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暗渠の宿 の商品レビュー

3.8

95件のお客様レビュー

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2024/09/15

「私」とはカンタなのか、著者のことなのか、このシリーズは境界線があいまいである。他の皆さんのレビューを読んで「カンタ」ってことにしていいような気がしてきました。「けがれなき酒のへど」は、「私」がどうやってエリに騙されてしまうのか、ページをめくる手が止まらなかった。「暗渠の宿」は恋...

「私」とはカンタなのか、著者のことなのか、このシリーズは境界線があいまいである。他の皆さんのレビューを読んで「カンタ」ってことにしていいような気がしてきました。「けがれなき酒のへど」は、「私」がどうやってエリに騙されてしまうのか、ページをめくる手が止まらなかった。「暗渠の宿」は恋人と同居を始めた初期の話であるが、いずれ彼女に出て行かれてしまう未来が書かれていたので、今回こそ出て行かれてしまうのではないか?と思って読んでいた。しかし、まだ出て行ってませんでした笑。自分だったら手を挙げられた時点で即アウトだと思う。出て行かない彼女を不思議に思う。あんなことまでされてもカンタが好きなのだろうか?なんか自分がおかしいのかな?という気さえしてくる。他の小説も読んだけど、それまではダメなりにどこか憎めなかったが、今回ばかりは許せないかもー。彼女に対しての言葉の暴力、体の暴力に心底腹が立っている。自分のことを書いている小説なので、こんなにも酷い人なのに、綺麗な文章を書くのだなと思っている。出版年順に読んでいて、次も楽しみである。

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2024/09/04

収録の「けがれなき酒のへど」で不様にも大金を騙し取られ、「暗渠の宿」での秋恵に対する態度は相変わらず。話の中でたびたび出てくる過去の話などが、何冊も読んでいくうちに北町貫太に対する知識の補強になって、読めば読むほどのめり込んでしまう。それにしても秋恵という人はいまの価値観で考える...

収録の「けがれなき酒のへど」で不様にも大金を騙し取られ、「暗渠の宿」での秋恵に対する態度は相変わらず。話の中でたびたび出てくる過去の話などが、何冊も読んでいくうちに北町貫太に対する知識の補強になって、読めば読むほどのめり込んでしまう。それにしても秋恵という人はいまの価値観で考えると異常なほどに辛抱強く健気だ。彼女の魅力も西村賢太作品のひとつの魅力である。

Posted byブクログ

2024/07/24

可哀想でしかないが、自業自得であり、 不幸になれば、怒れば怒るほどに、貫多は味が出ます。どうしようもないこのクソったれが、どうしても憎めず、活力さえもらっている。

Posted byブクログ

2024/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

西村賢太氏のデビュー作。 「けがれなき酒のへど」はガチ恋した風俗嬢に騙されてお金をむしり取られる話。抜群に面白い。アイドルや配信者との距離が近い今、ここまで露骨では無いにしろ大金を失う者は多いんじゃないだろうか。是非、自分を客観視するためにも多くの人に読んでもらい作品。 表題作はいわゆる秋恵シリーズ。健気な秋恵とどうしようもないDV貫多はいつ見ても面白い。モテないが故に些細な事で嫉妬してまう男の心情も上手い。

Posted byブクログ

2024/09/04

「汚れなき酒のへど」 風俗嬢に金を騙しとられ、汚れなき酒を飲み、ゲロを吐く話し。抑えきれない欲望と高尚な気持ちに揺れ動き、寂しさと僅かな希望を残した結末。デビュー作。 「暗渠の宿」 数年ぶりに出来た彼女(秋恵)と同棲を始めるところからの物語。 幸せな同棲生活に、はじめは上手くい...

「汚れなき酒のへど」 風俗嬢に金を騙しとられ、汚れなき酒を飲み、ゲロを吐く話し。抑えきれない欲望と高尚な気持ちに揺れ動き、寂しさと僅かな希望を残した結末。デビュー作。 「暗渠の宿」 数年ぶりに出来た彼女(秋恵)と同棲を始めるところからの物語。 幸せな同棲生活に、はじめは上手くいっていたが、持ち前の暴力性と猜疑心で、喧嘩や失敗をくし返す日々。 秋恵の常識的で人格者たる優しさと 貫多の自分中心的で抑えられない暴力性が 対比される事で、それぞれの詫びしさや寂しさが強調されて見えるようです。ていうか秋恵のファンになりそうです。

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2024/02/29

「けがれなき酒のへど」を読む。 筆者の個性が現れている文体で最後まで一気に読ませる。 糞みたいな内容なのに最後は何か爽快な、タイトル通りのけがれなき印象が残るから凄い。

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2024/02/03

虫唾が走る⁡ ⁡⁡ ⁡ってな事で、西村賢太の『暗渠の宿』⁡ ⁡⁡ ⁡けがれなき酒のへど⁡ ⁡⁡ ⁡暗渠の宿⁡ ⁡⁡ ⁡の二つの短編集。⁡ ⁡⁡ ⁡まあ、どちらも虫酸が走りまくりマクリスティ ⁡⁡ ⁡圧倒的な西村節を炸裂させながら、何故?あんたはそう成るの❓はぁっ⁉️ ⁡⁡ ⁡って...

虫唾が走る⁡ ⁡⁡ ⁡ってな事で、西村賢太の『暗渠の宿』⁡ ⁡⁡ ⁡けがれなき酒のへど⁡ ⁡⁡ ⁡暗渠の宿⁡ ⁡⁡ ⁡の二つの短編集。⁡ ⁡⁡ ⁡まあ、どちらも虫酸が走りまくりマクリスティ ⁡⁡ ⁡圧倒的な西村節を炸裂させながら、何故?あんたはそう成るの❓はぁっ⁉️ ⁡⁡ ⁡って気持ちにさせるのに、何故だかちょっと面白くなってくる、この中毒性のクズは ⁡⁡ ⁡もう、ほんとクズよ!⁡屑っ‼️⁡ ⁡⁡ ⁡こんなピュアなクズ初めて見るわって位の、どうしょうもないクズっ‼️⁡ ⁡⁡ ⁡私小説なんでここまで晒してもええんかってくらい、純粋過ぎるけどな ⁡⁡ ⁡この本くれたじゅんこはわしに、こんな風にしてもらいたいんかな❓ ⁡⁡ じゅんこからの愛人文庫 ⁡⁡ ⁡苦役列車は読んだけど内容忘れたなぁ ⁡⁡⁡ ⁡そう言えば去年亡くなってたなぁ ⁡ ⁡⁡ちょっと西村賢太を掘っていこかな ⁡⁡ ⁡2023年2冊目

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2023/06/27

図書館で。 最近亡くなられたとのことで、どなたかなと思ったら苦役列車の方だったとは。 文章に書かれていることがすべてではないとは思うけれどもあまりの自己中心的な性格にゲンナリ。こう言っては失礼だけれども、同棲した女性がいたこともびっくり。最初は優しくて下手に出ているけれども、付...

図書館で。 最近亡くなられたとのことで、どなたかなと思ったら苦役列車の方だったとは。 文章に書かれていることがすべてではないとは思うけれどもあまりの自己中心的な性格にゲンナリ。こう言っては失礼だけれども、同棲した女性がいたこともびっくり。最初は優しくて下手に出ているけれども、付き合いだすと女性が自分を立てないと怒る、どなる、暴力をふるう、というのは典型的なDV思考なんだろうな。付き合う前はどんな女性でも自分を見てくれれば、付き合ってくれればそれだけで十分、と思っていたことは嘘では無いのだろうけれども、実際付き合いだすと色々と不平不満が出てきて女の方が自分に尽くすべきだと思う、という思考に変化する。当事者じゃないから面白い思考だなと思うけれども、コレ、実際かかわっている人間だとしたらたまったものじゃないだろうな。 こういう思考の人はどうすれば暴力的思考から逃れられるんだろうなぁなんて思いながら読みました。もっとも、本人に自分の言動を反省して、それを改める決意が無いとどうにもならない事とは思いますが。

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2023/03/30

惚れ込んだ風俗嬢に100万円を持ち逃げされる「けがれなき酒のへど」、念願の恋人との同棲を始めるも徐々にその凶暴な本性が明らかになっていく「暗渠の宿」。どちらも北町貫多の思考回路が丹念に描写されている。側から見れば作ってもらったラーメンが伸びていただけで激昂しているように見えるが、...

惚れ込んだ風俗嬢に100万円を持ち逃げされる「けがれなき酒のへど」、念願の恋人との同棲を始めるも徐々にその凶暴な本性が明らかになっていく「暗渠の宿」。どちらも北町貫多の思考回路が丹念に描写されている。側から見れば作ってもらったラーメンが伸びていただけで激昂しているように見えるが、その背景にはプライドと劣等感の荒波に揺られ続ける小舟のような自意識があるのだ。これぞ西村賢太。おもいっくそDVしてるんだけど時折秋恵に向けて優しい眼差しを投げかける。なんやかんやで憎めないのよ。

Posted byブクログ

2023/02/06

激昂しやすいが根は小心者。破綻した性格を曝け出しながら読むに耐えない自分語りが続きます。豪快さと矮小さを行き来する主人公の機微に触れ、共感できた方は心が浄化されるかもしれません。硬質な文体は近代文学の雰囲気と無頼感。中身はどうしようもない自虐文学です。

Posted byブクログ