楽園(下) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 ライター・滋子の許に舞い込んだ奇妙な依頼。彼の告白には、まだ余白がある。まだ何かが隠されている。親と子をめぐる謎に満ちた物語が、新たなる謎を呼ぶ。 その真偽を探るべく16年前の殺人事件を追う滋子の眼前に、驚愕の真実が露になる! 【感想】
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後半一気に読みきりました。人間の悪意(模倣犯にももちろん繋がります)と、それだけではない泣ける感動があります。親の情にも考えさせられます。はじめて読んだ「火車」にも通じる暖かい読後感が残りました。
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滋子のたくましすぎる想像力、そしてそれが大体多かれ少なかれ事実と一致しているところが、等少年よりもすごいんじゃないかと思った。 ミステリー小説の醍醐味、読み進めるうちに点と点がつながるという快感は得られた。
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敏子さんはもしかすると、 無意識の策士なのかも。 血が伝えてる、不思議なチカラ。 等くんほどはなくても‥ ああ、ますます、そんな気がしてきた。 滋子が読み解いてくれる、と信じた。 この胸のもやもや‥‥。 等くんが成し遂げたかったであろうこと。 すべての事件の解決と...
敏子さんはもしかすると、 無意識の策士なのかも。 血が伝えてる、不思議なチカラ。 等くんほどはなくても‥ ああ、ますます、そんな気がしてきた。 滋子が読み解いてくれる、と信じた。 この胸のもやもや‥‥。 等くんが成し遂げたかったであろうこと。 すべての事件の解決と、 敏子さんの幸せ。 それにしても、茜が起こした事件も 明らかになりますように。 2017.04
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事故で亡くなった少年の母親からの依頼により、16年前の事件が浮かび上がってくる。依頼を受けた前畑さんの9年が、調査を進めるにつれ「喪の仕事」の様相を見せてくる。事件の周囲にいた人々、それぞれの流れの終焉...それらが次のステージを示唆しているようでした。「楽園」タイトルにつけられ...
事故で亡くなった少年の母親からの依頼により、16年前の事件が浮かび上がってくる。依頼を受けた前畑さんの9年が、調査を進めるにつれ「喪の仕事」の様相を見せてくる。事件の周囲にいた人々、それぞれの流れの終焉...それらが次のステージを示唆しているようでした。「楽園」タイトルにつけられた意味を深く考えさせられました。
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誰かを切り捨てなければ、得ることのできない幸せ。 とても切ない。 事故で亡くなった等くんがサイコメトラーなのはいいとしても、なぜ山荘事件を画にできた謎は謎のまま…
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上巻で広げた風呂敷は下巻で畳まれていましたが、あの山荘の事件を描いた絵については繋がってないような?まあ、そんな些末なことは拘らなくてもいいかっていうくらい、16年前に起こった殺人事件と超能力を持った少年という素材を見事な匙加減で調理されていると思います。現実でも誠子のように身内...
上巻で広げた風呂敷は下巻で畳まれていましたが、あの山荘の事件を描いた絵については繋がってないような?まあ、そんな些末なことは拘らなくてもいいかっていうくらい、16年前に起こった殺人事件と超能力を持った少年という素材を見事な匙加減で調理されていると思います。現実でも誠子のように身内の犯罪により、本人には何も責任はないのに罪を背負ってしまったかのような扱いを受け、楽園を追放されてしまう人もいるんですよねえ。誰もが自分なりの楽園を見つけられたなら、生きやすく、幸せになれるのに。最後に敏子に救いがあって良かった。
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知りたいという好奇心を無邪気に表し、すぐに、大胆に、動き回る。 戸惑い逃げようとする相手をそれでも繋ぎ止めておけるのは、確かな知性と相手を不快にしない思いやりが見えるからだ。 どんなことでも自分のこととして関わり、本当に必要なことならば覚悟を持って「今後二度と会わない」という決...
知りたいという好奇心を無邪気に表し、すぐに、大胆に、動き回る。 戸惑い逃げようとする相手をそれでも繋ぎ止めておけるのは、確かな知性と相手を不快にしない思いやりが見えるからだ。 どんなことでも自分のこととして関わり、本当に必要なことならば覚悟を持って「今後二度と会わない」という決断を下す。 恐ろしく自律的で、人の感情から逃げない人だ。 かっこよくて、でも弱くて、やっぱりかっこいい。 自らの子がどうしようもなく不道徳な振る舞いをする子にそだったとき、親としてどう対処するべきか。 悲しさと悔しさと虚しさと、負の想いに占領される身体を想う。 犯してしまった罪は消えないけれど、罪を抱えてもなお愛する家族と幸せになりたいと願う。 感じたことのない感情の波に襲われながら、主人公のかっこよさにまた酔う。
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読みやすいので読み切ることができたけど、好みの作品ではなかった。ただ自分がこの状況に置かれた時、何を選択するだろうと考える。模倣犯読み返したいが、長すぎる…。
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良くまぁこれだけ詰め込んで、纏められるなぁ! 素直に感心。 事件そのものの内容よりも、自分がお腹を痛めて育てた子供が、訳のわからない方向へ進んでしまう恐怖に震えました。 何と切ない。 模倣犯のレビューに、『作者はこんな辛い事件の小説を書いていて、精神がやられないのか』と書いたの...
良くまぁこれだけ詰め込んで、纏められるなぁ! 素直に感心。 事件そのものの内容よりも、自分がお腹を痛めて育てた子供が、訳のわからない方向へ進んでしまう恐怖に震えました。 何と切ない。 模倣犯のレビューに、『作者はこんな辛い事件の小説を書いていて、精神がやられないのか』と書いたのですが、楽園の解説を見て納得。 やはり作者本人も辛かったのですね。 しかし今作は、敏子・等親子にだいぶ救われ 模倣犯の時みたく読み進めるのが辛く感じる事はありませんでした。 この作品を書いて作者自身の喪の作業もちゃんと出来たのでしょうか。 お疲れ様です、と声を掛けたい。
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