世界音痴 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
太宰よりも好きかもしれない。 私も世界音痴なのでとても面白く哀しく読めた。 ⚪︎ 自然さを奪われた者は、世界の中に入れない。 不意に「ああっ」と叫びたくなる。「人生って、これでぜんぶなのか」 ⚪︎
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歌人、穂村弘の初のエッセイ集の文庫版。主に30代後半の頃の著者の日常を赤裸々にかつ自虐的に書いていて面白い。いくつかタイトルと概要だけ紹介したい。 「回転寿司屋にて」。年間100回以上回転寿司屋に行っている!という著者の回転寿司屋に行く理由や、著者が回転寿司を眺めながら抱く奇妙...
歌人、穂村弘の初のエッセイ集の文庫版。主に30代後半の頃の著者の日常を赤裸々にかつ自虐的に書いていて面白い。いくつかタイトルと概要だけ紹介したい。 「回転寿司屋にて」。年間100回以上回転寿司屋に行っている!という著者の回転寿司屋に行く理由や、著者が回転寿司を眺めながら抱く奇妙な思いを描く。 「一秒で、」。雪道で転びそうになった彼女の手を放してしまう。その後の、著者と彼女は・・・。 「世界音痴」。飲み会を「自然に」楽しめない理由を綴る。これは個人的にかなり共感できる。 「菓子パン地獄」。著者の推定では通算2300本以上菓子パンを食べているそうで、著者の独特な菓子パンの食べ方も書かれているが、俺はいまだかつてこんな食べ方をしたことがない。 「点」。文字の書き順について書いている。図書館で著者が見かけたという女の子の「犬」を書くときの書き順に俺は驚きすぎて目の前がくらくらした。
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穂村さんの人柄。 あまり分析しようしようとしていないのに、パッと的確な見解が生まれているという、すごく聡明で、自分は自分で、他人は他人で、事実を事実としてそのまま見ているような、すごく惹き込まれる人柄。
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総務課の歌人。 やっぱり歌人の感性って、こうなんだな。と思ったエッセイ。 共感できるところもあるけど、スーパーで半額寿司を前に崩れ落ちたりはしないので。 途中、唐突に登場する妄想小説のようなお話が、結構好きでした。ジャムとバターのとか。 妄想小説だけで1冊出してくれないかな。...
総務課の歌人。 やっぱり歌人の感性って、こうなんだな。と思ったエッセイ。 共感できるところもあるけど、スーパーで半額寿司を前に崩れ落ちたりはしないので。 途中、唐突に登場する妄想小説のようなお話が、結構好きでした。ジャムとバターのとか。 妄想小説だけで1冊出してくれないかな。 もう出ていたら、どなたか教えてください。
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朝日で読んでる穂村弘とは印象が違った 面白いところもあったけど、2割 君の浦島、僕の獏 事実を知ってしまうのが惜しまれるような、鮮やかな間違い 躾 家庭の変わった躾、その愛おしさ 怖いラブレター これが1番笑えた、オッペンハイマー、伊達政宗、穂村弘 振る舞いが自然にできな...
朝日で読んでる穂村弘とは印象が違った 面白いところもあったけど、2割 君の浦島、僕の獏 事実を知ってしまうのが惜しまれるような、鮮やかな間違い 躾 家庭の変わった躾、その愛おしさ 怖いラブレター これが1番笑えた、オッペンハイマー、伊達政宗、穂村弘 振る舞いが自然にできない
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ほむほむが好きなはずだったのに、この赤裸々エッセイを読んで、「なんだこの情けない男は…!?」と思わずひっくり返ってしまった(大袈裟)。 学生時代、角田光代さんとの共著『異性』を読んでからファンになり、さまざまなエッセイを読んだ筈だったのに。 私自身、もうとっくに学生を終えていて...
ほむほむが好きなはずだったのに、この赤裸々エッセイを読んで、「なんだこの情けない男は…!?」と思わずひっくり返ってしまった(大袈裟)。 学生時代、角田光代さんとの共著『異性』を読んでからファンになり、さまざまなエッセイを読んだ筈だったのに。 私自身、もうとっくに学生を終えていて結婚もしていて子どももいて、2人目を産むという人生の節目にいる時だ。旦那がもしこんなになよなよしていたら引っ叩いてしまう…読むタイミングを間違えたかもしれない笑。 やれ36歳にして「母にとっては五歳の私」と実家に入り浸ったり、足を滑らせた彼女の手をうっかり離してしまったり…。情けねえ!!!!と頭を抱えながら読むしかなかった。 しかし、『世界音痴』=「自然に」行動できずに世界の中に入れないこと という話には大きく頷いてしまった。情けないけど、私もそのタイプである。 特にお酒の席。何を話したら会話が続くのかも分からない。自然に話しかけられず、黙ってお皿係とか片付け係とかにまわってしまう。ずっとおしぼりでテーブル拭いてたりする。笑 職場の飲み会とか特に… 私には人に拾ってもらえるような面白いキャラ像のようなものがないのである。 悲しきかな。 情けなさすぎるダメ男の赤裸々エッセイの中でも、共感できることがある。 だからどうしても、嫌いにはなれず、ほむほむはもっと素敵な人だったはずだ!!と、まんまと他のエッセイも貪り読むのである。 他の本を再読しようかな。
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ラジオ番組『ほむほむのふむふむ』でほむほむさんのファンになったので読んでみた。こんなにやばい人だったのか…(いい意味で)。 通勤の電車内で読んでいて笑いを堪えるのに必死になる。そして堪えきれない。読書で笑ったのはいつぶりだろうか。それでいてしみじみと共感できる部分も多く、とんでも...
ラジオ番組『ほむほむのふむふむ』でほむほむさんのファンになったので読んでみた。こんなにやばい人だったのか…(いい意味で)。 通勤の電車内で読んでいて笑いを堪えるのに必死になる。そして堪えきれない。読書で笑ったのはいつぶりだろうか。それでいてしみじみと共感できる部分も多く、とんでもない才能の持ち主なんだなとより好きになった。 Ⅰ章が好み。
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元気が出る。 笑える。 ちょっとした空き時間に、短い文章なのに 軽そうで深い。軽くて深い。 楽しい。 短歌はまだよくわからないけど。
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穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸等とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイスト、絵...
穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸等とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイスト、絵本の翻訳家等としても活動している。 私は50代の会社員で、近年短歌に興味を持ち始め、これまで俵万智、穂村弘、東直子、枡野浩一、木下龍也等の歌集や短歌入門書、また、いくつかの現代短歌のアンソロジーを読み、1年ほど前から新聞短歌に投稿しており、穂村氏にも数首選んでいただいている。 また、穂村氏の作品では、歌集のほか、入門書の『はじめての短歌』、『短歌という爆弾』、エッセイ集の『鳥肌が』(講談社エッセイ賞受賞)、『蚊がいる』、対談集の『あの人と短歌』等をこれまでに読み、NHK短歌テキスト(月刊)の連載「あの人と短歌」も毎月読んでいる。 本書は、日経新聞で2001年に連載されたエッセイに、他の新聞や雑誌に発表したものや書き下ろしを加えて、2002年に出版され、2009年に文庫化された。 内容は、(執筆当時)40歳を前にして独身で両親と共に暮らしているサラリーマンが、いかに「世界」に違和を感じつつ情けない日常を過ごしているか、ということだけを、執拗かつ具体的に、これでもかと書き綴ったものである。具体的には、寿司屋で注文を無視され、夜中にベッドの上で菓子パンを貪り食い、青汁ビタミンを服用し、ネットで昔の恋人を探し、飲み会で席を移動できず、雪道で滑った恋人の手を「キャッ」と叫んで放してしまい、ホームランが自分に当たるのが怖くて野球場に行けず、自分の部屋の窓を十数年開けたことがない、等々で、唖然として爆笑しつつ、その後に、もしかすると自分もそうかも、と思ってしまうようなものである。 尚、穂村氏は本書の中で、自らの新しいことを怖がる性格から、普通の人が経験することの多くを自分は未経験なのではないかといい、その事柄をリストアップしており(例えば、独り暮らし、結婚、転職、洗濯、海外旅行、献血、選挙の投票、髪型を変える等)、その後、それらをひとつひとつ体験したエピソードを、『現実入門』(2005年)というエッセイ集にまとめている。(私はそちらを先に読んだが、同様に爆笑である) 私は、上記の通り、現代短歌のフロントランナーのひとりとしての穂村氏を先に知り、その斬新的な(より的確に表現すれば「ぶっ飛んだ」)短歌がどのようにして生み出されるのかに大いに興味があるのだが、それは、「短歌作りの仕事の周辺を、季節の変化と絡めて穏やかに綴る」というような歌人の新聞連載のエッセイのイメージをぶち破る本書を読めば、否応なく頷かざるを得ないのである。(残念ながら、一般の人が歌作りをするために真似をするのは難しいのだが。。。) 本書は、単独でも十分に楽しめるが、歌人・穂村弘がどのような視点、感覚で歌を作っているのかを想像するのにも役立つエッセイ集である。 (2023年1月了)
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「世界音痴」 タイトルにやられた〜という感じ。 飲み会が苦手 「自然に」楽しむことが苦手な作者。 場が盛り上がって来たときに、皆自然に席を移動し始めるが、それが出来ない。トイレから戻って来たときに、どこに座って良いか分からない。 寿司やのカウンターで、後からダミ声でオーダーした酔...
「世界音痴」 タイトルにやられた〜という感じ。 飲み会が苦手 「自然に」楽しむことが苦手な作者。 場が盛り上がって来たときに、皆自然に席を移動し始めるが、それが出来ない。トイレから戻って来たときに、どこに座って良いか分からない。 寿司やのカウンターで、後からダミ声でオーダーした酔っ払いの注文の前に、自分の注文は雨散霧消していまう。 聞けば作者は、ひとりっ子とのこと。自分との共通点に、そうかそうかと合点がいった。
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