外側のホームレスの回想。 ファミリーレストランで働く女と初老の男性とその孫。 トラック運転手と入院中の姉。 小学校の女教師とその生徒。 一見無関係な人物たちが織り成す群像劇。 全6篇の連作短編集です。 道尾さんの新刊はまたまた非ミステリ。 ミステリの手法を駆使して描かれた人間模様です。 なんだかますます東野さんっぽくなってきたような・・・。 これも直木賞にノミネートされて、落選するんじゃないでしょうね? とはいいつつも、素直によかったです。 こういう物語を書かれるようになったとは。 悲惨な状況と思われても、見方を変えれば光が見える。 底に流れるのは家族の再生の物語です。 でもやっぱり、バリバリの道尾ミステリが読みたいのです・・・。
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