世界音痴 の商品レビュー
これほんとうに好きだ。ほむほむほんとうに好き。この感受性と言葉の選び方と世界への距離感。世界音痴、だなんて的確で分かり易すぎるし、わたしだって他者との関係に常に完璧を求めてきたし、なんかもうほんとうに好き。寄り添いの鏡。短歌のいいところって、こういう感受性とか世界への敏感さを下地...
これほんとうに好きだ。ほむほむほんとうに好き。この感受性と言葉の選び方と世界への距離感。世界音痴、だなんて的確で分かり易すぎるし、わたしだって他者との関係に常に完璧を求めてきたし、なんかもうほんとうに好き。寄り添いの鏡。短歌のいいところって、こういう感受性とか世界への敏感さを下地にしながらも、語れる字数が決まっているからだらだら長々と語るわけではなく、吟味に吟味に吟味を重ねた言葉をそっと吐き出す、そんなところじゃないのかなっておもった。
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『この世は一度きり、主人公は誰?』 『サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい』 『恋の三要素は〈ときめき〉〈親密さ〉〈性欲〉だと、私は思っている。このうちふたつの維持ができれば、その恋は続く。一般的には、時間の経過と共に〈ときめき〉と〈性欲〉は減少し、〈...
『この世は一度きり、主人公は誰?』 『サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい』 『恋の三要素は〈ときめき〉〈親密さ〉〈性欲〉だと、私は思っている。このうちふたつの維持ができれば、その恋は続く。一般的には、時間の経過と共に〈ときめき〉と〈性欲〉は減少し、〈親密さ〉は増大する。二対一で不利なのである。』 『知んないよ昼の世界のことなんか、ウサギの寿命の話はやめて!』 『カロリーがメニューやパッケージに表示されているのは何故か。それは「ミートソースにかきあげ丼の二倍もカロリーがあるなんて信じられない」と云ったり、「このミルクチョコレートを一枚食べたら、水泳なら三十分、盆踊りなら七十五分も踊り続けなくてはならないのか」と考えたりするためである。水泳三十分等は、カロリーの摂取と消費のバランスにおいて釣り合う行為の例が示されているだけであって、実際にはミルクチョコレート。食べて盆踊りを踊らなくても全く何も起こらない。ちなみにカロリー計算によれば、ボール一杯のシーザーサラダに粉チーズを振りかけて食べると、それをチャラにするためには、ざっと五十六億七千万年分の盆踊りが必要になる。』 『そういえば女の頭に触ると、なんとなく男に比べて頭蓋骨が薄いような感じがする。試してみようと頭を掴んだ指に力を加えると、「やめてよー」と云う。だが、痛みそのものには男よりもずっと強く、おまけに恐竜のように未来を怖れない。』
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自意識過剰な独身男性のエッセイ。 でもすごくわかる。わかりますよ。 声出して笑いながら読みました。
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又吉氏のおすすめ本ということで 共感するとこもあれば、本当に???というとこもあるという感じでした・・・。
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これおれなのかな。 振り向くな振り向くな後ろには夢がない。 先日、立ち食いそば屋で私はエビ天玉うどんを食べていた。 ふと隣のおじいさん見るとかけそばを啜りながら手元ににお稲荷さんが一つ。 ああ、負けた、と私は思った。 立ち食いそば屋で海老天玉うどんなどというゴージャスなもの食...
これおれなのかな。 振り向くな振り向くな後ろには夢がない。 先日、立ち食いそば屋で私はエビ天玉うどんを食べていた。 ふと隣のおじいさん見るとかけそばを啜りながら手元ににお稲荷さんが一つ。 ああ、負けた、と私は思った。 立ち食いそば屋で海老天玉うどんなどというゴージャスなもの食ってどうする。 ゴージャスなものを食べたければゴージャスな店に行けばいいのである 立ち食いそば屋ではそれなりの選択がはずだ。
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歌や方向の音痴ではなく、世界音痴。世の中との隔たりやズレを感じる穂村さんの視点がユーモア。偏屈だけどかわいらしい。誰しも覚えがありながら言葉にまとめられなかったことを文章にする天才。そりゃ共感もしますわ。
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思わず笑い声が口から漏れてしまうことがあった。穂村さんは周りの人よりもずっといろいろなことが気になってしまうから自然に振る舞うことができないのではないだろうか?「世界音痴」と言っているが、それでも世界に対する愛もこのエッセイからは感じる。 この人の本をもっと読んでみたい、この...
思わず笑い声が口から漏れてしまうことがあった。穂村さんは周りの人よりもずっといろいろなことが気になってしまうから自然に振る舞うことができないのではないだろうか?「世界音痴」と言っているが、それでも世界に対する愛もこのエッセイからは感じる。 この人の本をもっと読んでみたい、この人の歌に触れてみたいと思った。
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詩人のエッセイ集。なんだろうか、人の情けないずっこけ話を読むのは、悪くないが面白くない。好きな本の著者等なら、こんな人にもこんな面白い、しょうがない点があるのかと微笑ましいが、この著者のこと全く知らないし、詩人といっても、掲載されている詩も酷いし。こういった人でも本を出せるのだと...
詩人のエッセイ集。なんだろうか、人の情けないずっこけ話を読むのは、悪くないが面白くない。好きな本の著者等なら、こんな人にもこんな面白い、しょうがない点があるのかと微笑ましいが、この著者のこと全く知らないし、詩人といっても、掲載されている詩も酷いし。こういった人でも本を出せるのだという励みにはなるかもしれない。
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ユーモアと少しの哀しみをたたえて、他者とのズレや痛さを包み隠さず綴るエッセイ。可笑しい。 飲み会や社交の場に出た時の心もとなさ。 人のことより、体裁を瞬時に考えてしまった自分に自意識のカタマリだと思い恥じたとき。 きっと人との関係を築いていくうえで答えは色々とシンプルなも...
ユーモアと少しの哀しみをたたえて、他者とのズレや痛さを包み隠さず綴るエッセイ。可笑しい。 飲み会や社交の場に出た時の心もとなさ。 人のことより、体裁を瞬時に考えてしまった自分に自意識のカタマリだと思い恥じたとき。 きっと人との関係を築いていくうえで答えは色々とシンプルなものだと思うのだけど、 上手くやりたいのに上手くできないそんな時、ああ、わたしみんなができること何でできないんだろう、と途方に暮れちゃうことがある。 自意識過剰すぎると疲れる。 悲観的に考えすぎてばっかりいると肩が凝る。 そんな時に穂村さんの本を思い出す。 こんな気持ちを文章にしてくれて、ちょっと大げさかもしれないけれど 救われた心地になりました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「あぁ、こんなところに自分がいた」と思える本 思えない人もいるだろうけど、私にとっては「よくぞ書いて下さった」という感じ 珠玉の駄目駄目エピソードが時にユーモラスに時に幻想的に、時に軽快に時にまったりと綴られている
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