ギヴァー の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
出生から死まで、高度にコントロールされた世界の物語。 個性を排除して争いをなくした世界は一見穏やかで、人々は幸せそうにくらしている。 そこでは、12歳になるとコミュニティからそれぞれの役割を与えられて訓練が始まる。 主人公のジョナスは、レシーヴァーというとても名誉な役割を任じられて、封印された様々な記憶を受け継ぐ・・・ という感じのお話です。 設定がかなりSF的なのですが、読みやすくて入り込みやすい物語でした。 ジョナスがギヴァーから初めて「雪」と「橇」の記憶を受け継ぐところは、自分もその記憶を分けてもらったようにワクワクしたな~。 ただ、ホラーですか? っていうくらい怖かったです・・・ 最初の「解放」という言葉のあたりからいやな予感がしてたけど・・・ 続きが気になる終わり方で、実は3部作だそうなので、次も読んでみたいです。翻訳されたら。 主人公の名前が2冊続いて「ジョナス」でした。たまたまだけど、この物語の中では同じ名前ということはちょっと意味を持つこともあり、おおっとなりました(,,´艸`)
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高校生のときに出会って以来、すごく好きな本なんですけども、なにかいろいろと販売戦略が失敗したらしく、旧訳版は残念ながらあまり市場に出回っていなくて、ファンの方々の熱烈な運動で、このたび新訳版が改めて刊行されたそうなのです。 それでいそいそと買いまして、今日手元に届きましたので...
高校生のときに出会って以来、すごく好きな本なんですけども、なにかいろいろと販売戦略が失敗したらしく、旧訳版は残念ながらあまり市場に出回っていなくて、ファンの方々の熱烈な運動で、このたび新訳版が改めて刊行されたそうなのです。 それでいそいそと買いまして、今日手元に届きましたので、さっそく読みました。 訳の違いとしては、どちらかというと旧訳のほうが好きなのですけれども、それにしても、やっぱり何回読んでもいい……! 遠い未来を舞台にしたSF作品。 そこは少人数のコミュニティで構成された、管理社会。 人類は、天候を調整する技術を見つけ、差異を排除し、病や飢えや戦争を駆逐した。彼らはみな、定められた規則にのっとって、安全に、とても平和に暮らしている。 そこは大きな苦痛や悲しみなど存在しない世界。毎年、決まった数の子どもたちが生まれ、決まった規則にのっとって暮らしている。とてもうまく作られ、安定した理想郷。 その中にたったひとりだけ、過去の記憶を受け継ぐ役割の者がいる。人々が捨て去って思い出すことをやめた、かつての世界に満ち溢れていた記憶、色彩や音楽や、戦争や飢餓や苦痛や、愛の記憶を。 初めて読んだときの衝撃がいまだに忘れられません。生きる喜びや意味を鮮烈に問いかけてくる、すばらしい本です。
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