世界音痴 の商品レビュー
穂村弘は、 「 これを書いたら印象悪くなるだろう 」 的なことを高度な分析力をもって、極上のファストフードに仕立て上げる。 #B209521
Posted by
ああ、その感覚、わかる。 ということが幾らかあって、楽しく読める。 でも時々よくわからなくて一緒には世界音痴になりきれない。 一つ一つのエッセイが短いので、読みやすいけれど、 もっと掘り下げたらもっと面白そう、というのもあった。 あとで新聞の連載だったと知って納得。
Posted by
ほむらさんのエッセイを読むと、この人は恋愛対象として、あるいは結婚相手としてどうなのかということを結構真剣に考えてしまいます。 選挙に行ったことがないということを知り、そういう人はわたしはやっぱり無理だなと、意味もない(しかも若干上から目線の)再確認をしてしまったりしましたが、そ...
ほむらさんのエッセイを読むと、この人は恋愛対象として、あるいは結婚相手としてどうなのかということを結構真剣に考えてしまいます。 選挙に行ったことがないということを知り、そういう人はわたしはやっぱり無理だなと、意味もない(しかも若干上から目線の)再確認をしてしまったりしましたが、そんなことをリアルに考えてしまう時点ですでに彼の術中にはまっているのかもしれません。
Posted by
世界音痴・・・ よく言ったものだなあ。くすくす笑いながら読める。 「世界」と「自己」の認識のズレから発生するぎこちなさって、確か自分にもあったはず。というか、今もある。 この話は、他人事ではなく自分のことでもある。 それを、大人になるにつれ、経験が増すにつれ、 私は、誤魔化し...
世界音痴・・・ よく言ったものだなあ。くすくす笑いながら読める。 「世界」と「自己」の認識のズレから発生するぎこちなさって、確か自分にもあったはず。というか、今もある。 この話は、他人事ではなく自分のことでもある。 それを、大人になるにつれ、経験が増すにつれ、 私は、誤魔化したり、やり過ごしたり、とりつくろう方法を身に着けてしまった。 そして、自分は大きな恥はかかないと、大丈夫だと、根拠のない自信のようなものを身に着けてしまった。 でも、本当にそうだろうか。 世界と自己との違い、ズレについて、見ないふりをしているだけのような気がしている。 と同時に、何か大きな、大切なもの…感性や感受性といったものを失ってしまったような気がする。 穂村さんのような歌人というのは、 それらを大人になっても抱え続けることのできる人たち、抱える方法を極めた人たちなんだなと強く思う。
Posted by
日本経済新聞のコラム欄等に連載されていた短いエッセイをまとめたもの。1つ1つが短いせいもあって、やや軽い印象と踏み込みの不十分さを感じないではない。読み物としての面白さでは、『現実入門』などには一歩譲るだろう。穂村は、ここでも自分と「普通の世界」との違和を語るのだが、散文で語られ...
日本経済新聞のコラム欄等に連載されていた短いエッセイをまとめたもの。1つ1つが短いせいもあって、やや軽い印象と踏み込みの不十分さを感じないではない。読み物としての面白さでは、『現実入門』などには一歩譲るだろう。穂村は、ここでも自分と「普通の世界」との違和を語るのだが、散文で語られるそれは塚本邦雄の歌「いたみもて世界の外に佇つわれと紅き逆睫毛の曼珠沙華」1首に及ばない。もちろん、穂村はそれを熟知しているからこそ、歌を掲げるのだ。引用歌はいずれもいい。本書は、歌人穂村弘からの短歌へのお誘いでもあるのだ。
Posted by
再読。 今回は結構ゆっくり読んでみました。 相変わらず面白い。 これが最初のエッセイなんですねー。そして新聞連載とは。日経買いたくなってしまう(もう連載終わってる?ならいいや)
Posted by
この本を買う前に、角田光代さんと穂村弘さんの『異性』を買った。 著者はどちらも知ってはいたが、しっかり読むのは初めて。穂村弘さんに興味がわいて、この『世界音痴』を買ってみた。 まず、タイトルがいいではないか! 「世界」は、「自己」と対峙する概念だと思う。 いや、「世界」という切...
この本を買う前に、角田光代さんと穂村弘さんの『異性』を買った。 著者はどちらも知ってはいたが、しっかり読むのは初めて。穂村弘さんに興味がわいて、この『世界音痴』を買ってみた。 まず、タイトルがいいではないか! 「世界」は、「自己」と対峙する概念だと思う。 いや、「世界」という切り口で、自分と外界を区別しているのかもしれない。 自分の世界、外の世界。タイトルの世界はもちろん「外の世界」だ。 穂村さんは飲み会で自然と会話に入っていけなかったり、座る席が確定している指定席に安心したり、回転すし屋で思うように頼めなかったりする。 だけど、決して内向的なだけの人ではないのだ。自分の世界にいながら、外の世界がすごく気になる。だから、こういう本が書けるのだと思う。 そして、その感覚に、「あぁ、そうそう」と思えるから、この人の書く文章に惹かれるのだろう。 黄昏のレモン明るくころがりてわれを容れざる世界をおもふ (井辻朱美) タイトル「世界音痴」のエッセイに添えた一句だ。
Posted by
回転寿司を前に一人宇宙を垣間見え、味噌汁の熱さを必ず指摘する母に混乱をきたし、カップルだらけの渋谷のクリスマスに耐えるべく自分の貯金額に想いを馳せる。 なんだこの大人は。人として大丈夫?…と怪訝な気持ちになりつつも目が離せない。とてもじゃないけど放っておけない。そんな気持ちにさ...
回転寿司を前に一人宇宙を垣間見え、味噌汁の熱さを必ず指摘する母に混乱をきたし、カップルだらけの渋谷のクリスマスに耐えるべく自分の貯金額に想いを馳せる。 なんだこの大人は。人として大丈夫?…と怪訝な気持ちになりつつも目が離せない。とてもじゃないけど放っておけない。そんな気持ちにさせるのは、読めば読むほど感じ取れる「他人事じゃないぞ」と思わせる人間臭さと、人を惹きつけてやまない穂村さんの文才と、何より人柄でしょうか。 キング・オブ・ザ「末期的日本人」。でも愛せます。
Posted by
ジャムガリン、なんとまがまがしい名前じゃ。 語り口が面白い。読みながら噴き出してしまう箇所も多かった。各エッセイのあとについているシュールな短歌がまた良い。
Posted by
穂村さんもわたしもみんなみんな、世界音痴なんじゃないだろうか。どこかしら狂ってるんだと思う。ジャムガリンが個人的に好き。 星が4つなのは、わたしに短歌に感動する心がないから。
Posted by