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親鸞(下) の商品レビュー

3.9

55件のお客様レビュー

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2024/06/03

子ども時代から越後に流罪になるまでがこの親鸞上下巻。 誰がすごいって、出会った時からただまっすぐ親鸞を信じ抜く妻である恵信だ。親鸞は知識がある故になんだかんだ迷うけど恵信は迷わない。 「知識を捨てよ、愚に徹せよ」と法然上人が言っているその真理は恵信にあるように思う。 そして、...

子ども時代から越後に流罪になるまでがこの親鸞上下巻。 誰がすごいって、出会った時からただまっすぐ親鸞を信じ抜く妻である恵信だ。親鸞は知識がある故になんだかんだ迷うけど恵信は迷わない。 「知識を捨てよ、愚に徹せよ」と法然上人が言っているその真理は恵信にあるように思う。 そして、軽い気持ちで読み始めたこの親鸞。なんと激動編上下、完結編上下という壮大な長編だった。ここまできたら全て読ませていただきます。

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2022/07/25

上下巻で構成された本編は、上巻の始まりと同様に、終幕は鴨川の河原であった。 幼き頃の河原での出会いが、本編では、別れの場として描かれている。 この場面は、読者にすら、物語を走馬灯のように思い起こさせる。 親鸞と共に、物語を歩んできた登場人物達は、それほど多くは無い。 一方で、その...

上下巻で構成された本編は、上巻の始まりと同様に、終幕は鴨川の河原であった。 幼き頃の河原での出会いが、本編では、別れの場として描かれている。 この場面は、読者にすら、物語を走馬灯のように思い起こさせる。 親鸞と共に、物語を歩んできた登場人物達は、それほど多くは無い。 一方で、そのわずかな人々の繋がりこそが、この物語を繰り返しダイナミックな流れの中で進める力にもなっていたことに気づく。 京を舞台にした物語は、ここで幕を閉じる。 次に続く物語は、北陸と関東へ続くのであろう。 浄土真宗の宗祖親鸞を描いた物語は、古今様々に有った。 もちろん、本山の所有する正当な伝記である御絵伝や、御伝承もあるだろう。 最も有名な著作であったのは、吉川英治の著作だっただろう。 本作は、その物語としての展開の面白さもさることながら、宗門の伝記で重要な出来事とされる場面や押し絵の根幹に繋がる文言もふんだんに盛り込まれている。 読み物の面白さと同時に、真宗の勉強にもなる。 本気の著作とは、あるいはこうして万人を納得させるものなのだろう。

Posted byブクログ

2022/05/29

 帯に全国27新聞に連載、二千四百万人読者が熱狂した長編と書いてあるが、あながち大袈裟でもないような気がする

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2018/10/20

日野の里で貧乏公家の子として生まれた忠範。比叡山に登り修行をした範宴。法然上人の念仏門に通った善信。そして越後へ遠島の刑を受けた親鸞。名前を変えるごとに生まれ変わった。専修念仏を誓い、師の法然上人の教えを忠実に実践しようとした親鸞。

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2018/10/08

幼少期の忠範から、範宴、綽空、善信へと名前を変え、最後に親鸞となる。反乱分子として流刑に処されると同時に、俗名を与えられ藤原善信となる。親鸞として書かれているのは最後の数ページで、このタイトルとは。。。 書中に、浄土真宗という言葉は一切出てこない。法然が説いた、念仏を唱えること...

幼少期の忠範から、範宴、綽空、善信へと名前を変え、最後に親鸞となる。反乱分子として流刑に処されると同時に、俗名を与えられ藤原善信となる。親鸞として書かれているのは最後の数ページで、このタイトルとは。。。 書中に、浄土真宗という言葉は一切出てこない。法然が説いた、念仏を唱えることによって善も悪も無く救われるという教えは、親鸞によってさらによって更に研鑽される。当時は、人々は地獄というものを本気で信じており、社会の底辺で生きる下賤な民衆は自らの汚れや悪行から浄土に行くことは叶わぬことであると怖れながら暮らしていたのである。 宗教とはそもそも、人生とは何か、どう生きてどう死ぬのかということを考える哲学である。

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2018/03/21

上巻よりもかなり、娯楽性の強い物語になっている。 ここまで、親鸞が躍動するのかと驚きもある。 だが、根底にある師への信頼、仏教に対する愛は変わらない。 葛藤し、学び、愛を知り、親鸞が力強く成長していく。

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2016/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

★2016年10月16日読了「親鸞(下)」五木寛之著 評価B+ 親鸞が、法然上人からどのような過程を経て念仏信仰を受け継いでいったのかが語られる下巻。 比叡山の堂僧(修行僧)の立場を維持し続けていた親鸞(当時は、範宴(はんねん))は、とうとう勝手にその地位を放棄して、一介の乞食坊主となって、六角堂での参籠修行に励む。 その日々の中で、将来伴侶となる紫野という女性に会い、淡い思いを抱く。 その後、吉水の法然上人に庵に導かれるように範宴は、毎日通いつめ、法然上人の念仏(南無阿弥陀仏)信仰への思い入れを強めていく。比叡山を離れた範宴は綽空(しゃくくう)と名前を変えて、法然上人の下で修業に励む。そのうちに法然上人の教えを受ける弟子たちの中でも過激な急進派が、既存の宗教界の排撃を狙って、寺社への放火が相次いでおり、法然たち念仏信仰の禁止を望む既存宗教界との対立が深まる。 結局、法然一派には院宣が下され、死罪となる者、流罪となる者が決定した。その時には、綽空あらため善信となっていた親鸞は、流罪を受け入れ、自らの郷里の越後へ向かうこととなる。

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2016/05/27

範宴から綽空へそして善信へと覚醒するたびにまるで昆虫の完全変態するかのように名前を変えていきまして、妻帯し、念仏し、そして越後遠流が決まり親鸞と名乗るところまで。ほんまのところはどうか、というのはスッカリ気にならなくなって五木ドラマにずっぽりとハマりました。特に選択集(せんちゃく...

範宴から綽空へそして善信へと覚醒するたびにまるで昆虫の完全変態するかのように名前を変えていきまして、妻帯し、念仏し、そして越後遠流が決まり親鸞と名乗るところまで。ほんまのところはどうか、というのはスッカリ気にならなくなって五木ドラマにずっぽりとハマりました。特に選択集(せんちゃくしゅう)の書写を許された時は泣けましたわ、いや〜〜大感動。私自身浄土真宗ではないし本願の宗教理念にはあまり好意的ではなかったんですが、色眼鏡なしにただ一人の愚直で素敵な僧侶の生き方を楽しめました。美形もたくさんでてきてかなりビジュアル的。所謂ヒーローものカテゴリに入れてもいいかもしれない。親鸞かっこよく描かれておりまして、読中読後スッキリさわやか。激動篇に続く、とうとうお待ちかねの越後遠流ですわ、楽しみ。

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2015/02/06

親鸞は出会う人に恵まれている。それもお導きなのかも。 私自身、単純に念仏を唱えれば罪を犯しても極楽へ行けるのか!と解釈していた節があったので、念仏についてはもう少し考えてみたい。 とても読みやすかったので、他の五木寛之作品にも手を出してみようかと考え中。

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2014/11/29

Wikipediaでみると、親鸞聖人についてはあまり文献が残っていないのですね。 義務教育時代にならった、「浄土真宗 念仏 親鸞」という単語の羅列しかイメージがなかったことに気が付きました。 どういう時代に生まれ、どういう背景で悟りを開いていくのかという人生を楽しく読みました...

Wikipediaでみると、親鸞聖人についてはあまり文献が残っていないのですね。 義務教育時代にならった、「浄土真宗 念仏 親鸞」という単語の羅列しかイメージがなかったことに気が付きました。 どういう時代に生まれ、どういう背景で悟りを開いていくのかという人生を楽しく読みました。

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