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新釈 走れメロス 他四篇 の商品レビュー

3.8

650件のお客様レビュー

  1. 5つ

    123

  2. 4つ

    270

  3. 3つ

    157

  4. 2つ

    23

  5. 1つ

    5

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2020/12/25

5つの物語からなる短編集。 「桜の森の満開の下」は面白かったです。 「山月記」と「走れメロス」しか原作を知らず、しかもその2作もうろ覚えであったため どこがオリジナルで、どこに元ネタが活かされているのかイマイチ分かりませんでした。 しかしどれも予想がつかない&阿呆の世界という...

5つの物語からなる短編集。 「桜の森の満開の下」は面白かったです。 「山月記」と「走れメロス」しか原作を知らず、しかもその2作もうろ覚えであったため どこがオリジナルで、どこに元ネタが活かされているのかイマイチ分かりませんでした。 しかしどれも予想がつかない&阿呆の世界という感じ。 文章がとっつきにくいなと感じました。 この作家さんの作品全体にいえることなのでしょうか? 機会があれば「夜は短し〜」も読んでみたいと思います。

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2020/12/11

表題の走れメロス他、5つからなる新釈短編集。「新釈走れメロス」にテーマをつけるとしたら「原作を最大限リスペクトした全く別の物語」とすると思う。要所要所に太宰治の原作要素が混じっているものの、中身は全く別物である。一冊で二度楽しめる作品。

Posted byブクログ

2020/10/30

あいかわらずの京都を舞台にした阿保な大学生の物語。小気味の良いテンポで楽しめた。 なんだか森見作品を読んでると高橋留美子の漫画の雰囲気を思い出す。 今回の作品は前半の2作と後半の2作は雰囲気がガラリと変わってた。特に「桜の森の満開の下」はなんとも言えず切なくやりきれない気持ちにな...

あいかわらずの京都を舞台にした阿保な大学生の物語。小気味の良いテンポで楽しめた。 なんだか森見作品を読んでると高橋留美子の漫画の雰囲気を思い出す。 今回の作品は前半の2作と後半の2作は雰囲気がガラリと変わってた。特に「桜の森の満開の下」はなんとも言えず切なくやりきれない気持ちになった。

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2020/10/26

やはりバカな大学生を書かせたらこの人にまさる人はいない、という感じの作品。久々に読んだけどおもしろかった。特に表題作の走れメロスは、原作の爽快感を失わず、バカらしさに埋め尽くされている。「俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ」という、一見名言っぽいなんの意味もない言葉など素...

やはりバカな大学生を書かせたらこの人にまさる人はいない、という感じの作品。久々に読んだけどおもしろかった。特に表題作の走れメロスは、原作の爽快感を失わず、バカらしさに埋め尽くされている。「俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ」という、一見名言っぽいなんの意味もない言葉など素晴らしい。

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2020/10/07

原作を読んだことのない作品もあったが、楽しめた。 現代語訳というわけではなく、パロディなので全然違う印象を受ける作品もある。 森見らしさも出ている。 原作をなぞらえている部分も多いので、「この文章原作で読んだな」と思い出すこともしばしば。 ちょっとしたきっかけで、読んだことがあ...

原作を読んだことのない作品もあったが、楽しめた。 現代語訳というわけではなく、パロディなので全然違う印象を受ける作品もある。 森見らしさも出ている。 原作をなぞらえている部分も多いので、「この文章原作で読んだな」と思い出すこともしばしば。 ちょっとしたきっかけで、読んだことがあると気づけるような文章を書ける文豪たちはすごいなと改めて実感した。 「山月記」 原作は確か中学校の教科書で読んだ。 自尊心とか虚栄心の話だったと記憶。 森見らしい文体。 「藪の中」 原作のあらすじは何とかなく知っているが、読んだことはない。 人によって細かいところの見解の相違は見受けられたが、解釈によって全く結果が変わってくるというほどの印象は受けなかった。 元々そういう話ではないのかな? 鵜山の倒錯した愛情がすべてを狂わせてしまっている。 「走れメロス」 原作は中学生の時に読んだ。 原作通りの文章が多く出てくるが、原作とは全く違う展開。 芽野(メロス)「姉の結婚式に出なければならないのだ。」 長官(王)「いいだろう。」 芽野はそう言い放ち、校舎から外へ駆け出した。 芹名(セリヌンティウス)「あいつは戻らんぜ。」 長官(王)「そんなわけあるもんか。」 芹名(セリヌンティウス)「あいつに姉はいないよ」 約束を反故にするために京都市内を逃げ回る! すべては友情のため! という、聞いただけでは何が何だかわからない奇想天外な改変。 森見作品のあほらしさがあっておもしろい。 「桜の森の満開の下」 原作は大学の講義で読んだ。 「桜が怖いって?なんだそれ」と思いつつ読んで、はっきりとは言葉にできない恐怖を感じたことを覚えている。 美しさと怖さが隣り合っていることを知った。 文体は原作に寄せてあって、いつもの堅苦しさはない。 原作のような淡々とした冷たさみたいなものがあって、森見すごいなと思った。 「百物語」 原作未読。 これまでの短編の登場人物が勢ぞろいして、わいわいがやがやとやっているうちに物語が終わってしまった。 「ん?俺は何を読んでいたんだ?」という思いがして、自分も鹿島さんに振り回されていたのかもしれないと考えると、ちょっと怖かった。

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2020/08/10

正直、森見登美彦は有頂天家族を読んで、ちょっと食傷気味ではあったが、これは面白かった。 所謂、名作と呼ばれるものを題材にし、現代風にアレンジしたものである。 これ、結構面白かった。下らない話もあれば、ふわふわとしてゾッとするような話もある。 「あいつは約束を守らんぞ」なんて言わ...

正直、森見登美彦は有頂天家族を読んで、ちょっと食傷気味ではあったが、これは面白かった。 所謂、名作と呼ばれるものを題材にし、現代風にアレンジしたものである。 これ、結構面白かった。下らない話もあれば、ふわふわとしてゾッとするような話もある。 「あいつは約束を守らんぞ」なんて言われたら笑っちゃうよね。 自分が桃色のブリーフで踊らなきゃいけないかも知れないのに、平然と言っちゃうんだから。下らなくて笑っちゃう。 こんな学生が周りにいたら、絶対笑っちゃうよねこんなん。

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2020/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本近代文学の代表といえる数々の作品を現代の京都を舞台に再現している。森見登美彦の世界観が全面に出ており、所々で笑ってしまった。 純文学が好きな人はこの本を改悪とみなすかもしれないが、私はこの本が大好きである。というか森見登美彦が大好きである。 特に親しみ深い「走れメロス」に関しては、「敢えて約束を守らない友情」を演出してる。太宰の走れメロスは激的なこれ以上ない熱い友情を描いていたがそれはメロスの時代は誠に生きるのが困難で、友情なんぞ廃れた時代であったからだ。 しかし現代はどうだろうか。熱い友情なんぞ本で語り尽くされ、映画のお決まりとなり、むしろ「熱い友情」を見ると辟易さえしてしまうような時代である。そこで「敢えて約束を守らない、妙ちくりんな友情」である。これはたまげた。そんな手があったのか。予想だにしなかった。どんな形であれ約束を守るのだろうと考えていた私だが良い裏切りを底から堪能してしまった。 記憶を消してからもう一度読みたいものである。

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2020/06/11

国語の教科書にも出てくるような誰もが知っている物語を森見登美彦が現代版に新釈したもの。 原作となっている作品を理解していた方が面白いと思う。

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2020/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 正直、言いたい事は巻末の神山健治の解説でほとんど書かれてしまっているので、あんま言うこともないけれど。  名作を翻案した短編といいつつも、各作品の世界観は共通しており、腐れ大学生たちの微かな繫がりを感じられるのが良い。  企画の趣旨上、大方の展開やオチが読める人も少なくないだろうが、どうそれを森見風にアレンジしていくのか、という一風変わった楽しみ方は、本作ならではだ。藪の中(原作は読んでない)が、読み進める中で少しずつ全貌が浮き彫りになっていく構造、そしてその渦中の人の思惑が面白く、この話が一番好きだった。  全体としては、ストーリーテリングそのものよりも、文体やパロディ部分を楽しむ作品なのかな、と感じた。

Posted byブクログ

2020/03/21

走れメロス以外は読んだことがなかったので(山月記は読みながら、なんだか覚えがあったので、教科書とかで読んだことがあったんだろうか)Kindleで原作を読んでからこちらを読んだ。なるほど、ここを持ってきたかと、どれも趣向を凝らしていて面白い。 最後の「百物語」で、みんな出てきてシュ...

走れメロス以外は読んだことがなかったので(山月記は読みながら、なんだか覚えがあったので、教科書とかで読んだことがあったんだろうか)Kindleで原作を読んでからこちらを読んだ。なるほど、ここを持ってきたかと、どれも趣向を凝らしていて面白い。 最後の「百物語」で、みんな出てきてシューッとひと繋がりになるのも面白い。 これを機に他の文豪作品も読んでみようという気になった。のがよかったことかな。

Posted byブクログ