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憂鬱たち の商品レビュー

3.3

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    20

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憂鬱が生きる原動力

いつも世界を憂いている主人公の女と、彼女を憂鬱にさせ妄想をかきたてさせる2人の男が登場する連作短篇集である。著者が主人公を通して極めてリアルに描く、現実と妄想が時に時空を超えて交錯する世界に引きずり込まれるが、それは存外万人が多かれ少なかれ体感している精神世界なのではないか。主人...

いつも世界を憂いている主人公の女と、彼女を憂鬱にさせ妄想をかきたてさせる2人の男が登場する連作短篇集である。著者が主人公を通して極めてリアルに描く、現実と妄想が時に時空を超えて交錯する世界に引きずり込まれるが、それは存外万人が多かれ少なかれ体感している精神世界なのではないか。主人公は憂鬱やリビドーを原動力としてストレス過多な現実世界を生きている。

fugyogyo

2024/12/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一ページ目から卑猥な単語が並び、直接的な性行為の描写があるため正直人には勧めにくいが…金原ひとみさんの作品をいくつか読んでいればまあ慣れる(笑)。 読み進めるうちに、カイズさんやウツイくんと次はどんな出会い方をするのだろうと段々楽しみになっているのだから、しっかり作者の術中にハマってしまったと言える。 金原さんは読者が文章を読むスピードを、文の長さや単語選び・並べ方によって意図的にコントロールしているのが凄い。

Posted byブクログ

2023/03/04

ー 私は憂鬱だ。いつも世界を憂いている。しかし私は憂鬱な世界に生を受けた事をきっと心のどこかで受け入れている。憂鬱は快感だ。憂鬱は始まりだ。憂鬱は永遠だ。憂鬱に終わりはない。それはとても、素敵な事だ。 つまり、憂鬱をポジティブに捉える連作短編集。 連作短編集といっても収録された...

ー 私は憂鬱だ。いつも世界を憂いている。しかし私は憂鬱な世界に生を受けた事をきっと心のどこかで受け入れている。憂鬱は快感だ。憂鬱は始まりだ。憂鬱は永遠だ。憂鬱に終わりはない。それはとても、素敵な事だ。 つまり、憂鬱をポジティブに捉える連作短編集。 連作短編集といっても収録された7つの短編に繋がりはない。 しかし、神田憂、カイズさん、ウツイ君、名前と容姿は同じだけど人格は別の3人が必ず登場する摩訶不思議なつくり。 そして神田憂は精神科を受診しようと出かけるのだが、いつも寄り道してしまい、結局行けない笑 リピート系でじわじわ笑いが込み上げてくる。 評価は5に極めて近いけど、お下劣なので笑、あえて4。

Posted byブクログ

2022/08/09

7つの短編が収録されている本作は、一作ずつ違う話ではあるものの、主要な登場人物3人の名前を同じにすることで、主人公・神田憂の妄想劇集のような読み方を読者に求める。主人公は精神科に行きたいが、いつもその望みはウツイとカイズのいる世界に阻まれる。最後の短編で耳鳴りの話がある。僕もスト...

7つの短編が収録されている本作は、一作ずつ違う話ではあるものの、主要な登場人物3人の名前を同じにすることで、主人公・神田憂の妄想劇集のような読み方を読者に求める。主人公は精神科に行きたいが、いつもその望みはウツイとカイズのいる世界に阻まれる。最後の短編で耳鳴りの話がある。僕もストレスによる耳鳴りを経験したことがあるが、医者との会話は非常にリアルだったので、親近感を持って面白く読んだ。金原ひとみさんの作品には拒食症の主人公が頻出するが、同じ問題に悩んでいる人からすれば、心の支えになる作家なのだろうと思った。

Posted byブクログ

2021/06/05

憂鬱は素敵で魅力的だ 全てが憂鬱でそれを周りのせいにしていた頃の自分が顔を出してこっちを見てた 思えば遠くへきてしまったが、遠くへきても憂鬱は私のとなりで歩いてる 西加奈子さんが「みんな違ってみんなだめ」でいいんだと思える本として紹介していた

Posted byブクログ

2021/02/10

2021年15冊目 憂鬱は快感だ。憂鬱は始まりだ。憂鬱は永遠だ。憂鬱に終わりはない。 最初の作品は性的なだけで薄っぺらく感じたけど、途中から憂鬱に包まれた自分に気づく。憂鬱は美しい。

Posted byブクログ

2020/07/22

前に読んだエッセイは面白かったけど、 エッセイに書いてあったが、金原さんのお母さんはきっとこういう小説が嫌なんだろうな

Posted byブクログ

2015/12/10

この人の作品はこの人にしか書けないなぁ、と毎度感動する。 ぐちゃぐちゃだけどちゃんと成立してて一本芯の通ってる感じが凄い。言葉の並べ方も目から鱗。

Posted byブクログ

2015/07/07

「神様の田んぼがすごく憂鬱。で神田憂」こと主人公の神田憂が、精神科に行こう行こうとする日々の話。いろんなカイズさんといろんな宇津井くんが居るけど、どれも神田憂の創造物っぽい。あまりに狂っていて、だんだん笑えてくる。『ミンク』と『ゼイリ』がすきかな。『ミンク』はなんとなく渋谷のZA...

「神様の田んぼがすごく憂鬱。で神田憂」こと主人公の神田憂が、精神科に行こう行こうとする日々の話。いろんなカイズさんといろんな宇津井くんが居るけど、どれも神田憂の創造物っぽい。あまりに狂っていて、だんだん笑えてくる。『ミンク』と『ゼイリ』がすきかな。『ミンク』はなんとなく渋谷のZARAをイメージしてしまった。

Posted byブクログ

2015/04/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

金原ひとみはやっぱり頭のいい人だなあとおもう。 そして、すごく普通の感覚を持っている人だ。 このフレーズにすごく納得したのでメモしておく。 「でも、セックスなんて、相手が望んでいるから、相手が喜んでいるから、相手が欲しがるから、というその本当かどうか分からない視線の駆け引きの中でしか成立しないように思う。」

Posted byブクログ