スコーレNo.4 の商品レビュー
本を読んでも内容を完璧に忘れられる特技を持っているものの、何故かずっとぼんやり内容を覚えていて、もう一回読みたいと思っているのに本の名前が思い出せない...!!とずっとモヤモヤしていたところ、同じ著者の羊と鋼の森を読んだことで思い出し、めでたく再読。 中途半端、平凡ということ...
本を読んでも内容を完璧に忘れられる特技を持っているものの、何故かずっとぼんやり内容を覚えていて、もう一回読みたいと思っているのに本の名前が思い出せない...!!とずっとモヤモヤしていたところ、同じ著者の羊と鋼の森を読んだことで思い出し、めでたく再読。 中途半端、平凡ということにコンプレックスを持っている3姉妹の長女が成長する話。 心の動きの表現、特に恋に落ちた時の表現が絶妙で、恋愛っていいなって思える。 愛は対象ではなく技術の問題、とフロムは言ったように、自分の心の持ち方で見える世界が変わるのだよな、ということを擬似体験できる。 (といいながら最終的にくっつく相手の男の人はかっこよすぎる。ただ、そんな相手を見つけることができて、きちんと向き合えるためには相応の心の状態が必要、という観点では、やはり技術なのかもしれない。) 好き、という度合いや愛し方を他人と比べるのでなく、純粋に自分が好きなものを、怖がらずにつきつめていくこと。 そして自信を持つこと。 大事なのは、自分の人生が好きかどうか。 コンプレックスといいながら、冷静に考えて主人公は十分すごい人なんじゃ...そしてやはりフィクションだから最後上手く纏まりすぎでしょ...というツッコミは脇に置いておけるなら、前向きになりたい時におすすめな一冊。 ちなみに私は羊と鋼〜よりこっちの方が説教くさくなくて好き。(最初に読んで思い入れがあるのがこっち、ということもあるのかもしれない。)
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母が先に読んでいて、「主人公とあなた、似ている」と言われた。 たしかに麻子と私は似ていると思う。自分の容姿にも、能力にも自信がないところ。他人と比べてしまって勝手に落ち込んでしまうところ。 自分は周りからこんな風に見えてるんだなというのが嫌なほど分かって、辛かったし、自分は麻子の...
母が先に読んでいて、「主人公とあなた、似ている」と言われた。 たしかに麻子と私は似ていると思う。自分の容姿にも、能力にも自信がないところ。他人と比べてしまって勝手に落ち込んでしまうところ。 自分は周りからこんな風に見えてるんだなというのが嫌なほど分かって、辛かったし、自分は麻子のようにまだ何も掴めていないという現実が辛い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
時々読みたくなる宮下さん。同じところをぐるぐる回ってる様で、少しずつ変わっていく…それに気付けた麻子。よかった!読後は爽やかで、嬉しい気持ちいっぱいになる。わかる、わからないじゃなくて好きかどうか。好きなものに敏感でいたいな〜(^-^)特にハンサムではない茅野さん、停電でさらっとピアノ弾けちゃうなんてイケメン過ぎ!
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中学生から大人になるまでの女の子のモノローグ。僕はこういうのが苦手だ。さらに主人公の麻子には終始イライラさせられた。こういう女の子も苦手だ。ようやく最後にちょっとだけ良くなった。
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宮下奈都の文章が好きだなと思う。 空気の澄んだ場所で、背筋をしゃんと伸ばして、立ち止まっても遠回りしても、それでも前に進めって言ってくれるような文章。 自分にも輝ける場所がちゃんとあるのかな、それを見つけて引き出してくれる人たちや、ちゃんと見ていて愛してくれる人たちが、きっといる...
宮下奈都の文章が好きだなと思う。 空気の澄んだ場所で、背筋をしゃんと伸ばして、立ち止まっても遠回りしても、それでも前に進めって言ってくれるような文章。 自分にも輝ける場所がちゃんとあるのかな、それを見つけて引き出してくれる人たちや、ちゃんと見ていて愛してくれる人たちが、きっといるのかな。そんな風に思える作品。 登場人物の携えている空気感を描くのが本当に上手な作家さんだなあと思います。。 毎回宮下奈都の描く男性に恋してしまう。
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ごく普通の女の子の成長過程を綴った話から後半の恋愛と仕事の結末までの話。ハッピーエンドでめでたしめでたし。成人した妹七葉がどうなったのか少し気になる。
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自分に自信がないけれど。 それでも生きがいを見つけて、少しづつ自信をつけていく。 私なんて… という言葉が多かったけれど、そんな言葉はいつしか周りから否定されるようになる。自信もって大丈夫だよ、と。 内面から美しくなっているパターンですね。そうした場合、往々にして外見も美しくなっ...
自分に自信がないけれど。 それでも生きがいを見つけて、少しづつ自信をつけていく。 私なんて… という言葉が多かったけれど、そんな言葉はいつしか周りから否定されるようになる。自信もって大丈夫だよ、と。 内面から美しくなっているパターンですね。そうした場合、往々にして外見も美しくなっていると思うけれど。 骨董屋さんのことを言ってないよな~。いつ言うんだろう。びっくりするだろうなあ。そんな偶然も楽しい、元気の出る本です。 ーーー ところで、学年の切れ目は4月2日生まれからですね。
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数か月前のこと。著者の本どれにしようと書店で見てたら、この装丁(女性が斜め上を見上げている、と、黄緑色の著者名タイトルの文字)が眩しく、真新しい本を手に取って買った。すぐに読んではもったいないからと、しばらく引き出しに寝かせておいた。 麻子はとてもかわいい女の子(目が大きくて色が...
数か月前のこと。著者の本どれにしようと書店で見てたら、この装丁(女性が斜め上を見上げている、と、黄緑色の著者名タイトルの文字)が眩しく、真新しい本を手に取って買った。すぐに読んではもったいないからと、しばらく引き出しに寝かせておいた。 麻子はとてもかわいい女の子(目が大きくて色が白くて、と自分でも言っている)、人の気持ちが痛いほどわかり、賢くて真っすぐでとても魅力的。なのに愛くるしくて可愛くて要領よくて世渡り上手な年子の妹、七葉に引け目を感じていた。七葉は七葉で思うことはあるだろうに。もしかしたら姉のことを羨むことも。 No.1の、初恋のところは甘酸っぱいレモンの味。その子と言葉を交わしたわけでないのに、初めて見た瞬間、全ての景色がその子一色になる感じ。そういうこと、過去にあった私にも。 No.2の愼への気持ちのところは、わかるような微妙な。 「愼ちゃんは家族のようなもの」従兄だからだが。 ペンダントの話にはドキドキしたし。七葉が突然絡んできて、突飛押もない七葉には読んでいるこちらもハラハラした。七葉というのは得な性分だな…。姉の麻子が大事にあたためてあたためて取っておいたものでも、一瞬に持ち去ってゆくんだから。欲しいものは欲しい、と言える、そういうの羨ましい。私も麻子側だから。 No.3のお仕事の場面では、紆余曲折あるわけだが、成長の糧となった。麻子のような店員さんに見立ててもらい高級な靴私も履いてみたい(笑)。 幾つかの恋愛もあったが(どの恋も寂しかったと言っていたが)最後には、降ってわいたように茅野(この字がなかなか読めなくて)さんと出会った。 初めは何の印象も無かった人が、徐々にかけがえのない存在になってゆく。その恋愛のプロセス、微妙な心の動きの描写が心に染み入る文章で釘付けになる。 茅野さんは私を見て、にこにこっと笑った。私を見つけただけでこんなふうに笑ってくれる人がいる。それはもしかしたらすごくしあわせなことなんじゃないだろうか。 (沢山好きな描写はあったが、思い出すのはやっぱここ ) 読んでよかった。若いとき読んでいても、とっても感動しただろう。しかし、年齢行った今だから、自分と照らし合わせて、ああ、自分のしてきたこと全てが今の自分だと思えた。 笑ったこと、泣いたこと、理不尽で屈辱的だったこと、家族で手をつないで歩いた日、息子が少しだけ荒れたあの時(笑)とか。 自分が考えてなかった未来だったとしても、その中にはきっとしあわせがかくれている。
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【いちぶん】 どうしても忘れられないもの、拘ってしまうもの、深く愛してしまうもの。そういうものこそが扉になる。 (p.310) 再読
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家族、恋愛、仕事、結婚、年齢を重ねるなかで誰もが向き合ったことのある問題。 そこに向き合い思い悩む麻子の心理描写がとても丁寧で、1つ1つの言葉や文章が心にスッと入ってきた。 中学生の頃の恋を自覚したばかりの「くねくね発言」には笑ってしまいました。 ファッションにも仕事である靴のこ...
家族、恋愛、仕事、結婚、年齢を重ねるなかで誰もが向き合ったことのある問題。 そこに向き合い思い悩む麻子の心理描写がとても丁寧で、1つ1つの言葉や文章が心にスッと入ってきた。 中学生の頃の恋を自覚したばかりの「くねくね発言」には笑ってしまいました。 ファッションにも仕事である靴のことにも特別興味のない麻子が、靴のことを知り、次第に夢中になっていく様子が微笑ましい。
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