遥かなる水の音 の商品レビュー
表紙が綺麗だった。いちばん最初に目に付くとこのイメージで読み始める。まぁ村山由佳らしいそれとなく‥話は進む。サハラに行くという大事で話しを盛り上げてはいるが、相変わらず読者が想像を膨らませる書きよう。周の病気も多分性交渉による不治の病なんだろうな。ただ物語の視点が転々とし過ぎて非...
表紙が綺麗だった。いちばん最初に目に付くとこのイメージで読み始める。まぁ村山由佳らしいそれとなく‥話は進む。サハラに行くという大事で話しを盛り上げてはいるが、相変わらず読者が想像を膨らませる書きよう。周の病気も多分性交渉による不治の病なんだろうな。ただ物語の視点が転々とし過ぎて非常に判りづらい。ただこの視点=水の流れに置き換えているんだろう、作者は。しかしながらちょっと長文にし過ぎたんじゃないかな?まとまり着かなくなっちゃった感が否めない。若しくはじっくり数日かけて読むべき作品なのか。速読した僕には少なくとも得るものは少なかったな。
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死者の声を聞けてしまう青年・周が、病気でもうすぐ亡くなるというシーンから始まる小説。 周の遺言は、自分の遺灰をサハラ砂漠に撒いてほしいということ。 死者の声も聞こえないだろう、死者の命さえ存在しないであろうサハラ砂漠で、死んだあとくらいはゆっくり眠りたいと。 結婚への価値観の違うフランス人男性とパリで一緒に暮らしている周の姉・緋沙子。 周と一緒に住んでいた同性愛者のジャン・クロード。 周の友人であり思い人でもある浩介と、その恋人結衣。 この不思議な組み合わせで、サハラ砂漠へ旅をする。 近しい人が亡くなったことを、どう受け止めるのかという問題と、生きている自分が今持っている悩み(それはもちろん今と未来のためにある)が、ひとりの人間の中で交錯し、旅する時間の中で変化していく様子が、旅の風景の描写とともに描かれている。 誰かを失ったとき、物語ほど早く受け止めて立ち直れるものではないと思うけれど、人の想いや考えの変化する様子、関わり合いを味わうことができる作品。
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こういうの好きだわ~。 今まで読んだ村山由佳の作品で一番いい。 亡くなった人の遺灰を砂漠にまきに行くって ありがちなお涙ちょうだい的でどうかと思ったが こんなに素敵な作品だったとは… こういうどこかへ連れて行ってくれる作品って 読んでて楽しいし、周(アマネ)たちも魅力的で一緒に旅...
こういうの好きだわ~。 今まで読んだ村山由佳の作品で一番いい。 亡くなった人の遺灰を砂漠にまきに行くって ありがちなお涙ちょうだい的でどうかと思ったが こんなに素敵な作品だったとは… こういうどこかへ連れて行ってくれる作品って 読んでて楽しいし、周(アマネ)たちも魅力的で一緒に旅に 言ってる気分も味わえてよかった。 砂漠行きたい!ヘンナ書いてもらいたい!
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亡くなったひとりのナイーブな青年の遺言どおり、サハラに散骨しにいく姉・恋人・友人。 その旅をとおして彼らは・・・ モロッコに行きたくなるなぁ。
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「ゲニウス・ロキ。ラテン語で、地霊のことを言うんだけどね。たとえば、旅した先の土地にすごく惹かれるものを感じた時は、その土地のゲニウス・ロキに気に入ってもらえたってことなんだそうだよ。 そもそも人は、迷うと思うから迷うのだ。言い換えると、目的地へ一刻も早くたどり着こうと...
「ゲニウス・ロキ。ラテン語で、地霊のことを言うんだけどね。たとえば、旅した先の土地にすごく惹かれるものを感じた時は、その土地のゲニウス・ロキに気に入ってもらえたってことなんだそうだよ。 そもそも人は、迷うと思うから迷うのだ。言い換えると、目的地へ一刻も早くたどり着こうとするから迷う。費やす時間の多寡さえ初めから考えなければ、たいていの場合、いつかはたどり着く。回り道ではあるにせよ、それは迷い道ではない。 信じる神がいるかいないかって、本当に危機ったときに違う。 飛行機が落ちた時の『だいじょうぶ。私の神様が守って下さいますから。』にインドを思い出した。インドで何回もきいたこの言葉。神を信じてる人が言うと、重みが違う。 最近村山由佳あれだなとか思ってたけど、やっぱいい。やっぱすごい。 インディアンの話を昔読んだんだけど、あれに似てた 死んでもここまで思ってもらえる生き方をしたいものです
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悲しみは胸の底に。 その反動としての生への意欲は、とてもとても人間くさい。 死んだら、サハラへ。 静かな場所を求めて。 周にとって、この世界はとてもとても生きにくい場所だった。 そう、それは周にとってだけではなく。
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緋沙子、ジャン=クロード、浩介、結衣。 周の死後、4人で周の旅路を辿りながら、灰をまくためにサハラへ旅をする。 それぞれの視点から、周という人間、悩み、人生が、川の流れのように、さらさらと時には轟々と語られる。 それに寄り添うように存在する、周の思いは、とても暖かくて切ない。...
緋沙子、ジャン=クロード、浩介、結衣。 周の死後、4人で周の旅路を辿りながら、灰をまくためにサハラへ旅をする。 それぞれの視点から、周という人間、悩み、人生が、川の流れのように、さらさらと時には轟々と語られる。 それに寄り添うように存在する、周の思いは、とても暖かくて切ない。 読み終わりは、水にたゆたうような心地になる作品。
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村山氏の作品を全部読んだわけではないけれど、今まで数冊読んだ中での印象を言えば、この人の文章は平易。読みやすくもあり、それが故に物足りない側面も。 だから、多分作者が描き出そうとしたものが、余計な装飾なしに伝わるんだと思う。描き出そうとしたものが魅力的なものなら魅力的になるし、平...
村山氏の作品を全部読んだわけではないけれど、今まで数冊読んだ中での印象を言えば、この人の文章は平易。読みやすくもあり、それが故に物足りない側面も。 だから、多分作者が描き出そうとしたものが、余計な装飾なしに伝わるんだと思う。描き出そうとしたものが魅力的なものなら魅力的になるし、平凡なものなら平凡に。 そういった意味では、予想外の面白さというものはないのかもしれない。けれど、今回のこの作品は好みだった。 主人公の弟が亡くなり、弟の恋人であるゲイの男性や、弟の友人たちとともに旅をするというストーリーを、登場人物それぞれの視点で描いた群像小説という体裁で書いている。 同氏の作品で「星々の舟」という連作短編も好みだったことを思えば、単に私が連作短編や群像小説というものを好むのかもしれないけれど、今作の、ちょっと特異な情況が淡々とした文章でシンプルに描き出されているのは良かったと思う。
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■これまたタイミングがよかったというか旅行でも恋愛でも仕事でも、もっと生き方思い切ったことしてもいいかな、って思える。そんな活力ちょっともらった。サハラでも、鳥取でもいいから砂漠いってみたくなった。
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設定はとてもありきたり。展開もありきたり。 旅行気分が味わえるけど描写がうざくなってきて飛ばしよみしちゃった。でもモロッコとか砂漠は行ってみたいな。 作者の意図とはちがうのかもしれないけど、友人2人の恋愛とか姉の恋愛とかどうでもよかった。この人たちの行く末は示唆があったのにジャン=クロードにはなかったのがなあ。一番気になるのに。
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