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追想五断章 の商品レビュー

3.5

219件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

    87

  3. 3つ

    73

  4. 2つ

    16

  5. 1つ

    3

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2022/08/29

小説が遺言に 「リドルストーリー」(結末を読者の想像に委ねる)短編小説に託した可南子の父は、世に遺したのは謎を秘めた真実だった。密室事件にありがちな当事者しか知らない真実を娘にも告白せず半永久に残る小説に託したのだ。読者の想像、予測に委ねた作品は「消化不良」となりがちで、「後味」...

小説が遺言に 「リドルストーリー」(結末を読者の想像に委ねる)短編小説に託した可南子の父は、世に遺したのは謎を秘めた真実だった。密室事件にありがちな当事者しか知らない真実を娘にも告白せず半永久に残る小説に託したのだ。読者の想像、予測に委ねた作品は「消化不良」となりがちで、「後味」が悪い。だが、今後「我が人生」としてそういった内容も遺書をネット上に残す人も増えてくる気がする。それは今までずっと秘めていたことを告白し、気持ちを軽くして逝きたい人が増えると感じる。

Posted byブクログ

2022/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

結末をあえて書かない作品を「リドルストーリー」というのだと、この作品で初めて知りました。 ラスト1行を入れ替えられるやん、と思いながら読んでいたので、結末にはそう驚きませんでした。 文体も作中の時代設定も、いつもの米澤さんより古くて固めな気がします。語彙が増えてラッキー。 静かに娘を育てきった北里さんの、やるせない思いが滲んだ五断章でした。

Posted byブクログ

2020/08/19

満願を想起させるようなゴシックな雰囲気。バブル弾けたあたりの時代背景がもはやノスタルジックに感じます。古典部シリーズなどの軽妙なストーリーの一方で、こんな雰囲気にも浸らせてくれる米澤氏、幅の広さが素晴らしすぎです。断章の文章が凝りすぎ?でなかなか把握できず、芳光の解説でなるほどね...

満願を想起させるようなゴシックな雰囲気。バブル弾けたあたりの時代背景がもはやノスタルジックに感じます。古典部シリーズなどの軽妙なストーリーの一方で、こんな雰囲気にも浸らせてくれる米澤氏、幅の広さが素晴らしすぎです。断章の文章が凝りすぎ?でなかなか把握できず、芳光の解説でなるほどね、と思う始末。結末は少しあっけないようにも思えましたが、小説を探し出していく過程はミステリアスで楽しめました。

Posted byブクログ

2019/07/17

この人の本は2冊目。 素晴らしい。 装丁も素晴らしい一冊。図書館での借り物なので、単行本を見つけたら手元に置いておきたい。 お金はかかりそうだけど、ストーリー的にもビジュアル的にもなんで映画化されてないのか不思議なくらい。筆致がとか、表現がとか、そういうのを超えていて、ページをぬ...

この人の本は2冊目。 素晴らしい。 装丁も素晴らしい一冊。図書館での借り物なので、単行本を見つけたら手元に置いておきたい。 お金はかかりそうだけど、ストーリー的にもビジュアル的にもなんで映画化されてないのか不思議なくらい。筆致がとか、表現がとか、そういうのを超えていて、ページをぬけて読む人の頭に浮かばせるイメージが美しい。満足。

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2019/05/30

非常に練られた構想で 深く読まなきゃもったいない内容。 話そのものは難しくないのだけど、文体や表現、語彙が難解ですーっと入ってこなかった。5つの断章だけで、何度読み返したことか。 とても疲れる作業だった。 楽しむというよりもこうなったら最後まで読まなきゃという義務に駆り立てりるよ...

非常に練られた構想で 深く読まなきゃもったいない内容。 話そのものは難しくないのだけど、文体や表現、語彙が難解ですーっと入ってこなかった。5つの断章だけで、何度読み返したことか。 とても疲れる作業だった。 楽しむというよりもこうなったら最後まで読まなきゃという義務に駆り立てりるような苦しい読書だった。

Posted byブクログ

2018/10/24

リドルストーリーって言葉は初めて聞いたかな? って気もするんだけども、なんか昔の小説って割とそういうのばっかりじゃないか。別にこれといった結論もないというか、オチもないというか。そういうのとは違うのか。 しかしじんわりと染み込む話の展開は、割と好き。全体的にはゆるゆると流れてい...

リドルストーリーって言葉は初めて聞いたかな? って気もするんだけども、なんか昔の小説って割とそういうのばっかりじゃないか。別にこれといった結論もないというか、オチもないというか。そういうのとは違うのか。 しかしじんわりと染み込む話の展開は、割と好き。全体的にはゆるゆると流れているのように見せかけて、登場人物がいやにハードボイルドだし、叔父さんはいい味出してるし、主人公は己をわきまえているというか、分を知っているというか。 でも最後には獲物を追い詰める。おまえさんなら掛川に帰ってもやっていけるよ。

Posted byブクログ

2018/10/20

リドルストーリー自体も面白かったし、それに隠された仕掛けも見事。バブル崩壊後のやるせない空気とか淡々とした人物描写とか、ミステリ以外の部分もとても好み。

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2018/10/08

23:アントワープで起きたある事件と、残された5編のリドルストーリー。作中作を読み進めるごとに落ち着かない感じが増していったのですが、恐らくは意図的なものだったのでしょう。ラストのひっくり返され方が気持ちよくて、いっそ清々しい。ザ・米澤節! 切ない余韻が美しい。

Posted byブクログ

2018/03/22

父を亡くした北里可南子が、菅生芳光のいる菅生古書店に訪れたことで可南子の父である参吾が生前に書いた五断章を探すことになる。 読み終えてみれば、少し切ないような、やっぱりそうだったのかと思ってしまうような…不思議な感覚に陥った。 五断章、見つけられて良かった。 可南子は、どうす...

父を亡くした北里可南子が、菅生芳光のいる菅生古書店に訪れたことで可南子の父である参吾が生前に書いた五断章を探すことになる。 読み終えてみれば、少し切ないような、やっぱりそうだったのかと思ってしまうような…不思議な感覚に陥った。 五断章、見つけられて良かった。 可南子は、どうするんだろう。 芳光は、きっと前に進む。 読んでる途中のワクワク感が半端なかった。 断章を見つける度に嬉しかった。 形はどうであれ、ハッピーエンド、かな。

Posted byブクログ

2017/10/22

学生に戻ったような...文体のせいなのか世界観なのか、とても懐かしく読み進めました。 (あ、本屋、図書館がらみだからかな) 「儚い羊たちの〜」ではあまり共感出来なかったものの、雨の匂いを感じられるような、カビの匂いがするようなミステリーでした。 お祭りの騒がしい中、芳光君が戻って...

学生に戻ったような...文体のせいなのか世界観なのか、とても懐かしく読み進めました。 (あ、本屋、図書館がらみだからかな) 「儚い羊たちの〜」ではあまり共感出来なかったものの、雨の匂いを感じられるような、カビの匂いがするようなミステリーでした。 お祭りの騒がしい中、芳光君が戻ってきて、長野というロケーション、釣りしのぶ、良いラストでした。

Posted byブクログ