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スコーレNo.4 の商品レビュー

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284件のお客様レビュー

  1. 5つ

    74

  2. 4つ

    122

  3. 3つ

    60

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2016/08/22

主人公・麻子の中学から社会人までの時間という縦軸と、妹たち、両親、祖父母という家族や、古道具屋、学校、恋人、友人、職場といった環境の横軸が、見事なまでに美しい文章で綴られた長編連作。 特に第三章で本意でない職場に配属された後、苦しみもがきながら何かをつかんでいく姿に、自分の20代...

主人公・麻子の中学から社会人までの時間という縦軸と、妹たち、両親、祖父母という家族や、古道具屋、学校、恋人、友人、職場といった環境の横軸が、見事なまでに美しい文章で綴られた長編連作。 特に第三章で本意でない職場に配属された後、苦しみもがきながら何かをつかんでいく姿に、自分の20代が鮮やかに蘇る。全く関係ない物語なのに、過去と現在と未来を繋いでくれた。

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2016/07/31

2016.7読了。私にも妹がいますが、私の名前は○子、妹の名前はのぞみ(例えです。実際は違う)のような今でもかわいいと言われる名前。性格も妹の方が明るく、親戚受けも良かったので、麻子の気持ちわかるな〜と。同じ人を好きになったことはないけど、そうなったら妹の方が積極的になるだろう ...

2016.7読了。私にも妹がいますが、私の名前は○子、妹の名前はのぞみ(例えです。実際は違う)のような今でもかわいいと言われる名前。性格も妹の方が明るく、親戚受けも良かったので、麻子の気持ちわかるな〜と。同じ人を好きになったことはないけど、そうなったら妹の方が積極的になるだろう 笑。そのへんは自分と照らし合わせてました。 NO3.4の社会人になった話からはとても面白かった。子供の頃から目利きできる環境にいたことが役立ったんですね。茅野さんのような穏やかな人と会えたのも良かった。あと、この本を読んでからたまにレディマドンナが頭の中で流れます 笑

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2016/07/29

 女性の成長のきっかけを丹念に描いた小説である。細かな心理描写はそれだけで叙情性を感じるものであり、読んでいて清々しい。  どこかにコンプレックスを抱える主人公が、さまざまな出会いを通して少しずつ自分を変えていく。たいへん穏やかな変化であり、劇的な展開はない。誰にもありそうな経験...

 女性の成長のきっかけを丹念に描いた小説である。細かな心理描写はそれだけで叙情性を感じるものであり、読んでいて清々しい。  どこかにコンプレックスを抱える主人公が、さまざまな出会いを通して少しずつ自分を変えていく。たいへん穏やかな変化であり、劇的な展開はない。誰にもありそうな経験を描きながら、決して陳腐ではない表現が上手である。  女として生きることができない私としては、何故か羨望を感じてしまう内容であった。

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2018/02/27

古道具店を営む家庭に生まれ育った三人姉妹の長女・麻子の、中学生時代、高校生時代、大学〜新社会人時代、社会人3年目を、4つの物語で描いた作品。 家族、姉妹、友人、恋愛、仕事、結婚など、誰もがぶつかる出会いを重ねて、「ただ平凡なだけ」と自己評価していた麻子が、戸惑いながらもゆっくり...

古道具店を営む家庭に生まれ育った三人姉妹の長女・麻子の、中学生時代、高校生時代、大学〜新社会人時代、社会人3年目を、4つの物語で描いた作品。 家族、姉妹、友人、恋愛、仕事、結婚など、誰もがぶつかる出会いを重ねて、「ただ平凡なだけ」と自己評価していた麻子が、戸惑いながらもゆっくりと成長し、個性豊かな自立した女性として花ひらいていく。 そのゆっくり具合がまた、もどかしくて、懐かしくて。爽やかだけれど鮮烈というのは違う、ほんのり甘くて少し苦くて、すうっと微炭酸のような味だと感じた。 解説で、『スコーレ』とは『スクール』の語源と教えられ、なるほど納得。 “運命が用意してくれた大切なレッスン”ですね♪ 麻子の“教師”は大勢いた中で、強烈なのは祖母。 『基本は三色だよ。それ以上の色を使わないのが品というものなの』 ふむふむ。シックねぇ。 『女の子の喧嘩はね、怒鳴ったり、叫んだりした方が負けです』 ややや、よく怒鳴られたり早口でまくしたてられたりして、負けてる気がするけど、あっちの負けなの? 一番、今の自分に染み込ませたい教えは、『朝目が覚めたときに飲みたいお茶が決まっているとその日はいい日になる』 そ、そうか…そうかも。 自分の中に、自分の求めているものが、いつもクリアに見えていること、ってことか。 お腹がすいているのに、もう何を食べたいのか、身体か何を求めているかすらわからない時がある今日この頃。 ということは、感性か何かが、すっかり鈍磨しちゃったのか…? 忙しいは、心を亡くすこと。 慌しいは、心が荒れること。 どちらも嫌だ。 今この瞬間は、仕事を片付けて、泡の出るオチャケが飲みたい… おっ、求めてるもの、わかってるわ。めでたし。

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2016/06/20

最初は読み進めるのが難しかったが、どんどん面白くなってきました。 文章がきれいで女性の気持ちがよくあらわれているので宮下さんの作品が好きです。

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2016/06/10

スコーレはギリシャ語でschoolの語源だそうだ。 少女が、学校、家族、仕事(靴屋、貿易会社)を通じて悩みながら成長する過程を切なく書いている。 この作者の作品を初めて読んだが、文章表現が歌うように匂うように美しいのがいい。ストーリーや構成というより、文章そのものがいい。その文...

スコーレはギリシャ語でschoolの語源だそうだ。 少女が、学校、家族、仕事(靴屋、貿易会社)を通じて悩みながら成長する過程を切なく書いている。 この作者の作品を初めて読んだが、文章表現が歌うように匂うように美しいのがいい。ストーリーや構成というより、文章そのものがいい。その文章で心の内をしっかり描くのがいい。 学生や社会人になって悩んでいる若い女性向けの作品だと思うが、おじさんも切なくなりながら読み、最後はほっこり暖かくなって終えた。

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2016/05/15

少女から大人へ進んで行く女性のそれぞれの時代。 靴に目覚める描写が読んでいて気持ちよかった。 最後はあまりにできすぎている気もするけど、案外そういったことはあるのかもしれない。 こういったものが作品として成り立つ(商品になる)のは、それだけ小説を読む人々の懐が深いからだろうか。

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2016/04/30

少女から女性へ 学生から社会へ 家族から自立に向かって 殆どの人が通るであろう節目や日常から生まれる、悩みや疑問、不安、発見。 そんな共感が必ずひとつはあるんじゃないかなぁ。 私は特にNo.3に共感しました。

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2016/04/11

静かな感動をありがとうございます。奈都さんの文章好きです。ただ好き、という素直な気持ちをだいじにしたい。

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2016/03/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

骨董屋の長女、麻子の成長物語。中学、高校、大学、社会人…と大人へのステップを踏んでいく。もう少し妹、七葉との絡みが描かれるのかと思ったら、途中で一人暮らしが始まっちゃったりして、謳い文句ほどには交流やぶつかり合いなどがなかったのが意外。いや、ぶつからないために外にでていったのかもしれないけど。 冒頭で思ったのは、なんて丁寧に日々を過ごす家族なんだろうか…ということ。素敵な「もの」に囲まれた商売をしているせいか。おばあちゃんのポリシーも強い。古い家をきちんと雑巾がけして、磨きこんで大切に住まう。朝、ほうじ茶を飲む。お父さんは七輪でパンを焼く…。娘たちもお父さんの店の道具たちに囲まれて、いつの間にか物を見る目やセンスが養われていく。 家族と離れたい…という思いのもとに、一人暮らしを始め、不器用な新米社会人生活や、あまり幸せそうではない恋愛を経ていく中で、それでも生真面目に積み重ねてきた生き方が、やがて花開いていく。No3の話は、読んでいるこちらも目の前がぱっと明るくなるような爽快感がある。 そしてNo.4。なんといっても茅野さんが素敵だ。茅野さんとの距離が一気に縮まっていくくだりは、何度読んでもいい。心が明るくなる。

Posted byブクログ