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世界音痴 の商品レビュー

3.8

135件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/09/02

歌人穂村弘によるエッセイ集。タイトルの通りこの世界にいること、生きることについての色々なズレや違和感を持った音痴的人間としての日常エッセイ。現代詩はほとんど読まないのだけど流石に末尾の短歌が面白い。音痴というよりは個人的には他に出てくる末期的日本人という表現の方がしっくり来る感じ...

歌人穂村弘によるエッセイ集。タイトルの通りこの世界にいること、生きることについての色々なズレや違和感を持った音痴的人間としての日常エッセイ。現代詩はほとんど読まないのだけど流石に末尾の短歌が面白い。音痴というよりは個人的には他に出てくる末期的日本人という表現の方がしっくり来る感じがする。そしてしっくりくるその感覚は穂村弘本人にだけ感じるのではなく、自分自身の末期さであったり、この本を好んでしまう多くの同好の末期的日本人たちがいるであろうということに、面白みと悲しみがないまぜになったような感覚を覚える。

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2024/06/30

作者の視点で描かれた世界や人間関係がとても面白くえがかれていた。 好きな人との楽しかった瞬間として、変わった苗字の表札を見つけて顔を見合わせた時、と描かれていて何故か涙が零れそうになった。

Posted byブクログ

2024/03/01

なんだか心の深淵を覗いてしまった罪悪感と空しさ、それと同時に恥ずかしさや、やるせなさが時々訪れるなんとも言えない感情に襲われる。 どこまでが本当でどこまでが嘘が時々わからなくなるが、 不思議な言葉遊びで笑える場面もあった。 ジャムガリンの話とか特に。

Posted byブクログ

2024/02/28

ワードセンスお化け 同じ世界を見てるはずなのに、穂村さんの見てる世界は違うバースのよう。 置き去りにされた眼鏡が砂浜で光の束をみている九月 とかもうたまらん。

Posted byブクログ

2024/02/24

未経験なことが多い著者の穂村さんと比べて、私のリストの〇はもう少し増えるが、共感する部分の多さたるや。 「自然にできない」というのが最たるそれ。 自然にすることを意識すればするほど不自然になり、不自然さが露呈するのは嫌だから結果的に何もしないを選択する。 不自然さはやめたくても...

未経験なことが多い著者の穂村さんと比べて、私のリストの〇はもう少し増えるが、共感する部分の多さたるや。 「自然にできない」というのが最たるそれ。 自然にすることを意識すればするほど不自然になり、不自然さが露呈するのは嫌だから結果的に何もしないを選択する。 不自然さはやめたくてもやめられない。過剰すぎる自意識を適度なところで落ち着かせるのは、もはや自分らしくなくなる気がするくらい。 「自分可愛さを極限まで突き詰める」という言葉にすごくしっくりきてしまった。

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2024/02/21

読めば読むほどに穂村さんのことが気になってしまう。"独身、39歳、ひとりっこ、親と同居、総務課長代理"という肩書きからして面白い。飲み会が苦手な話はめちゃくちゃ共感した。自分の情けない部分を曝け出しているのだけど、多くの人が魅了されるのは独特の感性や表現力の高...

読めば読むほどに穂村さんのことが気になってしまう。"独身、39歳、ひとりっこ、親と同居、総務課長代理"という肩書きからして面白い。飲み会が苦手な話はめちゃくちゃ共感した。自分の情けない部分を曝け出しているのだけど、多くの人が魅了されるのは独特の感性や表現力の高さなんだろうな。 今は60代になられているけど、どんなことを考えているのか、最新のエッセイを絶対に読みたい。

Posted byブクログ

2024/02/14

世界音痴って私のこと!? 本書のタイトルに惹かれて、購読。 世界音痴あるあるに共感しながら 時に著者の感性の鋭さに感嘆して どこまでも読んでいたいと思う心地よいエッセイ。 同じ世界音痴仲間なのに 穂村さんの才能が羨ましい。 めちゃくちゃ好きな作品でした

Posted byブクログ

2023/12/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

太宰よりも好きかもしれない。 私も世界音痴なのでとても面白く哀しく読めた。 ⚪︎ 自然さを奪われた者は、世界の中に入れない。 不意に「ああっ」と叫びたくなる。「人生って、これでぜんぶなのか」 ⚪︎

Posted byブクログ

2023/11/26

歌人、穂村弘の初のエッセイ集の文庫版。主に30代後半の頃の著者の日常を赤裸々にかつ自虐的に書いていて面白い。いくつかタイトルと概要だけ紹介したい。 「回転寿司屋にて」。年間100回以上回転寿司屋に行っている!という著者の回転寿司屋に行く理由や、著者が回転寿司を眺めながら抱く奇妙...

歌人、穂村弘の初のエッセイ集の文庫版。主に30代後半の頃の著者の日常を赤裸々にかつ自虐的に書いていて面白い。いくつかタイトルと概要だけ紹介したい。 「回転寿司屋にて」。年間100回以上回転寿司屋に行っている!という著者の回転寿司屋に行く理由や、著者が回転寿司を眺めながら抱く奇妙な思いを描く。 「一秒で、」。雪道で転びそうになった彼女の手を放してしまう。その後の、著者と彼女は・・・。 「世界音痴」。飲み会を「自然に」楽しめない理由を綴る。これは個人的にかなり共感できる。 「菓子パン地獄」。著者の推定では通算2300本以上菓子パンを食べているそうで、著者の独特な菓子パンの食べ方も書かれているが、俺はいまだかつてこんな食べ方をしたことがない。 「点」。文字の書き順について書いている。図書館で著者が見かけたという女の子の「犬」を書くときの書き順に俺は驚きすぎて目の前がくらくらした。

Posted byブクログ

2023/11/11

穂村さんの人柄。 あまり分析しようしようとしていないのに、パッと的確な見解が生まれているという、すごく聡明で、自分は自分で、他人は他人で、事実を事実としてそのまま見ているような、すごく惹き込まれる人柄。

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