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真夏の島に咲く花は の商品レビュー

3.4

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2023/05/20

無邪気だけど、後先を考えない。 色んなことにだらしないけど、憎めない。 フィジー人の特徴をよく捉えた(私自身はフィジー人に会ったことがないので、本や聞いた話でしか知識がないけれど)描写がたくさんあり、フィジーが好きな人やフィジーについて知りたい人には楽しめる作品だろう。 一方で...

無邪気だけど、後先を考えない。 色んなことにだらしないけど、憎めない。 フィジー人の特徴をよく捉えた(私自身はフィジー人に会ったことがないので、本や聞いた話でしか知識がないけれど)描写がたくさんあり、フィジーが好きな人やフィジーについて知りたい人には楽しめる作品だろう。 一方で、フィジー人の悪い部分に苛立ちを感じてしまう部分もあり、フィジーで暮らすインド人、日本人、中国人たちの考え方のほうが共感できる部分が多かった。 色んな人種の登場人物が出てくるおかげでそれぞれの人種の立場がよくわかり面白いのだが、登場人物が多すぎて物語の内容が浅い印象も受けた。

Posted byブクログ

2020/05/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表紙が綺麗だったので気になって手にとった。 長いので読み始めるのに時間がかかったが、登場人物4人の立場からの見方で、視点が変わりながらストーリーが進んでいくので読みやすかった。 フィジー島の陽気で明るい雰囲気のお話かと思ったが、人種、出身、性格、考え方など様々なものを感じながら恋愛、友情関係、商売など、、キャラクターがとてもよくわかるからこそ、後半は感情移入してとても胸が痛くなった。 代表的な登場人物ではなかったが、茜の友人の和子が日本の会社を辞めた理由の、『日常にある大切なものに気づいてしまったとき、日常には戻れない。目をつぶって自分を誤魔化し続けるか生活を根本から変えていくしかない』というフレーズが心に残った。登場人物ふくめ、フィジー島で暮らしてる人たちが羨ましく思った。。

Posted byブクログ

2017/11/22

舞台はフィジー。スペイドたちのクーによって、国民の中でくすぶっていた民族対立が表面化する。背景には、「自分の家に間借りした人間が、その家の持ち主以上の暮らしを始めたら、誰だっていい気はしないだろう。本質はたぶん、そんなところにある。嫉妬だよ」というラトゥの言葉が印象的。

Posted byブクログ

2017/09/05

ワイルドソウルとはまた全然趣が違うけど これはこれで面白かった。 垣根涼介って ほんと外国を舞台にしたり 外国の人を描くのが上手い。 国民性って ほんといろいろだなぁ。 どの民族が優れてるとか いいとか 悪いとかじゃなく やはり生まれ育った場所や環境で 育まれるものが確実にあるん...

ワイルドソウルとはまた全然趣が違うけど これはこれで面白かった。 垣根涼介って ほんと外国を舞台にしたり 外国の人を描くのが上手い。 国民性って ほんといろいろだなぁ。 どの民族が優れてるとか いいとか 悪いとかじゃなく やはり生まれ育った場所や環境で 育まれるものが確実にあるんだろう。

Posted byブクログ

2022/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

安定を保っていたフィジーが、クーデターによって、少しずつ変化し、それによって運命が変わっていく若者たちの姿は、切なくてスリリングで、なかなか興味深かった。 が、正直、チョネの良さがいまいち解らなくてなー。 そこだけ、物語にのめりこめなかった。 文化の違いかな。

Posted byブクログ

2017/07/29

垣根さんの作り出す異国の雰囲気は、日本語で読んでいるのにいろんな国の人物がそれぞれの国の言語思考で繰り広げられているようで素晴らしい。そして考え方や、友人、仕事、恋人、そういった人生の選択やその理由、そういった自分の拠り所となるところを突いて来るんです。そうゆう理由で選んでもいい...

垣根さんの作り出す異国の雰囲気は、日本語で読んでいるのにいろんな国の人物がそれぞれの国の言語思考で繰り広げられているようで素晴らしい。そして考え方や、友人、仕事、恋人、そういった人生の選択やその理由、そういった自分の拠り所となるところを突いて来るんです。そうゆう理由で選んでもいいんや、生きてもいいんや、と思わせてくれます。

Posted byブクログ

2017/05/17

南太平洋上の国、フィジーを舞台としたストーリー。 日本から両親と移住してきたヨシ、ガソリンスタンドで働くフィジアン・チョネ、父のお土産物屋を手伝うインド人・サティー、ワーキング・ビザでフィジーに来た茜の4人の若者。 ある日フィジー人によるクーデターが起き、首都から離れた4人の暮ら...

南太平洋上の国、フィジーを舞台としたストーリー。 日本から両親と移住してきたヨシ、ガソリンスタンドで働くフィジアン・チョネ、父のお土産物屋を手伝うインド人・サティー、ワーキング・ビザでフィジーに来た茜の4人の若者。 ある日フィジー人によるクーデターが起き、首都から離れた4人の暮らす街でも影響が出始めた。 そんな時、チョネの元恩師のトラブルが起き・・・。 最初の100ページくらいは、主人公4人の日常風景が丁寧に描かれ、フィジー現地ののんびりとした雰囲気のように、物語はゆっくり進んでいきます。 彼らの恋愛模様が描かれていく中で、価値観や性質の違うインド系移民と元々フィジーに住んでいた現地人の共存の様子や、フィジー人ののんびりすぎる気質や個人所有という概念の無さからくる二つの民族の葛藤などが織り込まれ、自然とフィジーの社会構造が頭に入ってきます。 クーデターが起こってからも、首都とは離れているせいかゆったりとしたテンポでお話は進んでいきます。 こういう場合、日本だともっと大騒ぎになると思うのですが、主人公たちの生活にじわじわ影響が出てからもテンポはあまり変わらないので、その感じが妙にリアルでした。 他の垣根作品のような圧倒的なスピード感と緊迫感を求めていると肩透かしを食らうはめになりますが、人間の幸せについて熟考させられる良作だと思います。 資本主義社会にどっぷりつかっている私たち日本人と、お金も所有概念もないフィジー人のどちらが幸せなんでしょうね。 民族が異なると価値観も違うように、幸福のものさしは人それぞれなのかなあ。 どれも正解で、今いる場所が楽園だと、ゆるく考えればいいんじゃないと垣根さんは言いたいのかもしれないですね。

Posted byブクログ

2015/05/29

フィジーを舞台に、南国ののんびりした印象の裏側で インド系移民や在住している日本人・中国人といった人種共存のこの国の抱える背景を描きながらそれぞれが己の生き方を問いていく。 フィジー人とインド系移民の気質の違い、異なる価値観・思想の共存。 そのズレから起きてしまうクーデター。 ...

フィジーを舞台に、南国ののんびりした印象の裏側で インド系移民や在住している日本人・中国人といった人種共存のこの国の抱える背景を描きながらそれぞれが己の生き方を問いていく。 フィジー人とインド系移民の気質の違い、異なる価値観・思想の共存。 そのズレから起きてしまうクーデター。 思いの他、そういったフィジーの複雑な背景が綿密に描かれていて勉強になる。 日本でのらりくらりと生活していると、まるで遠い国の話のようだが、世界ではこういった微妙な食い違いがデモにはじまりクーデターを引き起こす。 その人々の思想は、どれが 何が 誰が 正しいと言えない。 ただ。人の楽園は、場所ではなく誰と居るか。 これは誰しも共通だなと。 育った環境で気質は大きく異なる。 フィジー人のとても自由な時間の流れが全く違う、 そんな気質、とっても見習いたい。 やっぱり、世界をもっと見たいなぁ。

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2014/10/26

若かりし頃から付き合いの有る同世代のバーテンダーさんが、今年に入って独立して銀座にBar Roosterという店を出したので、お祝いがてら一杯。「なんでRoosterなの?」という質問に、「昔読んだ小説で…」「垣根涼介か!」。著者のデビュー、ドイモイ後のサイゴンを舞台にした「午前...

若かりし頃から付き合いの有る同世代のバーテンダーさんが、今年に入って独立して銀座にBar Roosterという店を出したので、お祝いがてら一杯。「なんでRoosterなの?」という質問に、「昔読んだ小説で…」「垣根涼介か!」。著者のデビュー、ドイモイ後のサイゴンを舞台にした「午前3時のルースター」は、ディテールの緩さ甘さ始め、ツッコミどころ満載にもかかわらずツッコミを許さず、読み手に一気に突き抜けさせる不思議な作品で僕も大好き。その後の代表作と言えば「ワイルド・ソウル」、「ヒート・アイランド」シリーズ、そして「君たちに明日はない」シリーズ。2000年代初期の作品はだいたい読み込んで、その後自分がちょっと年取ったせいか離れてたけど、久しぶりに再開第一作。うーん、僕は垣根涼介は「静と動」が1つの作品の中に詰まってるのが魅力だと思ってる派なので、これはちょっとフィーリング合わなかったかな。最近は歴史物も書き始めたらしいので、ちょっと追いつくように読んでみよっと。

Posted byブクログ

2014/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

南の島国フィジーを舞台にした小説。フィジー人と日本人、インド人、中国人の若者たちの葛藤を描いた物語。 主人公は日本人のヨシ、ヨシの友人であるフィジー人のチョネ、チョネの恋人である日本人の茜、そしてヨシの彼女でありチョネと前付き合っていたインド人のサティー。 彼らは、とある暴動が引き金となり、民族問題に揺れていく。 様々な人種が共存する事で起こる、様々な問題。 日本でずっと30年間暮らして来た自分にとっては、想像は難しいが、実際、複雑な事情を抱えたまま他国で生きる人々は沢山いるんだろうな。 南国という、開放的で華やかなイメージが舞台だけど、テーマは普遍的で奥深く感じた。

Posted byブクログ