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憂鬱たち の商品レビュー

3.3

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

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2014/02/02

性描写がほとんどだったがとても官能的で一瞬、官能小説かと思うくらいだったけど、ブラックユーモアも交えてて笑える箇所も多かった。 とくに、ゼイリが私の中ではお気に入り。

Posted byブクログ

2013/06/06

7つの短編でてきた本作の最初「デリタ」を読んで、はいはい出たまたエロ小説だよほんと相変わらずだな、という印象だった。が。7作全てに出てくる、主人公神田憂とカイヅさんとウツイくんはすごい。3人の関係だけて全ての話が成り立っていると言ってよい。しかも3人の表面上の関係は7作全てまちま...

7つの短編でてきた本作の最初「デリタ」を読んで、はいはい出たまたエロ小説だよほんと相変わらずだな、という印象だった。が。7作全てに出てくる、主人公神田憂とカイヅさんとウツイくんはすごい。3人の関係だけて全ての話が成り立っていると言ってよい。しかも3人の表面上の関係は7作全てまちまちだ。 個人的に好きだったのは、確定申告にひたすら苦しむ「ゼイリ」。コンビニの店員と警備員とメールでしかやり取りをしない税理士。コンビニ店員を愛し、警備員にヘイトし、税理士に急き立てられる不憫な女性。 短絡的でそこそこにキレる女性が毎度出てくるのがあたしの一番のシンパシー。 解説でキクチナルヨシが「TRIP TRAP」の「沼津」が面白かったって書いててなんだそれ読みたい読みたい読みたいよってほーらすぐ影響されちゃって。

Posted byブクログ

2013/05/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すべての人が、もしくは一部の人が抱える憂鬱や憤りなんかを小気味よく不快感も含めながら代弁してくれた作品。いい意味で不安定になる短編集だった。 『ゼイリ』の主人公が自分の中のバナナがすり減っていき、休養することでまたそのバナナが回復していくという例えは明快で面白く、私にもそういう部分があるので共感できた。 今の世の中はバナナの減少を最小限に食い止めながら再生していくことが必須なのかもしれない。

Posted byブクログ

2013/04/14

うーん、やっぱり金原作品はイマイチ共感もできなきゃ理解もできないですね。 鬱系の主人公も嫌いじゃないんですが、構ってちゃんタイプがダメなのかも。他人に依存しなきゃ生きていけない主人公とか。カンダユウは依存系とはちょっと違うけど、やっぱり理解できない主人公には違いなかったです。 7...

うーん、やっぱり金原作品はイマイチ共感もできなきゃ理解もできないですね。 鬱系の主人公も嫌いじゃないんですが、構ってちゃんタイプがダメなのかも。他人に依存しなきゃ生きていけない主人公とか。カンダユウは依存系とはちょっと違うけど、やっぱり理解できない主人公には違いなかったです。 7つの物語はすべて精神科に行こうと思っていても中々行けない主人公・カンダユウですが、出てくるほかの登場人物も同じ人。カイズさんとウツイくん。カンダユウの人物像はほぼ固定で、カイズさんとウツイくんの設定が違うという構成です。 同じ人物を違うシチュエーションで描く面白い作品であることは間違いないですね。そのあたりが苦手だとか言いながら結局金原作品を読んじゃう理由なのかも。 ちなみに服売り場の攻防を描いた「ミンク」が一番好きです。

Posted byブクログ

2013/03/14

主人公の設定のみほぼ固定で、いろんなシチュエーションでまったく別の職をもつ同じ名前のふたりを書いているのはすごい。しかし主人公の心理描写がやけに細かく、頭がおかしくなりそうだった。

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2013/01/27

鬱と妄想と性の短編集。 鬱で悩み中の主人公・神田憂が精神科に行こうとすると、別人だけど必ずおっさんカイズと青年ウツイ君が登場して行けなくなる。登場人物がこうゆうパターンで出てくるのは新鮮だった。とにかくぱっぱらぱーの妄想が凄い。

Posted byブクログ

2012/10/16

今日こそは精神病院で診察してもらおうと 毎日家を出る主人公のカンダユウが いつも寄り道をしてしまって辿りつけない 連作短編。 シチュエーションは違えど、出てくるのは カンダユウとカイズさんとウツイくん。 ずっと妄想独り言調。

Posted byブクログ

2012/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

欝で今日こそは精神科に行こうと思いながらも 毎回違う行動をとってしまい、 出会う人には必ずカイズさんとウツイくんがまとわりつく神田憂の鬱々とした日々。 バーのバイトにて 毛皮のコートを買うために入った店にて 電気屋にて ピアッシングスタジオにて 確定申告に追われるコンビニにて 耳鼻科にて どの場面でも精神科に行こうとする私が神田憂で どの場面に出てくる脇役がカイズとウツイで、 斬新さも面白さも正直なく、ただ話の単調さと世界の狭さに気味の悪さを抱く)^o^(

Posted byブクログ

2012/05/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この人の本は性に関する直接的な単語が多いな、というのが読みはじめてすぐの反応。 ただ、読み進めるにつれてその表現に嫌らしさを感じなくなる。 人との関わりが~~とか、性欲が~~という些細なことが馬鹿らしく思えてきて、最後の方の文章に書いてあった「憂鬱は快感だ」という表現がとてもしっくりくる。 あとは地の文に独特の浮遊感があって、会話と会話の間に一瞬で脳が感じたものをそのまま文章にしたような感じ。間の取り方がすごく好き。 ストーリー自体は、登場人物が固定で環境がいつも違うが主人公が常に憂鬱で病院にいきたいことだけが同じ。 流されやすくて薄っぺらい人生(主人公曰く)に同調できると楽しい。

Posted byブクログ

2012/04/30

精神科に行きたいのになかなかたどりつけない、鬱の憂ちゃんが主人公の短編集。 中でも、『デリラ』と『ゼイリ』が印象に残ったのだけど、奇しくも7作中4冊ある文学界掲載以外の作品… そして、憂が自分の中のバナナについて盛り上がっているシーンで公園で遊ぶかわいらしい女の子が「バナナ...

精神科に行きたいのになかなかたどりつけない、鬱の憂ちゃんが主人公の短編集。 中でも、『デリラ』と『ゼイリ』が印象に残ったのだけど、奇しくも7作中4冊ある文学界掲載以外の作品… そして、憂が自分の中のバナナについて盛り上がっているシーンで公園で遊ぶかわいらしい女の子が「バナナ!」って急に叫んでびっくりした…(偶然、バナナの皮が落ちてたんだけど。) 個人的には鬱を発症したことないし、実際こういう思考になりやすいとかよくわからないのだけど、憂ちゃんは鬱の自分をそう嫌ではないんでないかと。 憂鬱の扱いにくさとそんな自分を結局楽しんでしまうような感じはわかるなと、明るくはないけど楽しく読んでしまいました。

Posted byブクログ