玻璃の天 の商品レビュー
「――わたし達が進めるのは前だけよ。なぜ、こんなことになったのか。このことを胸に刻んで、生きていくしかないのだわ」 凄くもったいなくて、なかなか買えなかった1冊。 でも、何かを頑張った時にご褒美に買ってあっという間に読んじゃった。 とにかく、ベッキーさんが素敵過ぎる。 静なの...
「――わたし達が進めるのは前だけよ。なぜ、こんなことになったのか。このことを胸に刻んで、生きていくしかないのだわ」 凄くもったいなくて、なかなか買えなかった1冊。 でも、何かを頑張った時にご褒美に買ってあっという間に読んじゃった。 とにかく、ベッキーさんが素敵過ぎる。 静なのですよ。 今回は、特にベッキーさんの過去が明らかになってくるのだけれど、 それでも、動じないというか、理知的で冷静で、それでも暖かくて、 という凄くステキなお姉さま。 やっぱり表題作の「波璃の天」が印象的。 これこそまさに、ベッキーさんの過去が明らかになりそうな物語でもあるのだけれど、 その静かな様がしんしんと迫ってくるかのようだった。 素晴らしかったです。 早く次を読みたいような。読みたくないような・・・。 【11/12読了・初読・個人蔵書】
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いつもの優しさあふれる北村ワールドというよりは、第二次世界大戦前の不穏な空気が色濃く描かれいて、読んでいて何やら息苦しさのようなものすら感じました。シリーズ最終の「鷺と雪」を読むかどうかは微妙。
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「街の灯」に続くシリーズ2作目。 相変わらず「先が気になるのにずっと読んでいたくて読み進みたくない」お話でした。 まだ明るさが残る1作目から一転、時代の風潮を反映して全体の雰囲気が暗さを増してきた。もうすぐ中国での戦争が始まる。 でも、英子にも気になる人が登場した。お年頃ですよ...
「街の灯」に続くシリーズ2作目。 相変わらず「先が気になるのにずっと読んでいたくて読み進みたくない」お話でした。 まだ明るさが残る1作目から一転、時代の風潮を反映して全体の雰囲気が暗さを増してきた。もうすぐ中国での戦争が始まる。 でも、英子にも気になる人が登場した。お年頃ですよね。 連作短編の最終話近くになるのかと思われた展開が意外と早く出てきて驚き。ということは、もっと掘り下げると言うことなんだろうか。 解説が微妙にネタバレしていて興醒め。先の展開を書くのはルール違反だろ。
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ベッキーさんシリーズ第2弾。短編3本がゆる〜くつながっていて、最後に「謎」と「真相」が明かされた時アッと思わされます。「幻の橋」で英子と語らった若月少尉との関係も気になるなぁ、次巻も楽しみ。11年1/22読了。
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街の灯に続く作品。 設定とかがものすごーく好きで、主人公にも好感を抱いているわりに、この作品自体に惚れこめないのは、たぶん私ベッキーさんがあんまり好きではない。 (好きというわけではない。という話であって嫌いという意味ではないのだけれども) それに気付いたときこれは致命的だと頭...
街の灯に続く作品。 設定とかがものすごーく好きで、主人公にも好感を抱いているわりに、この作品自体に惚れこめないのは、たぶん私ベッキーさんがあんまり好きではない。 (好きというわけではない。という話であって嫌いという意味ではないのだけれども) それに気付いたときこれは致命的だと頭を抱え床の上をごろんごろんしたくなった。 だってこれはベッキーさんシリーズなのだから。 でもベッキーさん、ほんとにただの物語装置っぽくて好きになれんのだもの。 しかしよく考えてみれば今までベッキーさん、そこまで個人として細かく書かれてはいなかった気がする。 この巻で、何者なのかが明らかになったので、次の巻にはもうちょっと好きになれるかしら。 乾原さんの神さまの話はすごく考えさせられた。 私は、やっぱりまだ自分の神さまがほしいから。 卒論を書いてて、キリスト教の神は私の神さまではないってはっきり分かって少し残念に思ってたので、すごくすごく考えた。 お箏が出てきたので、懐かしくなった。 弾いてみたいと思ったけど、でも春の海の楽譜が見つからない…。 あったはずなんだけど。 見つけたら弾いてみよう。 こういうとき自分の箏買っといてよかったと思う。 鷺と雪が楽しみです。
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「街の灯」続編。前作では昭和初期の華やかさを感じたが、どことなく時代に暗雲が漂い出す。軽めの中篇推理小説だが、時代背景や文語体などにうといので少々苦戦した。アイデンティティをそれぞれに秘めた登場人物たちの人生が完結編でどうなるか期待が高まった。
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ようやく少しだけ、運転手の過去…と言いますか 素性? が分かりました。 今回3つの短編集。 すべてが後が分からないものとなっています。 一体この後どうしたのか、どうもしなかったのか。 想像できる状態になっているので、あれこれと考える事ができて ある意味楽しいですが、性格を考える...
ようやく少しだけ、運転手の過去…と言いますか 素性? が分かりました。 今回3つの短編集。 すべてが後が分からないものとなっています。 一体この後どうしたのか、どうもしなかったのか。 想像できる状態になっているので、あれこれと考える事ができて ある意味楽しいですが、性格を考えると…どうなのでしょう? 奪われた恋人、友人…娘? そして家族。 自分ならどうするか、どうしたいのか。 かなり考えてしまいました。
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ミステリとしては、小気味のいい小編という感じ。いわば「二人探偵」という趣の息が合ってきて、そのコンビネーションは美しい。 ただし、この短編集はそういう意味で短編ミステリを読むのではなく、短編ミステリに姿を借りたもっと大きな物語を読むべきなのだろう。戦争が徐々に近づいてきて、...
ミステリとしては、小気味のいい小編という感じ。いわば「二人探偵」という趣の息が合ってきて、そのコンビネーションは美しい。 ただし、この短編集はそういう意味で短編ミステリを読むのではなく、短編ミステリに姿を借りたもっと大きな物語を読むべきなのだろう。戦争が徐々に近づいてきて、自由とか愛とかを言葉にしにくくなってきた時代に、純粋培養だからこその強さを持つお嬢さんの存在はまぶしい。それ以上に、あきらかになってきたベッキーさんの背負うものがどんどん大きくなる。さまざまな登場人物が語る、この時代の流れに逆らう小さなつぶやきが、強く心を打つ。 こうした小さな投げ石が、本当に大きな波紋として心を打つためには、最終巻を待たねばならないのだろう。それがものすごく楽しみでもあり、短編ミステリとしてはちょっと残念にも思う。 2009/11/5
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令嬢・英子とその運転手「ベッキーさん」のシリーズもの。 昭和初期という時代設定がツボ。 お嬢様たちの学生生活や、当時の実際の出来事を織り込んであって、おもしろい。資生堂のミートクロケットを食べてみたくなった。 「相夫恋」の暗号はよくわからなかったけどな・・・・。
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昭和初期の東京。士族の花村家令嬢と女性運転手・別宮(べっく)の二人に遭遇する事件を描いた連作短編集「ベッキーさん」シリーズの2作目。 戦争へと向かう不穏な空気感の中、人が人を思うことの難しさが形を変えて描かれています。 恋、憎しみ、哀しみ、それぞれの登場人物が、それぞれの思いで...
昭和初期の東京。士族の花村家令嬢と女性運転手・別宮(べっく)の二人に遭遇する事件を描いた連作短編集「ベッキーさん」シリーズの2作目。 戦争へと向かう不穏な空気感の中、人が人を思うことの難しさが形を変えて描かれています。 恋、憎しみ、哀しみ、それぞれの登場人物が、それぞれの思いでこの世界に生きている……その一つ一つをかみしめる作品です。 ベッキーさんこと別宮さんが背負ってしまっているものも表題作の「玻璃の天」で描かれています。凛としたベッキーさんの感情の揺れをとにかく抑えて書かれているのが印象的で、三作目をすぐにでも読んでみたいと感じました。
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