1Q84(BOOK3) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
2週間の「1Q84」の旅が終わった(2025/1/8〜22) (このせいで任意の活動が後回しに。) "月"並みな表現をすると、村上春樹は天才。そして、個人的にかなり刺さる構成。これは、BOOK1,2の感想にも記した。凄まじい。色々書きたいことがあるが、一限があるので書ききれない。(深夜2時) バランスがいい。ここでいうバランスは、1つ目が真相を"明確にするところ"と"そうではないところ"での話である。「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」では、あらゆることが謎のままで終わった(ように思う)が今回はそうではない。ミステリタッチでの進行でしっかり明かすところは明かす。ぼやかすところはぼやかすの濃淡がはっきり感じられた! つぎ、2つ目が、現実と幻想のバランス。これも無限回言っているが、自分は現実世界と少しは接地されていないと小説を楽しむことのできない性格である。(*1)よって、本当にこれがちょうど良かった。これはマジックリアリズムというやつなのだろうか?(それを確かめるために百年の孤独も読みたい)。 [雑多] これまで、この小説に対して冗長であると指摘をたびたび「X」などで見てきたが、そうは感じられなかった。それぞれの描写に意味があり、そして情報量も豊富に含まれていたと思う。強いて言うならば、文章引用シーンや過度な性描写が少し冗長に感じたくらいである。そして、読むまでのイメージは完全に反転する。そもそも、BOOK1を読んだ時点でBOOK2の序盤に出会うことを想定していた。当然、なかなか出会わない。そして、BOOK2からBOOK3に入るとき、青豆、天吾に加えて1人追加される。これは、明らかに死亡を示唆していると思ったが蓋を開けてみれば死んだのはもう1人の方であった。(それにしてもその人の描写があまりに可哀想でなんでそこまで書くんだ..とずっと思っていました)また、これも散文として書いておくが、ミステリとして読むと、矛盾に指摘せずにはいられないことや、推理に科学的推論が入るが、本作のように超常現象を認めるとそれがある種の何でもあり状態になるので良い。それがしかも適度であるというのは上記にも述べた。 そして、1つの目のバランスで述べた明かされなかったことが何であるかをここに書いておくと、それは、"ふかえり"のことである。彼女は物語の本質を大いに担っていることは明らかであるにもかかわらず終盤はほとんど触れられない。ただ、媒介したと言う描写のみだ。それをいうと戎野先生は登場すらしない。この、不透明感を数日間余韻として楽しみたい。そして、寝る前に書いた纏まっていないこの文をいつかの再読のためにしっかり書き直したい(多分しない) これも書いておきたい。まず、本作を読むモチベになったのは、一九八四年である。これはまだ読んでいないが、明後日くらいから読み始めようと思う。本当は、これと本作の対比をしながら正月に読むという計画を立てていたのだが...。そして、当然本作でもこの話はたびたび触れられる。(おそらく4,5回触れられた)。つまり、過去から1984年を見るか、未来から1984年を見るかの違い、そして、ビックブラザーとリトルピープルの違い。これを意識してしまうとメタ的に作品がしょうもなく見えてしまう!ので頭から話すことを意識した。リトルピープルが明らかに真逆に作っているのが、人力での作品(第三者の力)を感じてしまうからである。 あと、もう一つ(しつこい)、BOOK2の最後に記されている当時使われていない言葉が使われている←これが挿入された経緯が気になった。おそらく調べたらすぐ出てくるのだろうがめんどいから調べない。 *1の補足 明らかにお気持ち表明すぎるので書きたくないが、これについて少し思うこと。本作では東京の地名や固有名詞、これらは現実に実際にあるものが使用された。頭の中は当然、私たちが暮らす社会を思い描きながら読むことになる。これは非常に楽しい。特に自分にとっては。 ただ、そうではない作品は世の中に大量に溢れている。小説でいうと、十二国記(序盤以外)とかはそうであろう。(実際にこれは楽しめなかった!) 漫画アニメで言うと王道である、ワンピースやドラゴンボールなどがそうなのであろうが、自分はこれを断固として楽しめない。理由は上記に述べたものが。これがかなり苦しく、常識教養がない人間として映るのが苦しい。現実世界に接地されていない物語から何を吸収すればいいんだとか思うが、こんなこと実際に言えない。全く関係のないことなので消しておきましょう。
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何がテーマだったのだろうと考えるとむずかしいけど、単純にエンターテイメント作品として面白かった。確かに『世界の終わりとハードボイルド〜』と似ている。並行するふたつの世界。現実と精神世界(宗教や小説の中の世界)。 一人がもう一人を追い求める究極の純愛としても楽しめるし、ミステリやフ...
何がテーマだったのだろうと考えるとむずかしいけど、単純にエンターテイメント作品として面白かった。確かに『世界の終わりとハードボイルド〜』と似ている。並行するふたつの世界。現実と精神世界(宗教や小説の中の世界)。 一人がもう一人を追い求める究極の純愛としても楽しめるし、ミステリやファンタジーとしても楽しめる作品。 ただ、この本を薦めて貸してくれた人がいうように文章がいい。言葉がきれいで比喩が美しく、何でもない情景や心の描写が引き込まれる世界観を作り出してるのだと思う。3冊があっという間だった。
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3巻目は新たな視点が一つ増え、二つの世界がだんだんと重なり、混ざり合っていくような展開だった。やや前2巻に比べると色々と繋ぎ合わせよう、お話を締めようというところがあり、解説しているようなパートがやや小説に浸る読み手をやや小説の世界から離してしまったところはあったと思う。 でも創...
3巻目は新たな視点が一つ増え、二つの世界がだんだんと重なり、混ざり合っていくような展開だった。やや前2巻に比べると色々と繋ぎ合わせよう、お話を締めようというところがあり、解説しているようなパートがやや小説に浸る読み手をやや小説の世界から離してしまったところはあったと思う。 でも創られた世界で互いを求め合っていた二人が出会い、二人の中では納得のできるラストに繋がったのはよかったと思う。
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信じれば全てが本物になる だったけ 夢を見てたのか? と思わせる世界観 比喩的な表現 ゆっくりと、確実に、足早に流れていく時間 動く世界、人、人のような何か、猫、サナギ 確かな愛と月
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慣れたこともあるのかだいぶ読みやすく感じた。 大吾はどこから入っていったのか、どこまでが1984なのか、謎は謎のまま。だからこそ想像が膨らむが、個人的にはもう少し明かしてほしかったとも思う。
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2024.09.18〜2024.09.22 重厚な物語。様々な事象が結びつき、展開が目まぐるしく変わる後半は読む手を止めずに一気に読みたくなる。 少しずつキャラクターが退場し、最後に残るキャクターを引き立てる村上春樹さんらしい描写が印象的。全てがわかったような、わからないような感...
2024.09.18〜2024.09.22 重厚な物語。様々な事象が結びつき、展開が目まぐるしく変わる後半は読む手を止めずに一気に読みたくなる。 少しずつキャラクターが退場し、最後に残るキャクターを引き立てる村上春樹さんらしい描写が印象的。全てがわかったような、わからないような感じがありつつ、ゆっくり自分の中に取り込んでいきたい作品だった。 村上春樹さんが苦手な人は拍子抜けかもしれない。村上春樹作品が、村上春樹ワールドが好きな自分は贔屓目もあって星4つ。
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空に月が2つ浮かんでいる不気味な世界のお話が、終わってみたら小学生からの恋が実った甘酸っぱいロマンチックな物語になっていて、ちょっと拍子抜けでした
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ぐっと読みやすくなったけれど、そのぶん世界観は分かりやすくて神秘性が低くなった。 全体的に驚きや衝撃も少なく、展開も現実離れしていて、感情移入しにくい展開だった。 もう少し期待してたんだけどな・・・。
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