楽園(下) の商品レビュー
何かを失う覚悟のないものは、何も得ることができない。そういったのは進撃の巨人だったか。 選択することのできない状況、抜き差しならない状況というものは存在する。そういったのはJOJOだったか。 現状を打破するためには、取捨選択しなければならない。でも、悠長に試行錯誤している時間は...
何かを失う覚悟のないものは、何も得ることができない。そういったのは進撃の巨人だったか。 選択することのできない状況、抜き差しならない状況というものは存在する。そういったのはJOJOだったか。 現状を打破するためには、取捨選択しなければならない。でも、悠長に試行錯誤している時間はない。その選択を選んだ覚悟を決める時間もない。 その選択をした決め手が、衝動でも惰性でも先送りでも、後悔しか残らない決断だったとしても、生きていくほかない。 誰でも、不幸になるために日々を暮らしているのでなく、少しでも楽園に近づこうと生活しているはずなのに、どこで掛け違えたのか、予想とは理想とは違う現実が訪れてくる。 救いはないんでしょうかね、土井崎一家には。 真実を事実を見つけたところで、救いにはならない。 それでも、敏子のように楽園へ向かっていきそうなこともある。それがいつ訪れるか、もう訪れないかはわからないけど、日々正しいと思える選択を繰り返すしかないんだろうな。 その掛け違いの終着から始まっている「楽園」の物語。 クライマックスの告白で奈落へ突き落とされて、その後の邂逅で、希望の光を見つけました。 落差がずるいです。それはずるい。感極まります。 WOWOWドラマ起点で、読み始めた「楽園」。クライマックスの告白するであろうキャスト松田美由紀。怖気と憐憫と無力感。たっぷり味合わせてくれそうです。 放送楽しみです。
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寝る前に泣くと眼が腫れたまま出社するからいやなんだよなぁ。我慢我慢…て考えてたけど、やっぱり最後、泣いてしまった。 宮部さんの話は奇麗事で終わらない代わりに、どこかで救いの言葉や場面がある。だからあったかいんだ。 ろくでなしが身内だったらどうするか。
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- ネタバレ
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知っても救われない真実があった。自分の姉がそんな人だとは知りたくなかった。でも知りたかった。知ってもどうすることもできなかった。どうするのが正解だったのだろう。もう起きてしまったことは戻れない現実だけが残る、そしてそれはマイナスだけではないと信じたい。
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久しぶりの宮部作品。長い長い「模倣犯」のスピンオフと言える物語。 上下巻とコンパクトだが、ひねりのある章立て、超自然現象を重要な要素にしつつも、無理のないと感じるストーリー構成はさすが。さらに、何よりも登場人物がリアルだ。特に、萩谷敏子。そう、こういう人は、出汁から取ったおいしい...
久しぶりの宮部作品。長い長い「模倣犯」のスピンオフと言える物語。 上下巻とコンパクトだが、ひねりのある章立て、超自然現象を重要な要素にしつつも、無理のないと感じるストーリー構成はさすが。さらに、何よりも登場人物がリアルだ。特に、萩谷敏子。そう、こういう人は、出汁から取ったおいしいそばつゆを作れるものだ、と納得させる物語の力があった。
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一気読みしてしまった。 模倣犯は10年ほど前に読んだので、細かいところは忘れてしまっていたが、それでも楽しめる。 宮部さんの作品は人物描写や、心理描写が巧みなので、ついついひきこまれてしまう。 敏子が意外にするどかったり、礼儀を大切にするスタンスや、滋子の対応の仕方(話をスム...
一気読みしてしまった。 模倣犯は10年ほど前に読んだので、細かいところは忘れてしまっていたが、それでも楽しめる。 宮部さんの作品は人物描写や、心理描写が巧みなので、ついついひきこまれてしまう。 敏子が意外にするどかったり、礼儀を大切にするスタンスや、滋子の対応の仕方(話をスムーズに進めるため、あいまいな返事をしない)等、小技が効いてて本当におもしろい。 下の途中でオチが分かってしまったのだ、最後の盛り上がりはイマイチだった。 テーマとしては、どうしようもない家族がいた場合どうするか、ということなのかしら? サイコメトラーがからんでるのに、不自然じゃないところがさすが宮部さん。 テンポ的な読みやすく、好きな作品です。
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模倣犯で重要な役柄を背負っていたジャーナリスト 前畑滋子が再び活躍するお話。 さすが宮部先生。読み物としても大変面白いが、読ませるテクニックも凄い。 文章表現も多彩で飽きることなく読み進められる。 いくつか伏線の回収不足??が気になったが、私の気にしすぎなのかもしれない。 宮...
模倣犯で重要な役柄を背負っていたジャーナリスト 前畑滋子が再び活躍するお話。 さすが宮部先生。読み物としても大変面白いが、読ませるテクニックも凄い。 文章表現も多彩で飽きることなく読み進められる。 いくつか伏線の回収不足??が気になったが、私の気にしすぎなのかもしれない。 宮部先生への期待が上回ってそう思ってしまっただけなのかもしれない。 模倣犯の回想シーンが多い為、先に模倣犯を読んでおいた方が良さそう。 私は何年も前に模倣犯を読んでいたが、何となく場面場面を思い出しながら読み進めることができた。 宮部先生の作品の何がイイって、人情なのかなぁ・・・? 登場人物それぞれ人間味があって、魅力的だと感じる。 そのような魅力的なキャラと対峙する犯人の残忍さがその分強調され、 読者は色々な視点で考えさせられる作品なのだと思う。
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家族にどうしようもないのがいたら どうすんだろ? 排除してそれで楽になる? 等くん、あなたはシアワセ者だぁ!
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始めから終わりまでずっと面白かった! 中弛みなし ほぼ一気に読んでしまった 模倣犯飛ばしてしまったので、次回読みたい
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模倣犯事件の解決を主導しつつもその後、事件の心理的後遺症から立ち直れずにいるフリーライター前畑慈子が、人の心の内が見えてしまう子どもを亡くした親の依頼を受けて事件の謎をといていく。ぐれた姉を殺害し家の床下に隠していた両親を持つ女性とその両親、依頼者の親族といった人たちの思いが交差...
模倣犯事件の解決を主導しつつもその後、事件の心理的後遺症から立ち直れずにいるフリーライター前畑慈子が、人の心の内が見えてしまう子どもを亡くした親の依頼を受けて事件の謎をといていく。ぐれた姉を殺害し家の床下に隠していた両親を持つ女性とその両親、依頼者の親族といった人たちの思いが交差し、思いも寄らない展開へと展開していく。話を編み上げ、結末へともっていく手法は見事だが、なにより両親の殺害動機やその描写が浅いし、ご都合主義的。その一点以外は良かった。ライターの苦悩はリアルで、読んでて胸が痛くなった。
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