追想五断章 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ミステリーというほど複雑でもなく、読みやすかった。 物語の鍵となる五つの短編も単純に面白かった。結末を組み替える仕組みが途中からわかってしまってつまらなくなるかなと思ったけど、もうひとつオチがあって楽しめた。 主人公の心情がうるさすぎず空気すぎず適度だった。
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故人の書いた五つの断章集めの話。一つ一つ辿りながら読んでいく楽しみもあって面白かった。それぞれが結末を記さないリドルストーリーになっていて結末の入れ替えも興味深い。真相やラストなどカッチリハマらない一冊だった。
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古書店員の菅生芳光に、北里可南子の父の小説を探がしてもらう。5つに分かれている小説を探すうちに、可南子の父とその関連の謎が明らかになっていく。が、その小説はリドルストーリー形式の小説のため中々難解である。徐々に謎が収束していくが……。
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古めかしい雰囲気がなんとも黴臭く陰鬱です。 1990年代前半て、もう20年も前なのか…そのことがすでにホラーだな。 全体的にアナログな感じがよかったです。 バブルがはじけたころの東京で、叔父の経営する古本屋に居候している芳光が、 北里可南子に依頼されて彼女の父である叶黒白の5篇...
古めかしい雰囲気がなんとも黴臭く陰鬱です。 1990年代前半て、もう20年も前なのか…そのことがすでにホラーだな。 全体的にアナログな感じがよかったです。 バブルがはじけたころの東京で、叔父の経営する古本屋に居候している芳光が、 北里可南子に依頼されて彼女の父である叶黒白の5篇の小説を探すこととなり、 それらを見つけ出す過程で、過去の「アントワープの銃声」の謎が明らかになっていきます。 5篇の小説は謎の答えが示されないリドルストーリーで、その最後の一文が別に保管されていたのですが、これらの断章がそれぞれ深読みできてぞっとする。 この本自体はリドルストーリーではなく、ちゃんと結末が描かれていますが、 そんな気はしたものの苦いラストでした。 芳光がよく分からないキャラで、結局実家に帰ってどうしたいのか分からなかったけど、 ミステリーとしては面白かった。
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古典部シリーズに通ずるものを感じた。 時代は今(2013年)からおよそ20年前という設定を失念せずに読めたのは芳光が連絡手段として使用し、頻繁に描写がある公衆電話のおかげ。バブル崩壊だのなんのと、現代社会の教科書の項目を記憶から引き出すよりも、今では街中から姿を最小限に姿を消しつ...
古典部シリーズに通ずるものを感じた。 時代は今(2013年)からおよそ20年前という設定を失念せずに読めたのは芳光が連絡手段として使用し、頻繁に描写がある公衆電話のおかげ。バブル崩壊だのなんのと、現代社会の教科書の項目を記憶から引き出すよりも、今では街中から姿を最小限に姿を消しつつある緑色の彼。私も小学生時分にお世話になったから。
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過去に妻殺しの疑惑をかけられた事がある男性が遺したリドルストーリーを、娘と古書店の居候の青年が探し求め、真相を突き止める、少し変わったミステリーです。 本当にラストまで、ハッキリしないままで、ミステリーですら無いのではとか思っていたら、ラストに鮮やかに解明されました。 父親の...
過去に妻殺しの疑惑をかけられた事がある男性が遺したリドルストーリーを、娘と古書店の居候の青年が探し求め、真相を突き止める、少し変わったミステリーです。 本当にラストまで、ハッキリしないままで、ミステリーですら無いのではとか思っていたら、ラストに鮮やかに解明されました。 父親の、娘に対する愛が垣間見れたような気がしてホッとしたのと、最後に残されたリドルストーリーがまた皮肉な感じで良かったです。
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2010年「このミス」で第4位、作者別で1位を獲得してたことから、米澤穂信さんの作品を読み始めました。 古本屋でバイトをしていた大学生が、報酬に惹かれて依頼人の5つの小説を探すことから、過去に起こった事件につながり、思わぬ真実が明らかになる。 最後に、こう来るか!と思わせる...
2010年「このミス」で第4位、作者別で1位を獲得してたことから、米澤穂信さんの作品を読み始めました。 古本屋でバイトをしていた大学生が、報酬に惹かれて依頼人の5つの小説を探すことから、過去に起こった事件につながり、思わぬ真実が明らかになる。 最後に、こう来るか!と思わせる作品でした。
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リドルストーリーとしての楽しみと『最後の一行』両方の楽しみが味わえる。雰囲気は暗い感じだが良い。おもしろかった。
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父親の遺した短編5つを探してほしいという依頼を受けた、古書店居候・芳光。短編を探すうち、自らの人生をも辿ることになる。 5つともリドルストーリーなのだが、別の手紙に一行の結末を残すという共通性。結末を組みかえることで、著者をめぐる妻殺しの過去がみえてくる。 依頼人が幼いころ母親に飛びついたせいで、殺人と同義の結果になってしまったというオチだった。父親はそれを隠すために結末を組み替えたのだ。 本文と結末のギクシャク感には早めに気付くので、ちょっと落とし所が弱い気がするが、リドル・ストーリーって不思議な魅力がある。
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米澤さんは4作品目。一言で感想を言うのであれば「のっぺらぼうみたいな作品」。要するに、個人的には大ハズレ。 経済的事情により大学を休学し、伯父の営む古書店に身を寄せている主人公がひょんなことから5つのリドルストーリーを探してほしいとの依頼を受けることに。リドルストーリーを探すうち...
米澤さんは4作品目。一言で感想を言うのであれば「のっぺらぼうみたいな作品」。要するに、個人的には大ハズレ。 経済的事情により大学を休学し、伯父の営む古書店に身を寄せている主人公がひょんなことから5つのリドルストーリーを探してほしいとの依頼を受けることに。リドルストーリーを探すうち、過去の事件の謎も見え隠れし… なんてストーリーを書くと面白そうにも感じるけど、実際はどの登場人物にも魅力が全くなく、スピード感も謎解きの楽しさもどんでん返しもなく淡々と話が進んでいくだけ。 登場人物の個性がハッキリしないし、感情の表現も直接的。しかも全く共感できないちょっとずれたものばかり。時代背景もイマイチつかめない。なんでこんなに評価が高いのか理解できん。 米沢さんは当たり外れ激しいのかもなー。
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