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通天閣 の商品レビュー

3.6

139件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2016/07/07

読み始めは何処に向かってるのかわからずにかなり戸惑ったのですが、終盤一気に収斂してきて面白くなりました。 確かに大阪通天閣まわりの雰囲気がプンプンしてくる物語でした。

Posted byブクログ

2016/06/27

大阪の通天閣近く。百均製品を作る工場に通う中年男性は、底辺の街に住む人々に囲まれ、夢もなく同じ生活を単調に繰り返す。一方、恋人がアメリカに行って寂しく一人暮らしする女性。恋人を思いながらさびれた酒場のチーフになって、日々を過ごす。底辺に住む人の日常と心情が生々しく迫ってくる。テー...

大阪の通天閣近く。百均製品を作る工場に通う中年男性は、底辺の街に住む人々に囲まれ、夢もなく同じ生活を単調に繰り返す。一方、恋人がアメリカに行って寂しく一人暮らしする女性。恋人を思いながらさびれた酒場のチーフになって、日々を過ごす。底辺に住む人の日常と心情が生々しく迫ってくる。テーマは愛。過去に人を愛する機会があったのに、大事さに気づかずにその機会を逃した二人。でも最後は、「愛される」ことではなく「愛する」ことこそ「生きること」、という実感を確信するように話は終わる。

Posted byブクログ

2016/06/16

圧倒的な存在感を持つシンボルに支えられた人生の、なんと強いことか。 どうしようもなく抜け出せない穴にはまってしまった二人の主人公が、「死にたい」と思うほどの希望のない日々を送る姿を淡々と描いている作品。 でも二人の心には血が通っていて、みっともなく足掻いています。 無関係な二人は...

圧倒的な存在感を持つシンボルに支えられた人生の、なんと強いことか。 どうしようもなく抜け出せない穴にはまってしまった二人の主人公が、「死にたい」と思うほどの希望のない日々を送る姿を淡々と描いている作品。 でも二人の心には血が通っていて、みっともなく足掻いています。 無関係な二人はいつしか、周囲の人々や過去のつながりから交錯していく。 そして暑苦しく情け深い大阪弁が、彼らを救います。方言を持たない私には、その力強さが羨ましい。それは幻想でしょうか。 感動しました。

Posted byブクログ

2016/06/18

ある無関係な二人の人生のストーリーが、ある事件をきっかけにつながるマグノリア的なお話。 ただ漠然と毎日を過ごしていると気が付かないその人が生きる意味や生き甲斐を思い出せさせてくれる気がします。 通天閣らしい描写はあまり見られないように感じたが、人情味あふれる描写は、新世界の大阪ら...

ある無関係な二人の人生のストーリーが、ある事件をきっかけにつながるマグノリア的なお話。 ただ漠然と毎日を過ごしていると気が付かないその人が生きる意味や生き甲斐を思い出せさせてくれる気がします。 通天閣らしい描写はあまり見られないように感じたが、人情味あふれる描写は、新世界の大阪らしかった。 トイレの落書きにあった「清原頑張れ」は将来を予知しているのかと少しゾクッとした。

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2016/05/04

日常溢れているが文字におこそうとも思いもしなかった描写に感心したり この場面においてそこまで詳しい描写は必要ないのでは?と思ったり ここは好き ここは嫌い とはっきり自分の中で判別しながら読めた 主人公の女の拗らせ度には幾分イラっとさせられたが 変に共感する自分もあり 自...

日常溢れているが文字におこそうとも思いもしなかった描写に感心したり この場面においてそこまで詳しい描写は必要ないのでは?と思ったり ここは好き ここは嫌い とはっきり自分の中で判別しながら読めた 主人公の女の拗らせ度には幾分イラっとさせられたが 変に共感する自分もあり 自分もこんな面倒くさい人間なのかと思い知らせれた

Posted byブクログ

2016/03/09

わたくし生まれも育ちも大阪ですが、通天閣には登ったことはありません。いまでこそ観光客で賑わっていますが、かつてあの辺りは、大阪の中でもひときわコテコテ感の強いディープな場所でした。なので、素人が気軽に足を踏み入れるには、ちょっと勇気のいるエリアだったような印象があります。そんなこ...

わたくし生まれも育ちも大阪ですが、通天閣には登ったことはありません。いまでこそ観光客で賑わっていますが、かつてあの辺りは、大阪の中でもひときわコテコテ感の強いディープな場所でした。なので、素人が気軽に足を踏み入れるには、ちょっと勇気のいるエリアだったような印象があります。そんなこともあって、多くの大阪人は、通天閣は遠くから眺めるものであって、わざわざ登ってみるものではないと思っているはずです。 物語は通天閣の界隈に住む人々の日常を描いています。登場人物のほとんどは、泥沼に足を取られ、いつの間にか首までどっぷり浸かってしまって、すでにもがき苦しむことさえあきらめてしまったような人たちです。夢も希望も失って、だたただ今日という一日が早く過ぎ去らないものか、かといって明日が来ることにほのかな期待を抱くでもなく、ずるずると流されるように生きている、そういう人たちの生活が面白おかしく語られています。 いまでは通天閣周辺も、再開発によってかなり街並みが変わりました。けれどやっぱり、どことなくあか抜けない感じを拭い去ることができないままでいます。通天閣も、東京タワーやスカイツリーと比較するに及ばず、京都タワーや神戸タワーに比べても、ず~っと野暮ったい感じのままです。また、そうでないと通天閣とは呼べない気もします。大阪人にとって通天閣は、在って当たり前のもの。ただそこに在るだけ。でも、なくなってしまうとやっぱり寂しい。そんな存在なのでしょうネ。 もしかすると、大阪の人たちが通天閣を見上げているのではなく、通天閣が人々の悲しくてやるせない、それでいてどこか滑稽な暮らしぶりを、じっと見つめ続けてきたのではないでしょうか。通天閣の慈悲深い眼差しを感じるお話でした。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

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2016/02/29

あまりなにも考えずに読める小説。なんでもない人たちにスポットライトを当てるのが上手いなと思った。語り口や登場人物に愛嬌があり、西加奈子の他の小説も読みたいと思った。

Posted byブクログ

2019/12/10

大好きな西加奈子さんの本の中で、一番声に出して笑った本。シュールなのだけど、笑うしかないといったような本だった。こんなのが書けるってすごいと思う。

Posted byブクログ

2015/12/07

西さんの小説はほとんど読んだことがない。小学生が主人公な映画は観た。 登場人物がバラエティに富んでいる、読ませる。 わたしは飛ばし読みしちゃったけど、ま、いいんじゃないですかねという感じ。

Posted byブクログ

2016/10/07

ぶらり鈍行旅の途中で読了。 2人の主人公が同じアクシデントを微かに交差しながら、その中で気付く、人生で大切なこと。 ・そうだ、それでこそ、お前の人生だ。 ・愛そう。 主人公の女性の性格のねじ曲がり具合に天晴れ!

Posted byブクログ