追想五断章 の商品レビュー
仕掛けはなるほどなあと。 なんとなく気だるい感じが全編に漂う作品。 何もかも口を閉ざしたままあの世まで持って逝くか、真実を明らかにするかの葛藤に苦しみ、あの様な形で残さざるを得なかった人物の辛さが哀しい。
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常日頃から師と仰ぎ読書についてもご指南いただいているブログ「リストラ天国日記 http://www.geocities.jp/restrer/ 主宰から紹介の作家さん(注:円楽が歌丸を称賛する時と同様の悪意を内在していますw) チャラいとか若者向けと聞いていたがどうやらチャ...
常日頃から師と仰ぎ読書についてもご指南いただいているブログ「リストラ天国日記 http://www.geocities.jp/restrer/ 主宰から紹介の作家さん(注:円楽が歌丸を称賛する時と同様の悪意を内在していますw) チャラいとか若者向けと聞いていたがどうやらチャラくない作品をチョイスしたようで私にとってはアタリだったようだ。 それどころか敢えてクラシカルな印象を狙った作風はなんとなくではあるが清張先生をも彷彿とさせて何かと文句の多い我々の世代も十分に楽しませてくれた。 それはそう見えるように仕向けた米澤さんの技巧なのだろうがリドル・ストーリーを絡めた結構難易度の高いであろうプロットの展開を破綻もなく纏め上げられるのは単なる模倣ではなくやはりこの人の才なのだろうと思う。 評判の「満願」も期待して良さそうだ
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作中作はあまり好きじゃなくて斜め読みだったけど、全体の展開は楽しめた。なんとなくオチはよめてたかんじではあったけど…ま、期待を裏切らないという点では決して悪くはないと思う。
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意外と他の人の評価が高くなくて驚いている。叶黒白の五断章のところなんて、言葉の持つ力に圧倒されっぱなし。リドルストーリーの不気味な雰囲気を醸し出し、その割には主題がこじんまりとしていたのが残念だが一つ一つの言葉が本から飛び出して、ガツンガツンぶつかってくるような不思議な感覚に襲わ...
意外と他の人の評価が高くなくて驚いている。叶黒白の五断章のところなんて、言葉の持つ力に圧倒されっぱなし。リドルストーリーの不気味な雰囲気を醸し出し、その割には主題がこじんまりとしていたのが残念だが一つ一つの言葉が本から飛び出して、ガツンガツンぶつかってくるような不思議な感覚に襲われた。難点があるとすれば、力がありすぎるあまり、筆者がミスリードしようとするリドルストーリーの結末がすんなりと入って来ず、深読みせずにはいられないというところか。結末が先に分かってしまうんだな。あれ、書いているうちに星五は高すぎる評価かな、と定まらなくなってきた…。いやしかし、面白かった!と思う!
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米澤さんの小説を読むのは2冊目ですが、これが彼の作風なのでしょうか。なんだか背筋が寒くなって後味が悪いというか…。あ、でもこの後味の悪さはいい意味ですけどね、私は好きですこういうの。 北里可南子の亡き父が書いていた小説5篇。彼は生前にその小説を手離しており、その小説の存在を知っ...
米澤さんの小説を読むのは2冊目ですが、これが彼の作風なのでしょうか。なんだか背筋が寒くなって後味が悪いというか…。あ、でもこの後味の悪さはいい意味ですけどね、私は好きですこういうの。 北里可南子の亡き父が書いていた小説5篇。彼は生前にその小説を手離しており、その小説の存在を知った可南子がなんとか手元に戻そうと探している所から話しは始まります。 最初の1篇を探して辿り着いた古本屋で、そこの居候である菅生芳光に、残りも探して欲しいと依頼する。 その後は芳光が小説探しに動いていく訳ですが、この小説は結末がないリドルストーリーという作りになっていて、ラストは読み手に委ねられているというもの。この内容のテーマがまた重い…。 最終的には二者択一となっているが、どちらを選んでもなんとも言えない読後感になってしまう。 一見、可南子の父の追想かと思いきや物語は意外な方向へ。 そして、本作品自体がリドルストーリーなのでは?という作りはすごい!前に読んだ『儚い羊たちの祝宴』の時にも感じたけど、米澤さんは芸術性が高いというか品が良いですね。
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途中でやめられずに一気読みしました。 なのになぜ評価が低いか? 私の頭が悪いのか、肝心の結末が理解できなかった… アントワープの銃声に対する答えがリドルストーリーにあるっていう思いつき…それについていけなかった…がくっ。 そして、愛はあったの?なかったの? …私はなかった、と読ん...
途中でやめられずに一気読みしました。 なのになぜ評価が低いか? 私の頭が悪いのか、肝心の結末が理解できなかった… アントワープの銃声に対する答えがリドルストーリーにあるっていう思いつき…それについていけなかった…がくっ。 そして、愛はあったの?なかったの? …私はなかった、と読んでしまった… 女が見つかったら秘められた思いが明らかになる、と信じる人々に、そうはならないと私は思い、真実は永遠に凍りついている、という言葉から、 愛は永遠に凍りついてしまった、と読みました。 ということで、かなりモヤモヤしてしまって…☆2でした。 でも、リドルストーリーは面白かったです。ひきこまれてしまった。次の話が気になって、どんどん読んでしまいました。 百田尚樹さんの「幸福な生活」を思い出すような内容でした。
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娘が、亡父の書いた五編の小説ー自らの過去の殺人容疑について答えたものーを、依頼を受けた古書店アルバイトの青年が探し集める。うーん、米澤穂信上手いなあ。読後感がポーの小説を読んだ時と似ていると思うのは自分だけ?
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主人公が勤める古書店に訪れたお客様から、お客様の父親が書いた5編の小説探しを頼まれる。見つけた小説を読むうちに、5編の小説からのメッセージに気付いて。っていうお話し。 この5編の小説が、素人が書いているという設定のせいか、かなり読みづらい。そして主人公が暗い。っていうのが、受け付けないのかな~。好みではありませんでした。
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2014.01.28 古書店のアルバイトが故人の書いた行方のわからない小説五編を探すという設定が楽しめました。 作中に出てくる見つかった小説もまた暗くて私好み。それらがしっくりと絡み合って最後のオチになるところが、上手いな〜と思いました。また時間が経ったらじっくり再読したいです...
2014.01.28 古書店のアルバイトが故人の書いた行方のわからない小説五編を探すという設定が楽しめました。 作中に出てくる見つかった小説もまた暗くて私好み。それらがしっくりと絡み合って最後のオチになるところが、上手いな〜と思いました。また時間が経ったらじっくり再読したいです。 これを読む前に恩田さんのモヤっとする小説を読んでいたから余計にそう思うのかも。 主人公にも依頼主にその周辺の人々にも光がないというか救いがないようなお話でしたがそれがまた良かった。こういうじっとりと暗いお話は好きです。主人公と笙子と伯父さんはその後どうなったのか気になります。
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再読。米澤穂信読もう週間?の一環で。あんまり記憶になかったけど、難しかったからだな、と思う。前回の「儚い羊たちの祝宴」と一緒に読んだんだよな。で、暗いな、と思ったんだよな。こっちの方が確実に暗い。で、はっきりしない。この主役の芳光とおじさんの広一郎が何を考えてるのかがよく分からない。作中作となってる、叶黒白の作品も暗い。淡々としてるんだよな。やっぱ古典部、小市民シリーズが好きだ。
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