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完全なる証明 の商品レビュー

3.7

50件のお客様レビュー

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  5. 1つ

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2010/08/30

つまんなかったですね。 でも、それ以前の問題。 文章が下手すぎて読む気がしない。 内容はありそうなんだけど。 いかにサイモンシンの「フェルマーの最終定理」が傑作だったのかを思い知る。 同じ訳者なんだけど、おかしいなぁ。

Posted byブクログ

2010/08/24

ポアンカレ予想は、様々な数学者が挑んだ世紀の難問ですが、これを解いたロシアの数学者ペレリマンの人生と、ソ連・ロシアの数学界の事情について考察した本です。ペレリマンは大変優秀な数学者でこの難問を解いたことで注目されています。しかしながら、彼自身は数学以外のことについて何も語ることは...

ポアンカレ予想は、様々な数学者が挑んだ世紀の難問ですが、これを解いたロシアの数学者ペレリマンの人生と、ソ連・ロシアの数学界の事情について考察した本です。ペレリマンは大変優秀な数学者でこの難問を解いたことで注目されています。しかしながら、彼自身は数学以外のことについて何も語ることはなく、特に数学界の最高の栄誉であるフィールズ賞や、この問題に懸けられた100万ドルの賞金を拒否したことで、メディアからも世間の常識から外れた不思議な人物という取り上げられかたになっています。著者は、同じソ連の数学界に所属した経験があり、その実状とペレリマンの周囲の環境から、ペレリマン自身の性格や考え方がどのように変わっていったのかを考察していきます。ペレリマンは数学の奥深さに魅せられた純粋な人物で、数学以外の事には関わらないという姿勢を貫いているように見えます。評伝の人物が何も語らないだけに、この評伝も状況証拠による推測の域を出ませんが、ペレリマンに関わった人物を丁寧に取材し、考察を進めている内容には好感が持てます。 ポアンカレ予想の証明の内容については、私のような素人には理解不能ですが、これを解いたペレリマンという人物にはとても興味があります。彼はまだ40代であり同時代を生きる者として、今後彼がどのような難問を解いていくのか、期待を持って見ていきたい。もしかするとポアンカレ予想を超える素晴らしい業績を挙げるかもしれませんね。

Posted byブクログ

2010/06/09

一人の天才数学者の人生をその過程で関わった関係者へのインタビューをもとにまとめた本。数学以外に全く興味が無いがゆえに、いわゆるポアンカレ予想を解いたことによる世間の下世話なものに巻き込まれ世間から姿を消してしまった。 読んでで決して楽しい本では無いが、ペレルマンという天才がいかに...

一人の天才数学者の人生をその過程で関わった関係者へのインタビューをもとにまとめた本。数学以外に全く興味が無いがゆえに、いわゆるポアンカレ予想を解いたことによる世間の下世話なものに巻き込まれ世間から姿を消してしまった。 読んでで決して楽しい本では無いが、ペレルマンという天才がいかに天才なのかを知ることができた。

Posted byブクログ

2010/05/15

【私の評価】★★★☆☆(77点) ■1億円もの懸賞金のかかった数学の難問、  「ポアンカレ予想」を証明したペレルマンの人生です。  彼を育てた旧ソ連という不合理な国家の状況を、  同じく旧ソ連で数学教育を受けた著者が、  描き出していきます。 ■ユダヤ人だったペレルマン...

【私の評価】★★★☆☆(77点) ■1億円もの懸賞金のかかった数学の難問、  「ポアンカレ予想」を証明したペレルマンの人生です。  彼を育てた旧ソ連という不合理な国家の状況を、  同じく旧ソ連で数学教育を受けた著者が、  描き出していきます。 ■ユダヤ人だったペレルマンは、  旧ソ連では弾圧される側でしたが、  彼の才能を知る多くの人に助けられ、  数学者として成長しました。  ペレルマン自身は変わった人物で、  いつも同じ服を着て、爪を切らない、  必要なこと以外は何もしない人間だったようです。  合理的といえば合理的な人だったのでしょう。 ・当時ペレルマンはこんなふうに言っていたそうだ。  「自分は頭がいいってことを他人にわからせるために  時間を使うぐらいなら、問題を解いたほうがいいよ(p107) ■この本が面白いのは、  頭の良いユダヤ人はこうした考え方をしているんだ、  ということが、  見えてくるということです。  著者のインタビューに出てくる人も  ユダヤ人が多いからでしょうか。 ・グロモフはペレルマンをアイザック・ニュートンにたとえたが、  すぐにそれを訂正してこう言った。「いや、ニュートンはずいぶん  悪いやつだったが、ペレルマンはずっといいやつだ。(p160) ■旧ソ連の体制の劣悪さと、ユダヤ人の頭の良さが  伝わってきました。  マーシャさん、よい本をありがとうございます。 ━━━━━━━━━━━ ■この本で私が共感したところは次のとおりです。 ・結局、ペレルマンが両予想を証明したと明言できるまでには、  少なくとも四人の一流数学者が、二年あまりもの歳月をかけて、  この論文の読解に取り組まなくてはならなかった。(p216) ・(汝の道を歩め、そして人びとの語るにまかせよ)  [マルクス『資本論』序文にダンテの言葉として置かれているもの]。  (p135) ・彼は考えてみますと答えた。だが結局、彼は何もやらなかったよ。・・・  映画の『アマデウス』は見たことがあるかね?」・・・  皇帝が、みごとな作品だが完璧ではない、音符が多すぎると言う。  「音符が多すぎると仰せですか?」モーツアルトは答える。  「いったい、どの音符が余分だと思われるのでしょうか?」(p170)

Posted byブクログ

2010/05/12

「完全なる証明」は、最近証明されたポアンカレ予想についての話だ。けれど、他の本と異なっているのは、それを証明したペレルマンという人物像に焦点をあてている点だ。本書の帯にも、著者は三つの疑問への答えを見つけたいと書いている。ひらりんはその一つ、以下に非常に興味が湧いた。 ・なぜ、ペ...

「完全なる証明」は、最近証明されたポアンカレ予想についての話だ。けれど、他の本と異なっているのは、それを証明したペレルマンという人物像に焦点をあてている点だ。本書の帯にも、著者は三つの疑問への答えを見つけたいと書いている。ひらりんはその一つ、以下に非常に興味が湧いた。 ・なぜ、ペレルマンは、ポアンカレ予想の証明を達成することができたのか?つまり、その頭脳のいったいとこが、彼とこの問題に挑んだ他の数学者たちとを分けたのだろうか? 著者はペレルマン本人とは会って話をしたことがないが、関係者への緻密なインタビューによって、逆にその人物像を浮かび上がらせることに成功していると思う。この本は、他の本にないくらいペレルマン本人の性格や雰囲気を感じさせてくれる。旧ソ連の時代背景とこのペレルマン本人の描写によって前述の問いに対する解をひらりんは得ることができたと思う。

Posted byブクログ

2010/05/05

100万ドルの賞金が掛っているミレニアム懸賞問題のひとつである「ポアンカレ予想」。この難問を鮮やかに解決したロシアの数学者ペレルマンについて、著者が行った彼の周りの人に対して行ったインタビューを基に、その生い立ちや思考原理、人間性についてほぼ時系列に沿ってまとめた本です。なお数学...

100万ドルの賞金が掛っているミレニアム懸賞問題のひとつである「ポアンカレ予想」。この難問を鮮やかに解決したロシアの数学者ペレルマンについて、著者が行った彼の周りの人に対して行ったインタビューを基に、その生い立ちや思考原理、人間性についてほぼ時系列に沿ってまとめた本です。なお数学者の伝記であっても難しい数式はなく、一方の主役でもあるポアンカレ予想そのものの詳しい説明はほとんどありません。 同じく「フェルマーの最終定理」の解決を描いたサイモン・シンの『フェルマーの最終定理』も合わせて読むといいかもしれません。 ペレルマンは、数学界のノーベル賞と言われるフィールズ賞を辞退し、100万ドルの賞金も受け取るかどうかは分らず、ポアンカレ予想の解決という偉業を成したにも関わらずアカデミズムの世界から身を引くという余人には理解しがたい行動を取ったことで有名になりました。著者はここでペレルマンがそういった行動を取ったのはなぜかということに迫っていきます。そういった事情で本人に直接話を聞くことができなかったわけですが、同じくソ連のユダヤ人数学者だったという立場もあってか、周りの人間に対する充実したインタビューからペレルマンの姿がすっと浮かび上がっていく感じの本に仕上がっています。 一般に学問の世界は純粋だと思われていますが、逆に人間関係は一般の社会組織よりも難しく、ライバル間の嫉妬も露骨で激しいようです (たとえば福岡伸一氏もこの点は繰り返し指摘している)。ペレルマンは、ソ連のユダヤ人という事情による少年期からの数学界との距離感と、この世界で頭ひとつ抜きん出ていたという感覚により、そういった人間関係のしがらみからは自由であり、かつポアンカレ予想解決以降も自由であることを望んだ、というのがその後の行動の意味なのかもしれません。 数学は実験室を必要としないため、もしかしたら新しい問題に没頭しているのかもしれないですね。また、ふらっと出てきて急に驚くようなことをやってくれるのではないかと思ったりもします。 しかし、証明の検証にその道の一流の専門家が1年以上もかかってしまうというのは、最先端の数学というのは想像の域を超えていますね。 --- 翻訳者の青木薫さん、サイモン・シンの一連の著作も翻訳していますが、読みやすくていいですね。

Posted byブクログ

2010/04/12

ポアンカレ予想を証明したグリゴーリー・ペレルマンの少年時代から現在(40歳くらい)までを綴ったドキュメントです。彼は数学オリンピックで金メダルをとるのですが、とてつもない難問といわれたポアンカレ予想も数学オリンピックの問題を解くかのように解いてしまったわけです(もちろんずっと時間...

ポアンカレ予想を証明したグリゴーリー・ペレルマンの少年時代から現在(40歳くらい)までを綴ったドキュメントです。彼は数学オリンピックで金メダルをとるのですが、とてつもない難問といわれたポアンカレ予想も数学オリンピックの問題を解くかのように解いてしまったわけです(もちろんずっと時間をかけて)。本書を読めば彼がその後なぜ数学界から去ってひきこもってしまったかがなんとなく理解できるでしょう。世皆濁我独清衆人皆酔我独醒ということで、世間から見て変わった人だなと思うかもしれないが、世間の方がむしろ間違っているといったところでしょうか。

Posted byブクログ

2010/03/18

天才数学者がどのようにして生まれたのかがペレルマンと親しかった人達への膨大なインタビューから浮かび上がります。才能と環境、そして生まれた時代という3つのポイントが重要みたいです。

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2010/03/02

ペレルマン本人のインタビューなどはありませんが、非常に鋭く氏の本質を捉えているように思えます。これまでの、どこか神秘的イメージがだいぶ変わりました。 背景として描かれている、旧ソ連の学術文化に関する、記述は非常に詳細で興味深いです。

Posted byブクログ

2010/02/22

トポロジーの分野での難問であるPoincare予想を肯定的に解決したPerelmanの半生を描いた作品. 本書の特徴としてはPoincare予想について焦点をあてるのではなく,Perelman本人についての本であるということ. 本人であるPerelmanは厭世的であるため本人...

トポロジーの分野での難問であるPoincare予想を肯定的に解決したPerelmanの半生を描いた作品. 本書の特徴としてはPoincare予想について焦点をあてるのではなく,Perelman本人についての本であるということ. 本人であるPerelmanは厭世的であるため本人のインタビューはほとんどない.作者であるMasha GessenはPerelmanと同様にソ連で数学の才能を買われた男であるらしい. Perelmanが厭世家になった一つの要因として,ソ連時代の特殊な教育制度が指摘されている.この点は,他のPoincare予想やPerelmanに関する書籍よりも圧倒的なリアリティーで書かれている.それは,Gessenも同様な教育プログラムを受けたからであるが. それ以外のPerelmanの生涯における記述は陳腐であり,それほどおもしろくない. もっとPoincare予想を解くにあたり苦悩と挫折などを言及して欲しかった. Poincare予想ではなくPerelmanを焦点とした本書は,他の数学の諸問題を解説している本とは一線を画していると言えるが,それは面白いという意味ではなく,単にユニークであるという意味である. ソ連時代のイデオロギー対立における教育システムの様相は一読に値するが,別にPerelmanを題材にして読む必要はないように思われる.

Posted byブクログ