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完全なる証明 の商品レビュー

3.7

50件のお客様レビュー

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2018/10/27

ずっと、気になっていた作品。 多分、数学者とか物理学者とか、そういう、自分と真逆な人だからこそ、憧れているし、興味を持って読んだんだろう。 普段、こんなジャンルの本は読まないけれど、つまらないミステリィよりは、ずっとミステリィらしく、面白かった。数学の問題は理解できなかったけれど...

ずっと、気になっていた作品。 多分、数学者とか物理学者とか、そういう、自分と真逆な人だからこそ、憧れているし、興味を持って読んだんだろう。 普段、こんなジャンルの本は読まないけれど、つまらないミステリィよりは、ずっとミステリィらしく、面白かった。数学の問題は理解できなかったけれど。 でも、天才は変わり者だと思い込むのは間違っていると思いますよ。 数学を学ぶということは現実における魔法を学ぶことと、同じようなことだと知っていれば、あんな成績にはならなかっただろうな。

Posted byブクログ

2021/08/08

ポアンカレ予想を証明したペレルマンの人物像を描いたもの。 ソ連の教育や文化を垣間見ることができたという意味では面白かった。 しかし、恥ずかしいことに、結局ポアンカレ予想が何なのか全くわからなかった…

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2017/08/16

1904年にフランスの数学者によって提出されたポアンカレ予想は約100年間、 未解決のまま残されアメリカのクレイ数学研究所によってミレニアム懸賞問題 のひとつに指定された。 この難問を解決したのが本書に取り上げられている、ロシアの天才数学者 グレゴリー・ペレルマンである。 社...

1904年にフランスの数学者によって提出されたポアンカレ予想は約100年間、 未解決のまま残されアメリカのクレイ数学研究所によってミレニアム懸賞問題 のひとつに指定された。 この難問を解決したのが本書に取り上げられている、ロシアの天才数学者 グレゴリー・ペレルマンである。 社会主義体制下の旧ソ連に生まれたユダヤ人は、どんなに才能があろうとも 英才教育を受ける機会を奪われていた。しかし、幼いころから数学の才能を 認められたペレルマンは指導者や庇護者に恵まれ、国際数学オリンピックへの 出場をはじめ、不可能とさえ思われたレニングラード大学への入学を果たす。 アメリカ留学で世界への扉を開き、有名大学からのオファーがあったにも関わらず、 「履歴書を提出せよ」という大学側の要求に腹を立て、ロシアへ帰国。取り組んでいる 研究課題を数学仲間にも語ることなく、ある日、インターネット上にポアンカレ予想の 論文を発表する。 クレイ研究所はポアンカレ予想を証明したとして、ペレルマンに数学のノーベル賞と 言われるフィールズ賞受賞を決定するが、当人は「自分の証明が正しければ賞は 必要ない」として、受賞を頑なに拒否し勤務していた研究所も辞め、人々の前から 姿を消した。 「数学界に絶望した」。こんな言葉を残して。 100万ドルの賞金である。私のような凡人なら素直に受け取るだろう。だが、未解決の 問題を証明することに時間を費やす研究者には、解決した問題はその時点で過去の 出来事になってしまうのだろうか。 ペレルマンが世間との接触を断っている為、本人のインタビューこそなされていないが 彼を育てた庇護者や付き合いのあった研究者の多くに話を聞いており、ペレルマンの 人となり、数学へ取り組む姿勢が描かれている。 また、著者自身も旧ソ連に生まれたユダヤ人であり数学を専攻していたので、社会主義 体制下での数学界の様子がよく分かる良書である。 それにしても、論文の剽窃をしてまでポアンカレ予想を証明したのは自分たちだって主張 する中国人研究者には驚きである。 尚、数学が大の苦手な私には、何度ポアンカレ予想の概略を読んでも理解出来ない。 本書は数学に拒絶反応がある人でも、楽しめると思う。

Posted byブクログ

2014/04/14

ポアンカレ予想を証明した数学者・グリゴーリー・ペレルマンを追ったルポ。 ポアンカレ予想の本ではなく、ペレルマンの足跡を辿る本です。 ポアンカレ予想じたいは、ざっくり簡単な説明だけが記載されていましたが、質問自体が何言ってんだかサッパリ分かりませんでした。 本書を読む限り、数学の...

ポアンカレ予想を証明した数学者・グリゴーリー・ペレルマンを追ったルポ。 ポアンカレ予想の本ではなく、ペレルマンの足跡を辿る本です。 ポアンカレ予想じたいは、ざっくり簡単な説明だけが記載されていましたが、質問自体が何言ってんだかサッパリ分かりませんでした。 本書を読む限り、数学の鬼才にふさわしい奇人、という印象。生きていくのに難儀しそうなキャラです。 きっと、世の中を支えている圧倒的多数は凡人だということがよく分からなかったんだろうなぁ。 旧ソ連のスターリンの体制で、数学と数学者を守ろうと闘った知識人たちがかっこいいです。 周りが自分のために水の中で息を継ぐような闘いをしていても知らん顔のペレルマンには、凡人の私なら腹を立てますが、彼を守ったり導いたりしてきた人たちには、この証明を世に出したことが既に恩返しになっているのかな。 そういう価値観のつながりって素敵です。 訳者が青木薫さんなので、読みやすいです。 ペレルマンさん、今、どこで何をしてるんでしょうねぇ。

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2014/01/23

「ポアンカレ予想」なるものが、どんな難題なのかはよくわからなかったけれど、数学界におけるとてつもない難題であるらしいことはわかった。 その難題を見事に解いたペレルマン。常人では成し得ないことをやり遂げる人というのは、やはり常人ではない考えと感性を持った人だ、ということもよくわかっ...

「ポアンカレ予想」なるものが、どんな難題なのかはよくわからなかったけれど、数学界におけるとてつもない難題であるらしいことはわかった。 その難題を見事に解いたペレルマン。常人では成し得ないことをやり遂げる人というのは、やはり常人ではない考えと感性を持った人だ、ということもよくわかった。 それより何より、このような数学の天才を生み出した旧ソ連の教育システムというのも、おそろしいものである。 しかし、いくらシステムがしっかりしていても、天才は時と場所と人を得ないと生まれてはこないのである。 現在、ペレルマンが何に興味をもって、どうしているのかということも知りたくなった。

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2013/09/13

ポアンカレ予想を証明した天才数学者ペレルマンの人物像を周囲の人々へのインタビューによって浮き上がらせていくドキュメンタリー。一方で旧ソ連下の教育体制の記録が興味深い。 本書によれば、ペレルマンは絵に描いたような「天才と何とやらは紙一重」な人物であった。 読んでるうちにふと、「...

ポアンカレ予想を証明した天才数学者ペレルマンの人物像を周囲の人々へのインタビューによって浮き上がらせていくドキュメンタリー。一方で旧ソ連下の教育体制の記録が興味深い。 本書によれば、ペレルマンは絵に描いたような「天才と何とやらは紙一重」な人物であった。 読んでるうちにふと、「賢さ」とは「人が思いもよらない疑問を持つこと」と同義なのかもしれないと思った。

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2013/05/28

ソビエト時代の背景が克明に表れていて興味深く読んだ。本人にインタビューしたわけではないので彼の意見や本音は少し靄がかっているけどそれも当然。 米版と日本語版て違うアプローチをした真意を聞いてみたいと思った。私は勿論日本語版で満足。訳者の方が”専門的な数学や物理を美しく訳す”と書か...

ソビエト時代の背景が克明に表れていて興味深く読んだ。本人にインタビューしたわけではないので彼の意見や本音は少し靄がかっているけどそれも当然。 米版と日本語版て違うアプローチをした真意を聞いてみたいと思った。私は勿論日本語版で満足。訳者の方が”専門的な数学や物理を美しく訳す”と書かれてあったので他の著書も読みたいと思った次第。 数学の解明が詳細に知りたい人はこの本は物足りないだろうな。人間ドラマですから。

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2013/05/25

ミレニアム問題であるポアンカレ予想を証明した、ロシアのトポロジスト、グリーシャ・ペレルマンの物語。ユダヤ人であるが故に、人種差別に翻弄され、名声や賞も避けて森に逃避した。数学に純粋に向きあおうとして叶わなかった彼の思いが胸を打つ。数学の世界を引退した彼は、今何をしているのだろう。

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2013/03/02

ポアンカレ予想を解決するも賞や賞金をことごとく固辞し、表舞台から姿を消した希有の数学者について書かれた伝記。 伝記というか、本人がインタビューを全く受けなかったために、彼の友達や恩師、同僚など周囲の人物からインタビューすることで人物像を練り上げた評伝といえるでしょうか。 手法が手...

ポアンカレ予想を解決するも賞や賞金をことごとく固辞し、表舞台から姿を消した希有の数学者について書かれた伝記。 伝記というか、本人がインタビューを全く受けなかったために、彼の友達や恩師、同僚など周囲の人物からインタビューすることで人物像を練り上げた評伝といえるでしょうか。 手法が手法だけに作者の思い入れが出来を左右するな、と少々警戒しつつ読み始めましたが、同時代に数学に関するエリート教育を受けたユダヤ人、というペレルマンと同じ境遇であったからこそ書ける視点で客観的に筆を進めていて好ましいです。

Posted byブクログ

2013/02/13

世紀の難問・ポアンカレ予想の証明に成功しながら、懸賞金(100万ドル)とフィールズ賞の受賞を拒否し、人前から姿を消してしまったグレゴーリー・ペレルマンの半生について記した本。彼の知人たちに対する粘り強いインタビューを通じて、現在は口を閉ざしてしまったペレルマンが、人生の節目で何を...

世紀の難問・ポアンカレ予想の証明に成功しながら、懸賞金(100万ドル)とフィールズ賞の受賞を拒否し、人前から姿を消してしまったグレゴーリー・ペレルマンの半生について記した本。彼の知人たちに対する粘り強いインタビューを通じて、現在は口を閉ざしてしまったペレルマンが、人生の節目で何を考えていたのかを明らかにしようとしている。 また、著者自身が旧ソ連の数学エリート育成プログラムの選抜者だったことから、そのプログラムが開設された歴史的経緯や、プログラムの詳細についても詳しく記載されている。さらに、スターリンによるユダヤ人迫害や科学追放運動において、旧ソ連の数学者がどのように立ち回ったかについても書かれており、ソビエト数学史の一端を知る上でも本書はとても興味深い。このように史実を紐解くだけでも、ソビエト数学界に残したコルモゴロフ先生の功績の大きさは計り知れないことが分かる。 もちろん私はペレルマンのような天才ではないのだが、本書に描かれた彼の性格や価値観には私と共通している部分がかなりあるように思え(自分の理想に合わない外界は見なかったことにするところとか…)、いろいろと共感しながら読むことができた。

Posted byブクログ