ソウル・コレクター の商品レビュー
リンカーン・ライムシリーズの8作目 四肢麻痺の科学捜査顧問リンカーンの元へ10年間連絡不通の従兄弟が殺人犯として逮捕されたと連絡が入る。匿名の目撃通報、物的証拠すべてが従兄弟の犯罪を裏付ける。が従兄弟は無実を主張する。捜査を進めるうち匿名の目撃通報・揃いすぎる物的証拠・容疑者の...
リンカーン・ライムシリーズの8作目 四肢麻痺の科学捜査顧問リンカーンの元へ10年間連絡不通の従兄弟が殺人犯として逮捕されたと連絡が入る。匿名の目撃通報、物的証拠すべてが従兄弟の犯罪を裏付ける。が従兄弟は無実を主張する。捜査を進めるうち匿名の目撃通報・揃いすぎる物的証拠・容疑者の無実主張など同様の事件が見つかる。 真犯人は容疑者、被害者の生活のすべてを知り尽くしている。 リンカーンは真犯人がダイレクトメール、カードでの支払い、家族構成、宗教、財産、通話記録すべての個人情報をデーターとして収集する大手企業から犯人に仕立て上げる人物を物色していると考えた。 真犯人の情報収集・コレクター癖・強迫性障害。 他人の過去の情報を改ざんし、人生を一変させてしまう真犯人はその企業の社員なのか顧客なのか、はたまた・・・ 邦題はソウル・コレクター 原題はThe Broken Window 割れ窓という社会哲学の概念。治安の良くない公営団地、警備を強化しても犯罪発生率は下がらない。が、割れた窓を直し、外壁のペンキを塗り替え廊下を掃除することによりそこの住民の意識が変化し、地域に誇りを持ち始め要注意人物を見かけると通報するようになる。 シリーズ7作目「ウォッチメイカー」の犯人が別件で出てくるが、リンカーンとの真っ向勝負は次回へ持ち越された。 窓の外のハヤブサがヒナを孵す サックスの愛車 カマロが1m×1.2mに
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2009年10月発行のリンカーン・ライムのシリーズ8作目の新作。 国際的な殺し屋の足跡を追うリンカーンのもとへ、従兄弟が殺人罪で逮捕されたという知らせが。 同い年のアーサーは、子供の頃は親しかったのがいつしか疎遠になっていた関係。 こまかい物的証拠が妙に揃いすぎていて、匿名の通報...
2009年10月発行のリンカーン・ライムのシリーズ8作目の新作。 国際的な殺し屋の足跡を追うリンカーンのもとへ、従兄弟が殺人罪で逮捕されたという知らせが。 同い年のアーサーは、子供の頃は親しかったのがいつしか疎遠になっていた関係。 こまかい物的証拠が妙に揃いすぎていて、匿名の通報があり、他に確かな証拠はない。 陥れられたのではと疑うライムが動き出す。 類似の事件がないかとすばやい推理を働かせ、データを駆使する犯人と追いつ追われつの展開が面白い。 膨大なデータを集めている会社SSDの存在が現代的。 窓から撮影されることも畏れて、小さな窓しかないビルの中、厳重な管理下にあるはずだったのだが…? すべての情報が誰かに知られている、そしてそれを知りうる専門家がデータを改ざんする側に回ったら…?という恐怖。 捜査の過程で、情報操作で人生を破壊されて異常に疑心暗鬼になっている元整形外科医も登場。 常習犯罪者と一緒に収監されているエリート白人というアーサーの立場も怖い。 前の作品にも出ていた少女パムも高校生になって恋をしているので、どんな相手かとアメリアを心配させます。 学生時代の恋人とのいきさつや叔父や従兄弟との関係など、これまでほとんどわからなかったライムの育ちもかいま見え、アメリアとの仲もちょっと進展、とファンには楽しめる展開。 何度も犯人と接近遭遇しかけるアメリアはもう少し用心したらと言いたくなるが、これでないと読むスリルがない? お約束のどんでん返しに大立ち回りも適度に。 あ~面白かった!
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自分自身について、 自分以上にたくさんの人たちが知らぬ間に知っていて、 悪意をもった何者かによって 自分の人生がのっとられていく・・・ あとに残されるのは、 自分が生きた覚えのない人生の残骸と、 犯したことのない罪と罰・・・ ジェフリー・ディーヴァーの リンカーン・ライム シ...
自分自身について、 自分以上にたくさんの人たちが知らぬ間に知っていて、 悪意をもった何者かによって 自分の人生がのっとられていく・・・ あとに残されるのは、 自分が生きた覚えのない人生の残骸と、 犯したことのない罪と罰・・・ ジェフリー・ディーヴァーの リンカーン・ライム シリーズの最新作ソウルコレクター なんとも背筋がゾクっとなるような、 それでいて本当に何処かで起きていそうで怖いストーリーだった。 比較的無知なまま情報化社会に漂っているらしい自分としては、 個人情報とプライバシーに関わる諸々が、 ここまで深刻な問題を孕んでいるものなのだとちょっと実感。 原題は「The Broken Window」なんだけど、 ディーヴァー自身が日本向けにと候補に挙げたのだという 「ソウルコレクター」というタイトルも、 いつのまにかまるで魂を抜き取られるかのように 意に反して自身の個を失いながら現実が崩壊していくような 得体の知れない不安も助長していてこれもなかなかいいかもしれない。
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情報操作の恐さ。インターネットなどに個人情報を入力するのを躊躇いそうになる。 あーこいつあやしーと思っていると、まんまと 引っかかる。
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今朝、(2010.03.25)新聞で国民総ナンバー制度(名前は違ったけど)が導入されるかもって記事を読みました。 怖くなってしまいました。
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今回あんまりどんでん返しがなかった。こっちが慣れたのかなあ。SSDは、本当に存在している企業のようだ。こうなると、個人情報保護法って茶番みたい。
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ライムシリーズ。ひそかに「ウォッチメイカー」のあの人物も活躍?してるようです。再びあいまみえることはあるのでしょうか。それも少し楽しみ。 こういうシリーズ、次々「最強の敵」が登場しますが。今回の「もっとも卑劣な犯人」ってのには異議がありません。とんでもなくはた迷惑ですね。殺され...
ライムシリーズ。ひそかに「ウォッチメイカー」のあの人物も活躍?してるようです。再びあいまみえることはあるのでしょうか。それも少し楽しみ。 こういうシリーズ、次々「最強の敵」が登場しますが。今回の「もっとも卑劣な犯人」ってのには異議がありません。とんでもなくはた迷惑ですね。殺された被害者よりもむしろ、犯人にされた被害者のほうが気の毒。 今作のテーマは「情報」。この会社が設立された目的はなるほどと思えるのですが。そして便利だとも思うのですが。情報ばかりを信頼すると怖いことになる、といういい見本ですね。 誰が犯人か、という意外性はさほどでもないけれど。スリリングな展開やライムの緻密な捜査は読みどころたっぷり。彼の過去と、いとことの確執、という部分でも読まされました。ラストも良かったー。
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あらすじを読んで『青い虚空』を連想したが、似てるようで全然違っていた。 事件の性質は非常に興味深く、現代のデータ社会に警鐘を鳴らしているようにも感じられる。作中の事例は極端かもしれないが、数年後に同類の犯罪が起こる可能性はあるだろう。それが予想できるだけに、データの持つ非情さと...
あらすじを読んで『青い虚空』を連想したが、似てるようで全然違っていた。 事件の性質は非常に興味深く、現代のデータ社会に警鐘を鳴らしているようにも感じられる。作中の事例は極端かもしれないが、数年後に同類の犯罪が起こる可能性はあるだろう。それが予想できるだけに、データの持つ非情さと、その前では沈黙するしかない人間の無力さに軽いさむけを覚えた。 このタイプの犯罪に、ライムの科学捜査で立ち向かうのはちょっと無理があるように思える。データの崇拝者VS四肢麻痺の捜査官という構図がしっくりこない。証拠分析の緊迫したシーンは印象薄で、サックスが危険にさらされるというお馴染みのパターンもマンネリ気味。もとよりレベルの高い作者なのでこのくらいではびくともしないが、テーマがライムのキャパを超えた場合はシリーズ化する必要はないのでは? 面白いのは面白かったが、単発モノの方が良かったような気もしないではない。 そろそろライム以外も読みたくなってきたので、短編集、単発長編のニュースは嬉しい限りである。
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毎度おなじみ一気読み確実の職人技。いいように鼻面を引き回されてしまう。もはやあれこれいう気にもならない。面白いんだもの。今回サイドストーリーの中にとってもいいのがあった。ヒロインのアメリア・サックス(かっこいいよねえ)が娘のようにかわいがっているパムの恋の顛末。読みながら、そうだ...
毎度おなじみ一気読み確実の職人技。いいように鼻面を引き回されてしまう。もはやあれこれいう気にもならない。面白いんだもの。今回サイドストーリーの中にとってもいいのがあった。ヒロインのアメリア・サックス(かっこいいよねえ)が娘のようにかわいがっているパムの恋の顛末。読みながら、そうだ!それが誇り高い女のすることだよ!とやたら力が入ってしまいました。
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科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。自分はやっていない、とアーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に思う―証拠がそろいすぎている。アーサーは罠にかかったのではないか?そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックス...
科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。自分はやっていない、とアーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に思う―証拠がそろいすぎている。アーサーは罠にかかったのではないか?そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックスらとともに独自の捜査を開始、同様の事件がいくつも発生していることを知る。そう、姿の見えぬ何者かが、証拠を捏造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返しているのだ。犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを奪い、収集する、史上もっとも卑劣な犯罪者。神のごとき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる…。 (「Book」データベースより) リンカーン・ライムシリーズです。怖かったですよ。実際に起こりそうな犯罪。 しかも本当にこんな犯罪が起きたら、どう対処すればいいんだろうって途方にくれちゃいます。 自分の情報ってどこまで人に知られているんだろう。 アンケートとかあると平気で住所とか書いてた自分がなんと愚かなことか・・・・ いつも通り最後まで犯人はわからず、(もうこの作家さんのお話では下手な推理をしないようにしてます。だって絶対わかんないんだもん)、まるで映画を見ていうるようにどんどんお話は流れていき、あっという間に読んじゃいました。かなりの厚さですが、抵抗なく読めます。腕は疲れますけど・・・・・・ やっぱりダンスシリーズよりもライムシリーズがテンポが速くて私は好きです。 そして今回もサックス刑事がかっこいいです。 冷静な女って憧れる~。 でも愛車のシーンでは・・・・ちょっと可愛くてなんかほっとしました。 こんな部分もあった方が良いです。だって女ですもの。
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