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光媒の花 の商品レビュー

3.7

251件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    108

  3. 3つ

    77

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    2

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2011/06/10

表紙のように蝶が光の中を舞うように進んでいく短編が細くつながる連作。だんだん明るい希望がみえてくるところや最初にでてくるハンコやに戻るところもうまい。それぞれの話の中にでてくる笹の花、カナブン、キタテハ、シロツメクサ、カヤツリグサ、赤とんぼが印象的でいいスパイスになっている。

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2011/06/04

作者は若いが、文章は上手い。短編集だが、登場人物は少しづつかぶって出てくる。ミステリーではないが、読みやすい本。

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2011/05/26
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「今年は、道尾秀介を読む―」と密かに決めていました。 昨年何冊か読んで面白かったことはもちろんですが、 先日の直木賞受賞というタイトルホルダー(と言ってもいいのだろうか)でもあるわけで、 今乗りに乗ってる作家さんだよねー。 終盤でどんでん返しを起こす作風が強烈。そのためミステリー作家としての知名度が高いようですが、 月9の原作を書いたり、もちろんこの作品もそうですが、ミステリー色の比較的薄い作品でも一流。 若手として、個人的に伊坂幸太郎を抜いてトップのポジションにいます。 連作短編集のこの作品は、休日の昼下がりの読書で一気読みでした。 読みやすいということはそれだけ面白いということ。 だってつまらない作品は読むペースも鈍り、途中で本を閉じてしまいますから。 それぞれの章に違う主人公がいても、別の章で関係してくるストーリー、極めて好きです。 いずれも人間の闇の部分を書いていて、その闇から這い出すきっかけの光も同時に描いています。 光は時に細く儚げであり、時に眩いほどの存在感で導くもの。 性的虐待、精神的トラウマ、病気、親の再婚問題などなど。 結構暗いテーマの話が多い中での救いがまさに光であり、 結局のところ人が人として乗り越えなくてはいけない部分だったりします。 二章の「虫送り」の兄妹はホームレスが光だったし、 四章の「春の蝶」では、ファミレスのお姉さんが光だと思うし、 最終章なんて飼い主のおじさんが光でしょ。いや、仔猫の方かも。 この3つが特に印象的でした。 それにしても!「萩の月」が出てきたときはショックでした。(笑) これで★マイナス1個だね! 童謡「あかとんぼ」の歌詞に注目。とても興味深い。 ★★☆☆

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2011/05/20
  • ネタバレ

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道尾秀介著「光媒の花」を読んだ。 第143回直木賞候補作。 6話の短編からなる連作。 認知症の母を介護する印章店経営の男性。 ホームレス殺害に関わった小学生の兄妹と昆虫学者になりたかった男性。 恋した少女の秘密を知ってしまった少年。 耳が聞こえなくなった少女とその少女の心の痛みに気付く女性。 入院した姉を心配し、母との関係が上手くいかない配送業の男性。 自信を失った女性教諭と教え子の少女が思う将来への希望。 主人公が変わっていくが、前作があっての話となっていて、 子供だったあの頃が大人になっての現在に至っている。 「だから、こうなんだ」「なのに、なぜ」と思う部分もあったけど、 最後に自分もこうして生きてきたような思いで胸が詰まった。 この人の作品には少年少女がよく出てくるが、 視点が暗く、切なく、独特の世界。でも上手だと思う。 自分もそうだったけど、何も感じてないようで大人の世界をちゃんと感じ、 その中で自分の立ち位置を必死に守って生きている。 子供って決して天真爛漫じゃない。だから大人は天真爛漫でいて欲しいと思うんだろう。 次作の「月と蟹」で第144回直木賞受賞。 5回連続で候補にあがってこの作品でやっと受賞。 でも私は「光媒の花」の方が好み。

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2011/05/16

短編集だが各話が少しだけ繋がっている。生と死、守りたいものと嘘、過去と現在が絡み合う心の描写が丁寧で、最後にはほのぼのとした気持ちになる。

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2011/05/15

連作短編集。 はかない味わいが心をふるわせる。 光に集まる虫のように、いつまでも繰り返しこの世界に浸かってしまいそうになる。

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2011/09/01

短編から別の短編へのリンクが面白く、次は誰?とか期待する楽しみがありました。それぞれの話も面白く、巧いと思いました。全体をとらえると中盤で大きく膨らんでいくような作品。終盤でやや失速してるかも。

Posted byブクログ

2011/06/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【ストーリー】 印章店を細々と営み、認知症の母と二人、静かな生活を送る中年男性。ようやく介護にも慣れたある日、幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が、「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか?(隠れ鬼)/共働きの両親が帰ってくるまでの間、内緒で河原に出かけ、虫捕りをするのが楽しみの小学生の兄妹は、ある恐怖からホームレス殺害に手を染めてしまう。(虫送り)/20年前、淡い思いを通い合わせた同級生の少女は、悲しい嘘をつき続けていた。彼女を覆う非情な現実、救えなかった無力な自分に絶望し、「世界を閉じ込めて」生きるホームレスの男。(冬の蝶)など、6章からなる群像劇。大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘、絶望の果てに見える光を優しく描き出す、感動作。

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2011/04/30
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短編集なんだけど、巧みにそれぞれの物語がリンクしていて 読んでいて面白いです。 内容は重いんだけど・・それでも最後はホッとできるような。 タイトルもすごく納得できるし道尾さんってすごいな~と 素直に思える作品でした。

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2011/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なぜ、これが読みたいと思ったか、すっかり忘れている。 短編だし、絶対自分の興味から沸いたものではない。 直木賞候補作品で山本周五郎賞受賞作品らしい。 のちに直木賞を受賞した「月と蟹」の著者だった。

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