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遥かなる水の音 の商品レビュー

3.9

93件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2010/01/26

〈お願いがあるんだ。僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな〉 わわわ! 村山由佳さんの新作! 大好きな作家さんなので本当に楽しみにしてました。 サイン会行きたかったな…。 村山由佳さんらしい1冊! ホントこの一言に限ると思います。 最初スケールが大きく...

〈お願いがあるんだ。僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな〉 わわわ! 村山由佳さんの新作! 大好きな作家さんなので本当に楽しみにしてました。 サイン会行きたかったな…。 村山由佳さんらしい1冊! ホントこの一言に限ると思います。 最初スケールが大きくて、そして重くて…ちょっと入り込むのに時間がかかりましたが後半は夢中で読みました。 村山由佳作品って最後に「読んでよかった」と思える1冊が本当に多いです。 私の人生ではきっと経験することがないまま終わるようなことを教えてくれるから。 村山作品を読むと毎回勉強になります。 やっぱり村山由佳さんは私にとってかなり大きな存在の作家さんです。 村山由佳さんの良さを教えてくださった方に感謝です。 いわゆるロードノベル。 舞台は日本でなく異国です。 周の遺灰をサハラ砂漠にまくためにフランスからモロッコへ旅するお話。 メンバーは周の恋人であるフランス人のゲイ、ジャン=クロード。 周の姉、緋沙子。 周の友人であり周がずっと好きだった、浩介。 そして同じく周の友人であり浩介の恋人、結衣。 これに現地のガイドさんを加えた登場人物の視点で描かれています。 多数の視点で描かれているのでより、考え深かったです。 最初ちょっとだけ読みづらかったけど、繋ぎ方が流石でした。 とにかくテーマが多いです。 同性愛、イスラム教、生と死、文化、習慣、価値観 etc…。 私たち日本人はどうしても同性愛やイスラム教に偏見を持ちがちだと思います。 同性愛には最近全く抵抗を感じませんが、この作品を読むまで私もイスラム教に勝手な想像と価値観で偏見を持っていました。 日本は無宗教だし、宗教というものにあまり触れ合うことがないですしね。 でもこの考えが変わりました。 作品中の文章でもあったように、「イスラム教は禁欲的で愛を呼ぶ宗教である」ということを知ることが出来てよかったです。 文章がキレイです、本当に。 村山由佳作品は全作品読んでいるのですが、こういう海外モノは本当に上手いです。 今回もモロッコはもちろん、パリにも行ったことがないのにまるで自分がそこにいて作品中の風景を見ている錯覚に陥ります。 そして実際に行ってみたくなります。 アフリカとか全く興味ない私ですが、村山作品を読むとびっくりするくらいアフリカに興味を持ちます。 あー旅行に行きたくなりました。 作品遊びもあって嬉しかったです。 素敵なファンサービス。 パリに観光に来たフラワー・コーディネートと聞いてピンときて、長野のペンションの飾りつけと聞いて確信に。 『すべての雲は銀の…』の2人ですよね!? 前作の『ダブル・ファンタジー』は文学賞をトリプル受賞をしていますが私はこの作品も大好きです。 『ダブル・ファンタジー』が新たな村山由佳さんの一面とすれば『遥かなる水の音』は今までの村山由佳さんらしい1冊。 でも遠まわしの説明や展開の仕方ではまた新しい一面が見れると思います。 とにかく村山由佳さんが好きっていうことを実感した1冊。 今回は図書館で借りましたが文庫化したら絶対に買います。 「何かを強く願うとき、ただ望む(hope)のでは不充分だ。信じる(believe)のでなければね。」

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2010/01/24

遺灰をサハラに撒いてほしいという遺言を実行するために集まった4人。彼の同居人と姉と同級生。それぞれに抱える思いと願い。段々読むうちに引き込まれ、後ろ半分くらいは寝ずに一気読みでした。姉ヒサコの最後の決断(心境)は、あー…そっか…そういうことか…となんだか脱力するくらいの納得と共感...

遺灰をサハラに撒いてほしいという遺言を実行するために集まった4人。彼の同居人と姉と同級生。それぞれに抱える思いと願い。段々読むうちに引き込まれ、後ろ半分くらいは寝ずに一気読みでした。姉ヒサコの最後の決断(心境)は、あー…そっか…そういうことか…となんだか脱力するくらいの納得と共感。力を持った作品です。

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2010/01/22

2010.1 久しぶりにずしっときた。村山由佳の、こういう話は好きだなぁ。 パリを訪れた二人は、美里と花綾かな?

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2017/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

購入済み 読了 内容(「BOOK」データベースより) パリで、ひとりの青年が死んだ。最期をともに過ごした同居人は、ゲイの中年フランス人だった。青年の遺言は、「遺灰をサハラにまく」こと。フランス、スペイン、モロッコ―。青年の姉、友人のカップル、同居人のグループは、様々な思いを抱えたまま、遺言を叶える旅に出るが…。 シェリダリング・スカイは映画も見ていないので映画を見て本を読まなきゃ!と思った作品。 緋沙子のこれからが、ジャン=クロードのこれからが気になるし、サイードもね。 水から一番遠そうな砂漠が舞台なのに、このタイトル。 そちらは脱帽。

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2010/01/19

2010.1.19 読んだら、旅行に行きたくなりました。 村山さん、取材旅行を楽しんだのですね~

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2011/02/22

若くして亡くなった周(あまね)の遺言により、サハラに遺灰を撒く為にモロッコを旅する4人の物語。 各々が周への想いを通して自分の内面を見つめていく心理描写が繊細で秀逸。 「何かを強く願うとき、ただ『望む』のでは不充分だ。『信じる』のでなければね」Hopeではなく、Believe。と...

若くして亡くなった周(あまね)の遺言により、サハラに遺灰を撒く為にモロッコを旅する4人の物語。 各々が周への想いを通して自分の内面を見つめていく心理描写が繊細で秀逸。 「何かを強く願うとき、ただ『望む』のでは不充分だ。『信じる』のでなければね」Hopeではなく、Believe。という言葉が印象深い。

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2010/05/13

内容紹介 「僕が死んだら、遺灰をサハラに撒いてほしい」。 パリの旅行代理店に勤める緋沙子は、若くして逝った弟の遺言を叶えるため、モロッコを旅することになる。 同行者は、弟の友人だった浩介・結衣という若いカップルと、中年のフランス人男性ジャン=クロード。 資産家の彼はゲイであり、晩...

内容紹介 「僕が死んだら、遺灰をサハラに撒いてほしい」。 パリの旅行代理店に勤める緋沙子は、若くして逝った弟の遺言を叶えるため、モロッコを旅することになる。 同行者は、弟の友人だった浩介・結衣という若いカップルと、中年のフランス人男性ジャン=クロード。 資産家の彼はゲイであり、晩年の弟と同居していた。 互いを理解できないままに、さまざまな事情を抱えながら、4人は異国を旅する。 ムスリムのガイド・サイードも加わり、異文化に触れていくなかで4人は 徐々に、互いの抱える問題や思いに気がついていく。 そんな折、仕事のトラブルから浩介がパリに戻ることになり・・・・・・。 魂の拠りどころを求めて彷徨う男女の姿を通じて、同性愛、姉弟の愛など多様な愛のかたちを描いた意欲作。 パリを出発しスペインのセビーリャ、アルヘシラス、モロッコのタンジェ、フェズ、マラケシュ、ワルザザート、ティネリール、エルフード、そして最終地メルズーガへ。 前半はあまり淡々と進む旅に面白みを感じなかったけど 中盤の飛行機事故を境に、ぐいぐい引き込まれていった。 サハラ砂漠の朝日を見ながら、灰を撒く情景が目に浮かぶよう。 「何かを強く願うとき、『望む』のでは不十分だ。『信じる』のでなければね」 Hope ではなく、Believe。

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2010/01/13

砂漠で、同性愛でって、どうしても「マラケシュ心中」を思い出してしまうね。 苦しくなった。 とても澄んだ空気。

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2010/01/08

やっぱりこういうのが良いですね。情景がパァと頭の中に浮かぶ感じ。 色んなこと、細かいことは、最後まで明らかにせず、 でも、想像できるぐらいには薄くベールがかぶせてある感じが、 読み終わってとても心地よかったです。 これが2010年最初の1冊でよかった。 2009.12.28~20...

やっぱりこういうのが良いですね。情景がパァと頭の中に浮かぶ感じ。 色んなこと、細かいことは、最後まで明らかにせず、 でも、想像できるぐらいには薄くベールがかぶせてある感じが、 読み終わってとても心地よかったです。 これが2010年最初の1冊でよかった。 2009.12.28~2010.1.8読了

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2009/12/26

「僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな。 青年の死をきっかけに、悩める大人たちの旅がはじまる-」(帯より) というのに、間違いない物語です。 6人の視点が代わる代わるして物語が進んでいきます。 6人のうち、ある一人はなくて良かったかな、と思いました。 最初と最後だ...

「僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな。 青年の死をきっかけに、悩める大人たちの旅がはじまる-」(帯より) というのに、間違いない物語です。 6人の視点が代わる代わるして物語が進んでいきます。 6人のうち、ある一人はなくて良かったかな、と思いました。 最初と最後だけがその人で良かったかも。 その人が本当はどういう気持ちだったのか、読者に委ねても良かった気がします。 全部見せられるのも実際生きててありえないことですしね。 周りの人がそれぞれその人のことを想っていることが、なんとなく、私だけその人の視点を知っているのってやりきれないです。 あと、ユイという女性の生き方について、唐突に持論が展開されて、?となることも。 村山さん節ではありますが、それまでのユイからはちょっと納得いかない点があります。 とはいえ、物語はとても良かったです。 愛している人のために、ここまでしたいと思う。実際は難しいけど。 この旅が、その人へしてあげる最後の事と思うと、とても哀しい旅です。

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