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スコーレNo.4 の商品レビュー

4

284件のお客様レビュー

  1. 5つ

    74

  2. 4つ

    122

  3. 3つ

    60

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2021/08/23

主人公麻子の成長記。中学から始まって結婚(予定?)までの物語。なにか大きな事件が起こったり、謎が謎をよんだり、ヒーローがヒロインを救ったりは全くない。その時その時の日常を描いている。

Posted byブクログ

2018/02/18

平易でありながら、とても味わい深い文章だった。 審美眼を持った、感受性の高い女性はこんな感じ方をするのかなぁ。妻含めて、女性の考え方ってこうなんだね、と理解しやすい面もあるも、とはいえ、当方男性40歳としては、深く感情移入するには至らなかったかな。

Posted byブクログ

2018/02/16

少女の心は揺れ動く。うちの娘っ子もいつしかこんな経験を重ねていくのかしら。今から気が気でない。それでも朝目覚めた時に飲みたいものが決まっていたり、水色の服を可愛く着こなしたりと、「いい1日」を重ねて行って欲しいもんだ。ゆっくりと。お気に入りの靴を履きながら。

Posted byブクログ

2018/01/26

一人の女性の、幼少期から20代中盤までの人生を4つに区切って綴られた物語。 主人公は麻子。1つ下の妹・七葉の顔や中身をずっと羨み、ほのかなにコンプレックスを抱き続ける。 学生生活や恋愛や仕事を通して成長していく麻子の心の変化が丁寧に描かれている。 8個年上の愼ちゃんへの恋心、社会...

一人の女性の、幼少期から20代中盤までの人生を4つに区切って綴られた物語。 主人公は麻子。1つ下の妹・七葉の顔や中身をずっと羨み、ほのかなにコンプレックスを抱き続ける。 学生生活や恋愛や仕事を通して成長していく麻子の心の変化が丁寧に描かれている。 8個年上の愼ちゃんへの恋心、社会人になって出向先で勤めることになった靴屋での葛藤や麻子のアイデアが反映されて仕事に喜びを見いだしていく様子、 先輩の茅野さんの海外出張中のレストランでの突然のピアノ演奏シーンが良かったかな。あと、実家の古道具店を思い出すときの麻子の心の描写とか。 特にクライマックスはなく、淡々と進んでいく。しかしこの作家の小説はもう少し読んでみたいと思った。 本屋大賞受賞作の「羊と鋼の森」は図書館にリクエスト中。私の今熱中している趣味であるピアノがテーマみたい。楽しみだ!

Posted byブクログ

2018/01/17

宮下奈都さん2作品目。 最近新しい作家さんに手を出す余裕がなくて、今まで出会った作家さんの新刊で満足してた。 ああ、これだけ読んできても、こんなに素敵な作家さんと出会えるんだ、と、とても高揚している。 話題になったからといっても、全作家さんと相性が合うわけではない。 出会う...

宮下奈都さん2作品目。 最近新しい作家さんに手を出す余裕がなくて、今まで出会った作家さんの新刊で満足してた。 ああ、これだけ読んできても、こんなに素敵な作家さんと出会えるんだ、と、とても高揚している。 話題になったからといっても、全作家さんと相性が合うわけではない。 出会うべくして出会ったな〜幸せだ〜

Posted byブクログ

2018/01/17

とてもよかった。 自分に自信のない主人公が、仕事や周りの人たちを通じて成長していく。 もっと若いうちに読みたかったなーと思った、最高の一冊。娘が就職する頃に勧めてあげたい。

Posted byブクログ

2017/12/21

 骨董品店「マルツ商会」を営む家の3姉妹の長女、津川麻子。いつも自由奔放な妹七葉と自分を比べてしまい、自信が持てず、彼女は自分を平凡だと思ってきた。中学生から社会人になる中で、初恋をし、挫折し、仕事で悩み苦しみ、そして新しい自分を見つけていく。少女麻子はひとつひとつ大切なことを経...

 骨董品店「マルツ商会」を営む家の3姉妹の長女、津川麻子。いつも自由奔放な妹七葉と自分を比べてしまい、自信が持てず、彼女は自分を平凡だと思ってきた。中学生から社会人になる中で、初恋をし、挫折し、仕事で悩み苦しみ、そして新しい自分を見つけていく。少女麻子はひとつひとつ大切なことを経験し、教えられ、気付き、大人の女性へと成長していく。  後に『羊と鋼の森』で本屋大賞を受賞した宮下奈都による、4つのスコーレ(学校)を通して少女が女性へと成長する過程を描いた小説。  大きな事件は起こらない。ハラハラドキドキもさせられない。描かれているのは誰にでも起こり得る、いわば日常であり平凡である。それなのに、もっとこの本を読んでいたいと思ってしまった。少しずつ、じわじわと胸を温めてくれる、優しくて切なくて美しい物語なのだ。  これはひとえに宮下奈都さんの筆力と人柄によるものだと思う。『羊と鋼の森』や『神たちの遊ぶ庭』を読んでも感じたが、自身の持つ雰囲気がこれほどまで作品に反映される作家さんは珍しいのではないか。しかもその反映がストーリーや描写だけではなく、宮下さんの場合、「行間」にこそ、つまり「書いていないこと」にこそそれがより表れているように感じる。というのも、押しつけがましくないのだ。本作の中でも、麻子が気付き得たことはささやかなことであり、主眼はそれを教えてくれたプロセスにある。麻子が得たことも書かれてはあるが、追体験している読者もそこから何かを掬い取る余地がきちんと残されている。学び得たものも一つや二つではなく、細かなことが少しずつ深まっていくように描かれる。私たち読者が現実の人生で歩んできた道がそうであったように。  解説によると「スコーレ」とはスクールの語源となったギリシャ語で、「真理探究のための空間的場所」を意味する言葉らしい。  No.1では「家庭」、No.2では「従兄・愼との二人の空間」、No.3では就職「出向先の靴屋」、No.4では「本社での勤務」が、それぞれ麻子を成長させてくれる空間的場所にあたるか。麻子は家族愛で心を育み、恋愛で姉妹間に溝が生まれ外の世界を希求し、うまくいかない仕事に自分自身を見つめ直して社会的自己を確立し、そして異性への愛を知り家族の元へと戻ってくる。愛に始まり愛に帰る。その間、麻子はずっと自分自身と向き合い続けてきた。  人が成長するのは、自分の欠点や弱さを受け入れざる負えない状況に立たされたときなのかもしれない。自分を知ることで、他者への理解も深まる。  苦境に立たされたとき、手に取りたい小説だ。今いる場所が自分にとってのスコーレであるなら、人生悪いもんじゃない、そう優しく思わせてくれる貴重な出合いだった。

Posted byブクログ

2017/12/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一人の女性の、大人になるまでの4つの時期を見ていく成長の物語。 とにかく宮下さんの文章に共感した。 中学時代の苦痛を、嘘だらけで息を吸っても肺の底まで酸素が届かない感じと表現したり、高校時代の何事も深入りしない上っ面な感じ、大学時代を温室と比喩する所等、静かな文章の中で何度もハッとさせられた。 常に一つ下の妹と自分を比べて卑下してしまい、引け目を感じる麻子だったが、様々な段階を経て自分に自信を持ち気持ちにも余裕が生まれ、やがて好きな道を辿るようになる。 悩みながらも、あちこち遠回りする事は決して無駄ではない!

Posted byブクログ

2017/12/11

骨董品を扱うお店の3姉妹の長女の成長を描いた作品。とっても平凡な麻子が非凡な才能を開花させる就職後の処が特に好き。ゆっくりとゆっくりと自分を理解して行く様がなんとも輝かしくて逞しい。自分を受け入れられる事によって見えてくる可能性。過小評価は勿体なくて失礼。 宮下さんの文章は相変わ...

骨董品を扱うお店の3姉妹の長女の成長を描いた作品。とっても平凡な麻子が非凡な才能を開花させる就職後の処が特に好き。ゆっくりとゆっくりと自分を理解して行く様がなんとも輝かしくて逞しい。自分を受け入れられる事によって見えてくる可能性。過小評価は勿体なくて失礼。 宮下さんの文章は相変わらず優しくて温かい。 心にじんわり染みわたる。

Posted byブクログ

2017/12/07

スコーレとは精神活動や自己充実にあてることのできる積極的な意味をもった時間、また、個人が自由または主体的に使うことをゆるされた時間のことだそうだ。 透明感のあるしっとりとした文体が素敵。

Posted byブクログ