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光媒の花 の商品レビュー

3.7

251件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    108

  3. 3つ

    77

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    2

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2011/04/18

■関西往復の機内で読もうと思って図書館シリーズのハードカバーを持ってきたのに一気に読んでしまい往路で読了。(笑) 6つの連作になっているんだけど、どの作品も生きることの価値観を問われているような...もう、ガッツリと惹きつけられて身動き取れなくなる。 ■面白かったけど帰りの本が...

■関西往復の機内で読もうと思って図書館シリーズのハードカバーを持ってきたのに一気に読んでしまい往路で読了。(笑) 6つの連作になっているんだけど、どの作品も生きることの価値観を問われているような...もう、ガッツリと惹きつけられて身動き取れなくなる。 ■面白かったけど帰りの本がなくなっちゃったよ。(笑

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2011/04/13

印章店を細々と営み、認知症の母と二人、静かな生活を送る中年男性。ようやく介護にも慣れたある日、幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が、「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか?(隠れ鬼)/共働きの両親...

印章店を細々と営み、認知症の母と二人、静かな生活を送る中年男性。ようやく介護にも慣れたある日、幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が、「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか?(隠れ鬼)/共働きの両親が帰ってくるまでの間、内緒で河原に出かけ、虫捕りをするのが楽しみの小学生の兄妹は、ある恐怖からホームレス殺害に手を染めてしまう。(虫送り)/20年前、淡い思いを通い合わせた同級生の少女は、悲しい嘘をつき続けていた。彼女を覆う非情な現実、救えなかった無力な自分に絶望し、「世界を閉じ込めて」生きるホームレスの男。(冬の蝶)など、6章からなる群像劇。大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘、絶望の果てに見える光を優しく描き出す、感動作。

Posted byブクログ

2011/04/10

それぞれ主人公が異なる6章からなる連作。 最初の方はいつもの重め暗めのトーンでしたが 終わりの方は光が見えたというか暖かい感じもした。 季節のイメージは夏ですが ヒンヤリした気分になる不思議なお話。

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2012/12/09

道尾さんの最高傑作だと思います。 月と蟹はまだ読んでいませんが、他の方のレビューをみていると、どうもそんな気がしますね。 文体がまず素晴らしく、美しい。 短編が6つですが、それぞれの登場人物がどこかでつながっており、それぞれが心に影を抱えています。 しかしながら、最後に救いがある...

道尾さんの最高傑作だと思います。 月と蟹はまだ読んでいませんが、他の方のレビューをみていると、どうもそんな気がしますね。 文体がまず素晴らしく、美しい。 短編が6つですが、それぞれの登場人物がどこかでつながっており、それぞれが心に影を抱えています。 しかしながら、最後に救いがあるように思います。 涙する小説ではありませんが、この完成度は最近出会った小説の中では群を抜いています。 文句無しで、星5つの10点満点。

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2011/03/30

認知症の母親とひっそり暮らす男性の封印された過去、ホームレス殺害に手を染めた小学生兄妹が抱く畏れ、密かに心を通わせた少女のための少年の噓-。愚かでいとおしい人間の姿を描く連作群像劇。 6篇から成る連作短編集は道尾秀介の上手さを感じさせるけれど、個性的かと言えばそうでもなかった。...

認知症の母親とひっそり暮らす男性の封印された過去、ホームレス殺害に手を染めた小学生兄妹が抱く畏れ、密かに心を通わせた少女のための少年の噓-。愚かでいとおしい人間の姿を描く連作群像劇。 6篇から成る連作短編集は道尾秀介の上手さを感じさせるけれど、個性的かと言えばそうでもなかった。一気に読めば各篇の繋がりをもっと感じられたかもしれないが、通勤電車で細切れで読んだので…。 (C)

Posted byブクログ

2011/03/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

6つの短編からなる連作小説。認知症の母と暮らす中年男、ある罪を犯した幼い兄妹、悲しい秘密を抱えた少女など…それぞれの主人公が別の作品へとリンクしていく。愛憎ゆえの殺人、性的虐待、貧困、孤独…気が滅入りそうな物語の連続。読むのが辛くなる。それが後半になるにしたがって希望が芽生え、切ない中に光が見えてくる。ラストの一作で救いのある結末を迎える。絶望の果てに見える光を優しく描き出す感動作。装丁も美しい

Posted byブクログ

2011/03/26

各章はそれぞれ異なる人物の周辺での独立した物語であるのだが、それぞれはどこかで繋がっていて、構成が非常にうまい。 これまでに読んだ道尾作品はいずれもあまり読後感が良くなかったこともあり、読む前と読み始めの時点では、なんとなくまた同じような読後感を抱くような気がしていたのですが、今...

各章はそれぞれ異なる人物の周辺での独立した物語であるのだが、それぞれはどこかで繋がっていて、構成が非常にうまい。 これまでに読んだ道尾作品はいずれもあまり読後感が良くなかったこともあり、読む前と読み始めの時点では、なんとなくまた同じような読後感を抱くような気がしていたのですが、今回は最後には心に光が差すような、温かみを感じられる良い作品でした。 希望や温かみという「花」を運ぶ光が、いろんな人たちに広がっていくという意味だと解釈しましたが、この作品名のつけ方も素晴らしいです。

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2011/03/11

どうして人は、思い出したくないことばかりはっきりと憶えているくせに、大切なことはみんな忘れてしまうのか。

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2011/03/05

暗い、重い、やりきれない日々のなかにも、確かに光は存在している。苦そうに見えて、やさしい小説。 こういう群像劇は好き。文体も好き。

Posted byブクログ

2011/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ラストまでのつながりが面白かった。 罪の意識に苛まれる人々のオムニバスでありながらどこかで一つの結末に向かって流れていく。 それぞれの主人公の行き先のない身の上で地に足についていないようだけど、どこか一点をじっと見つめているという感じ。 まさしく光に向かってふらふらと浮遊していく虫のような作りを狙っていたのかなぁ。

Posted byブクログ