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通天閣 の商品レビュー

3.6

143件のお客様レビュー

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2010/08/28

西加奈子作品を最近まとめて読んだ中で一番のおすすめ作品 相変わらずの恋愛体質キャラ満載だがおっさんの描写や展開がよかった 後しずくもおすすめです

Posted byブクログ

2010/07/25

坦々と町工場で働く日々を「こなす」中年男の生活と、去った恋人に未練を残しつつスナックで働く若い女性の生活が、並行して進むストーリー。 通天閣の真下、大阪の人いきれが濃厚な町ミナミが舞台だ。 二人の主人公以外にも、登場人物はみな、おかしくも悲しい人生を背負い、日々をやり過ごして生...

坦々と町工場で働く日々を「こなす」中年男の生活と、去った恋人に未練を残しつつスナックで働く若い女性の生活が、並行して進むストーリー。 通天閣の真下、大阪の人いきれが濃厚な町ミナミが舞台だ。 二人の主人公以外にも、登場人物はみな、おかしくも悲しい人生を背負い、日々をやり過ごして生活する人々ばかりである。 「私が泣いていることなんて、誰も知らない。皆自分のことに夢中で、夢中になっていることは本当につまらないことで、そしてまた明日を待っている。」 だが、これは悲観的な物語ではない。むしろ、不器用な人生を肯定する物語だ。 中年男と女性二人のストーリーは、徐々に並走し、終盤で見事に重なる。 クライマックスはとても感動的で、ストーリーテリングが巧みだ。 二人のストーリの間に、寓話とも夢の断片ともつかない小文が挿入されている。 メイントーリーの生活感あふれるリアリズムに対して、非現実的な要素を配するバランスが絶妙だ。 「ポケットに手を入れると、見覚えのない鍵が入っていた。それを雪に投げ捨てると、そのまま雪の上で溶けてしまった。ははは、やった! そんな風に大声を出し、空を見上げた。すると通天閣が立っている。」 文章がいきいきしており、シーンも鮮やか。 悲哀を感じさせつつ、滑稽な愛すべき登場人物たち。 とてもよい小説だと思う。 多くの人に読まれてほしい小説だ。

Posted byブクログ

2010/07/11

2010年3月17日購入 じゃじゃもってきさらせ~い 耳につく。 ドロヨイ。 懐かしいような、思い出したくもないような。 関西のにおいが漂ってくる小説。 西加奈子は昔に比べるとずいぶん垢ぬけたなあと思う。

Posted byブクログ

2011/07/16

辛気臭い話だなと思った。通天閣が物語の真ん中にあって、そこを登場人物の人生が堂々巡りしている感じ。面白くもおかしくもないけれど、中年のオカマや、仕事でもないのに日がなタクシーの交通整理をする爺さんなど、どうしようもない庶民の生き様が語られている。終盤、冬の通天閣がライトアップされ...

辛気臭い話だなと思った。通天閣が物語の真ん中にあって、そこを登場人物の人生が堂々巡りしている感じ。面白くもおかしくもないけれど、中年のオカマや、仕事でもないのに日がなタクシーの交通整理をする爺さんなど、どうしようもない庶民の生き様が語られている。終盤、冬の通天閣がライトアップされるかのような事件の場面だけが躍動的だ。

Posted byブクログ

2010/05/19

 不思議な夢を合間にはさんだ長編。  ファンタジーといっても差し支えはない気がする。  本人は一生懸命なんだけど、冷静に見れば笑える。その懸命さがとても愛しくて面白い。

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2010/04/07

自分まで落ち込みそう話でした。いつまでもうじうじしているのをアホだなぁと思いつつも彼らの他の人のことを馬鹿にしているのだ。私となにもちがわない・・・

Posted byブクログ

2010/05/07

年が明けると、学生たちが騒がしくなる。入試や就職活動が待っているからだ。就活ではもちろんだが、入試でも人柄やらを見定めるべく「面接」というものを受けなければならないと思う。そして悩むのだ。 「自己PR」。 10数年の己の人生について、面接官であらせられる人生の先輩方に披瀝せん...

年が明けると、学生たちが騒がしくなる。入試や就職活動が待っているからだ。就活ではもちろんだが、入試でも人柄やらを見定めるべく「面接」というものを受けなければならないと思う。そして悩むのだ。 「自己PR」。 10数年の己の人生について、面接官であらせられる人生の先輩方に披瀝せんければならないのである。難渋している学生も多かろう。というのも、「自己PR」というのは言うなれば自慢であり、自慢という行為は謙虚さが足りないこととして控えるべき行為・恥ずべき行為として教わってきたからだ。で、何もアピールすることないなあとボヤキつつ、にわかにTOEICを受けてみたり、ボランティア活動に勤しんでみたりするのがある。 でも人生ってのは、誰も彼もがそんなドラマティック&ドラスティックになんて歩んでいないし、フツーの、ぶっちゃけ「ショボい」人生である人が大半だ。学生たちに限らず、朝の電車を見たら、どのおっちゃんもおねえちゃんもみんな似たような顔をしたのばかりだ。大半の大人はありきたりな、取り立てて威張れるようなもんなんかない「ショボい」人生を生きているわけなのよ。で、酒なんか飲んだ日には、「俺の生きている理由ってなんやろか…」「自分 の存在意義って…」という出口のない迷路に自らダイブするのである。 あああああ、虫酸が走るぅぅぅぅぅっ!!意味なんか探すな!いちいち探すな!意味がなかったら己は生きられんのかっ!!ってな感じで、上辻、シャウトする。日常なんて、「ショボい」人たちが集まって「ショボい」ことをして、その繰り返しだ。しかし、勘違いをしてはいけない。この「ショボい」の判断基準を決めるのは自分であり他人ではない。ヘイ!そこのYou!Youは自分の人生を誰かと比較して「ショボい」と勝手に決めつけていないかい?でもって、 自分にがっかりしていないかい? で、長く変な前振りになったが、この本、西加奈子女史の『通天閣』である。この本に登場する人たちは、「ショボい」人たちばかりで、「ショボい」日常を過ごしていて、物語もまた特に劇的な展開をすることもなく終わる。ということは、この小説は「ショボい」小説ということになるわけであるが、否、人間の大半はこんな感じで生きているやん、こんな感じで生きていて、それでいいやん、というさりげな~いメッセージが込められているように思えてならないのだ。「ショボい上等」みたいな。 生きているのがなんだかわけが分からなくなった・面倒臭くなったというような人には、是非、読んでみてもらいたい。

Posted byブクログ

2010/02/11

関西弁の軽やかな語り口で、ちょっと笑えて、でも寂しくてせつない話。通天閣の隅っこで生活している人たちが、生き生きと描かれていて、本当に楽しく読めた。

Posted byブクログ

2010/02/07

ああ、自分、この世界、少し分かるようだ。残念ながら… 顔も知らないし、何考えてるのか知らないけど、なんとなくこの隣人のことをもっと知りたいと思う気持ちが湧いてくるような本だ。

Posted byブクログ

2010/02/05

どこにでもありふれたといえば、そうだけど、それを的確な言葉で表現できるのは西さんだからできるのだなぁ・・・。自分なんていてもいなくても変わらない、というのは最近よく思ってしまうだけに響いた。

Posted byブクログ