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スコーレNo.4 の商品レビュー

4

284件のお客様レビュー

  1. 5つ

    74

  2. 4つ

    122

  3. 3つ

    60

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2018/08/07

骨董屋の三人姉妹の次女津川麻子が、中学、高校、大学、就職を経て、少女から女性へ成長していく姿を描く。 仕事への取り組みを通じて、彼女自身が、仕事に、そして自分に誇りを持ち、成長していく過程が、暖かく描いてある。どれを読んでも、宮下奈都さんの世界は、暖かく大好きです。

Posted byブクログ

2018/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでいて心がスッと落ち着くストーリーと文章でした。 何年か前のセンター試験で出題されていたのをたまたま新聞で読んだのが、この本を知るきっかけでした。 出題で使われていたのは、序盤の、七葉が皿を雨に濡らすシーンだったと思うのですが、その文章の美しさに惹きつけられて、ずっと読みたいと思い続けていました。皿が笑うという表現がすごく好きです。文章を目で追いながら、かび臭く湿った空気の中で、雨に濡れてふわっと艶やかな模様を浮き立たせる皿の様子が、それに魅せられる七葉と麻子の上気した頰が、見えるようでした。 やっと手元に置いてじっくりと読むことができて、感無量です。

Posted byブクログ

2018/06/05

宮下 奈都 著 以前、初めて 宮下 奈都さんの「羊と鋼の森」作品を読んで とても心地よい作品だったので、奈都さんの他の作品も読んでみたくなり 遅まきながら 「スコーレ No.4」を熟読しました いやぁ〜本当に何というか 清々しいほど 優しくて…何だろう 家族や恋愛や仕事の事を淡々...

宮下 奈都 著 以前、初めて 宮下 奈都さんの「羊と鋼の森」作品を読んで とても心地よい作品だったので、奈都さんの他の作品も読んでみたくなり 遅まきながら 「スコーレ No.4」を熟読しました いやぁ〜本当に何というか 清々しいほど 優しくて…何だろう 家族や恋愛や仕事の事を淡々と描いているのに、とても懐かしい感覚と凛としてるところは少し 勇気をもらったような気さえする。 家や家族 恋愛のこと、仕事の内容など 置かれた環境や立場 景色は自分のとは違うのに 描いている背景が自分のもののように見えて 麻子(主人公)の気持ちが伝わってくる 。 真面目で繊細で頑な 色々なアンバランスな思い 性質の中でバランスをとる形が 見事に描かれていて…すっと本の世界に入っていけた。 「どうしても忘れられないもの、拘ってしまうもの、深く愛してしまうもの。そういうものこそが扉になる。 広く浅くでは見つけられなかったものを、捕まえることができる。 いいことも、悪いことも、涙が出そうなくらいうれしいことも、切ないことも、扉の向こうの深いところでつながっている。」 きっと 一人一人がいつも自分の人生の一部を生きている この私でも これでもいいんだ!って思わせてくれる素敵な作品でした。

Posted byブクログ

2018/06/02

私のような、おっさんが読む本ではないことは間違いない。 が、宮下奈都作品に触れてしまった後では避けられない一冊。 たしか、北上次郎(信頼してます)の書評でも、「若い女性読者に、ぜひこの長編をすすめたいと思う」とあったが同感。でも、娘たちにはなかなか紹介できないかな。 やはり、ト...

私のような、おっさんが読む本ではないことは間違いない。 が、宮下奈都作品に触れてしまった後では避けられない一冊。 たしか、北上次郎(信頼してます)の書評でも、「若い女性読者に、ぜひこの長編をすすめたいと思う」とあったが同感。でも、娘たちにはなかなか紹介できないかな。 やはり、トーク会でも著者がおっしゃっていましたが、光のあまり当たらない、それでいて、しっかり生きて成長していく姿を書き続けたい、という姿勢が良く見える作品。好きです。

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2018/05/19

宮下奈都さんの文章は優しくて、読んでいるだけで安心する。自分に自信がなく、いつも妹と自分を比べてしまっていた麻子。そんな麻子が短編を通じて中学生、高校生、大学生、社会人へと成長していく。「たったひとつの扉からいろいろなものが取り出せることを私は知っていた。どうしても忘れられないも...

宮下奈都さんの文章は優しくて、読んでいるだけで安心する。自分に自信がなく、いつも妹と自分を比べてしまっていた麻子。そんな麻子が短編を通じて中学生、高校生、大学生、社会人へと成長していく。「たったひとつの扉からいろいろなものが取り出せることを私は知っていた。どうしても忘れられないもの、拘ってしまうもの、深く愛してしまうもの、そういうものこそが扉になる。広く浅くでは見つけられなかったものを、捕まえることができる」骨董屋の娘、という設定も好き。

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2018/05/12

少女が大人の女性になるまでの小説・・・と書くと誤解を受けそうだけど。 家族との距離感、同性の姉妹との関係、自分の将来への思い、恋、自分の無力さを感じながら、がむしゃらにくらえつこうとする瞬間・・・、そういったものをとても丁寧に描かれています。 しかも、1冊のアルバムにはられた...

少女が大人の女性になるまでの小説・・・と書くと誤解を受けそうだけど。 家族との距離感、同性の姉妹との関係、自分の将来への思い、恋、自分の無力さを感じながら、がむしゃらにくらえつこうとする瞬間・・・、そういったものをとても丁寧に描かれています。 しかも、1冊のアルバムにはられた写真の中からそれぞれの時期を象徴するとびっきりの4枚を選び出して、そこに映し出されるものをいとおしむように描かれています。 写真と写真の間に何があったのかはほとんど描かれておらず、ぱっと場面が飛ぶようなとこもあるのですが、それがかえって面白いと感じさせます。 誰にもこんなアルバムがあるならば、それぞれ、どの写真を選ぶのか、いろんな人に尋ねてみたいとちょっと思いました。

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2018/05/07

読了後にまず思ったのは、内容と表紙の絵がシンクロしています。見上げた女性の顔にある心の葛藤が、見事に絵で表現されていました。 本を閉じた後、彼女の笑顔がどんなになっているのかなって思うだけでこの本を手に取って良かったなとしみじみ思います。 物語に特別なアクションがある訳ではありま...

読了後にまず思ったのは、内容と表紙の絵がシンクロしています。見上げた女性の顔にある心の葛藤が、見事に絵で表現されていました。 本を閉じた後、彼女の笑顔がどんなになっているのかなって思うだけでこの本を手に取って良かったなとしみじみ思います。 物語に特別なアクションがある訳ではありません。本当にどこにでもいそうな、才色ある妹に対する葛藤をもった姉が成長していく過程を丁寧に綴っています。 その普通の描写に、作者独自の独特な文章の言い回しを駆使しています。これがもの凄く上手です。 私は男性読者ですが、覗いても見ることの出来ない、女性の心中を的確に文章で表現しているので、すごく参考になりました。つまり、男性が読んでも文句なしに面白い本なのだということです。 内容はどうあっても、この作家の表現する文章と純粋に出会いたいがために、次の作品も見たくなると思いました。

Posted byブクログ

2018/04/12

再読 No.1からNo.4まで麻子が成長していく過程を好きという言葉をキーワードに紡いでいく.好きなものが人であれ物であれ惹かれていくことの様子も変化しているのが素敵だ.それにしても,茅野さん,出来過ぎじゃない.

Posted byブクログ

2018/03/13

簡単に言えば、自分は平凡だ思っている自信のない女の子の成長物語だけれど、 ずっとさらさらと風が吹いていたような読後感。 骨董屋も映画館も学校も靴屋もイタリアも彼の部屋も、 そこにそこだけの吹く風が通り抜けて、読む者の頬が撫でられていた感じ。よかった。

Posted byブクログ

2020/10/26

自分は平凡だと思っている少女が、社会人になり大切なものに気づきながら成長していく様子を、味わい深い文章で描いている。登場人物やストーリーも味わい深い。

Posted byブクログ