床屋さんへちょっと の商品レビュー
短編が過去にさかのぼっていく形式が初めてだったので新鮮だった! 短編の中にあるちょっとしたネタが次のお話に続いているので、「あっ」となるのが楽しい。 写真では少し泣いてしまった。
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【図書館本】これは今の私にとって大当りだったなぁ。父娘の人生を、より身近に知ることができたなという読後です。世の中には色んな年代の人がいるけれど、みんな若い時代があって、社会の厳しさや理不尽さなどに打ちのめされるそうになる。当時の自分には味方なんかいないと思っていても、その人にと...
【図書館本】これは今の私にとって大当りだったなぁ。父娘の人生を、より身近に知ることができたなという読後です。世の中には色んな年代の人がいるけれど、みんな若い時代があって、社会の厳しさや理不尽さなどに打ちのめされるそうになる。当時の自分には味方なんかいないと思っていても、その人にとって、その時々の精一杯のことをやってきたことが、ちゃんとどこがで誰かが見ていて、ひそかに慕っている人がいる。それは、苦しくも亡くなって始めてわかるようなこともある。それでもその人が一生懸命に生きていたからこそなんだろうな。
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やっぱり山本幸久さんの本は読みやすい。するすると懐に入ってきて寄り添うように物語が展開される。読めば読むほどに味が出てきて。 床屋さんを軸に時系列があっちこっちと流れていくので整理しながらは難儀したけれど、そこを差し引いても心がほんわかする。 登場人物それぞれがみんな温かくってと...
やっぱり山本幸久さんの本は読みやすい。するすると懐に入ってきて寄り添うように物語が展開される。読めば読むほどに味が出てきて。 床屋さんを軸に時系列があっちこっちと流れていくので整理しながらは難儀したけれど、そこを差し引いても心がほんわかする。 登場人物それぞれがみんな温かくってとても優しい気持ちになれた。 古き良き時代から現代への変遷も良かったと思う。
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一度会社を潰した主人公の現在から過去への回想録。勲(主人公)と登場人物との関係性が、時間軸を通して分かってくる。 家族って何だろう?父親と娘の関係とは?仕事とは?を涙あり、笑いあり優しいタッチで、大変だったことも懐かしい思い出に変えて教えてくれる。 愚直とも言えるほど真っ直ぐ...
一度会社を潰した主人公の現在から過去への回想録。勲(主人公)と登場人物との関係性が、時間軸を通して分かってくる。 家族って何だろう?父親と娘の関係とは?仕事とは?を涙あり、笑いあり優しいタッチで、大変だったことも懐かしい思い出に変えて教えてくれる。 愚直とも言えるほど真っ直ぐにそして不器用に生きて来た主人公に対して、娘や関わった人達が親しみと尊敬の念を抱いて接しているところが微笑ましく、特に辛い局面の時「悔しくても泣くな!可笑しいことを考えて笑え!」の言葉は、逃げずに立ち向かえといったエールにも聞こえ、とても心に響いた。 床屋さんが現在と過去をつなぐキーになっていて、それがまた気持ちをほんわかとさせてくれている。最後はうるうると泣いてしまった。 オススメの一冊。
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2016.3.28 読了 7章からなる短編集。 宍倉勲(ししくらいさお)は、いまは リタイアした 孫もいるおじいちゃん。 かつては 自分の父から受け継いだ会社の 二代目社長だった。 15年 先代に比べられながらも 勲なりに頑張ったが、つぶしてしまった。 まだまだ 若い...
2016.3.28 読了 7章からなる短編集。 宍倉勲(ししくらいさお)は、いまは リタイアした 孫もいるおじいちゃん。 かつては 自分の父から受け継いだ会社の 二代目社長だった。 15年 先代に比べられながらも 勲なりに頑張ったが、つぶしてしまった。 まだまだ 若いときだったので、 その後 繊維会社で働き 定年を迎える。 1章ごと 時代が遡ってゆく。 その間 勲目線で 描かれてゆく。 会社をつぶしてしまった引け目と どこか自信なさげな感じで、 淡々と進んでゆくのですが、 若干 退屈くらい思ってたのですが。。。 最後の章で 一変!! この章が ジワジワくる、くる! 娘目線で 勲がどう見られてたか、 ドーンと わかってきたときには 涙があふれてきました! タイトルの床屋さんの位置も なかなかよくて。。。 これは、オススメ!
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主人公の勲の人生の時間が現代から過去へと逆行していく形の話運び。家族との関係。倒産させてしまった会社への後悔の念。そして床屋と基本軸をしっかりさせながら。山本節でほっこりと、時にはホロリとさせてくれます。巻末は孫の勇の話、文庫化での追記作。
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父が起こした製菓会社を潰してしまった2代目社長宍倉勲の半生の連作短編集。 引退し、自分の墓を探しに行く話から始まり、時代を遡りながら話は進んでいきます。各話には、床屋と娘と潰してしまったシシクラ製菓が必ず寄り添い、勲の人となりを語るキーとなっています。 勲自身が、個性がなく先代...
父が起こした製菓会社を潰してしまった2代目社長宍倉勲の半生の連作短編集。 引退し、自分の墓を探しに行く話から始まり、時代を遡りながら話は進んでいきます。各話には、床屋と娘と潰してしまったシシクラ製菓が必ず寄り添い、勲の人となりを語るキーとなっています。 勲自身が、個性がなく先代社長に見劣りすると思っていた自分。 最後の章は娘香目線で語られますが、天然だけど、カッコ良かった父、葬儀には、びっくりする程の人が集まった人徳のあった人だったという話には、読者目線では、もうわかってたよーと、鼻の奥がツーンとして仕方がなかったです。 香じゃないけど、最後は泣き笑いで読みました。 著者の作品の良さが爆発した、素敵な話。 大好きな本となった1冊です。
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図書館でふと手に取った一冊だったけど、思いがけず良い本だった 「床屋」をテーマにしたオムニバスかと思いきや少しずつ時間を遡り最終章では娘の香を主人公に据えた構成が面白い 真面目に生きていれば必ず幸せになれるとは思はないけど、それでも「真っ当」に生きることは何より大切なことだと...
図書館でふと手に取った一冊だったけど、思いがけず良い本だった 「床屋」をテーマにしたオムニバスかと思いきや少しずつ時間を遡り最終章では娘の香を主人公に据えた構成が面白い 真面目に生きていれば必ず幸せになれるとは思はないけど、それでも「真っ当」に生きることは何より大切なことだとも思う
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以前に読んだ凸凹デイズ同様、この作者は人物と周辺の設定が上手い 時間を遡る連作短編という形も決まっている エンディングがやや気に入らないので4.2点
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大事な仕事の前。大切な人に会う前。人は髪を整える。 身だしなみを整えるのは自分のためでもあるが、相手のためでもある。 人に対面する際、過剰に着飾る必要はないが、きちんとした姿で臨むのはマナーである。逆に、だらしない姿で構わないというのは、相手に対してモチベーションが下がってい...
大事な仕事の前。大切な人に会う前。人は髪を整える。 身だしなみを整えるのは自分のためでもあるが、相手のためでもある。 人に対面する際、過剰に着飾る必要はないが、きちんとした姿で臨むのはマナーである。逆に、だらしない姿で構わないというのは、相手に対してモチベーションが下がっているとも言える。 床屋は(女性にとってはヘアサロン)そういった心掛けから通う場所なのかもしれない。 新年を迎える前に。大切な人とお別れした時に。前を向き、新しい自分になるために向かう。 行きつけの床屋の思い出と家族の歴史がリンクする。墓の購入、会社の倒産、転職、結婚、離婚…少し切なくて、あたたかい読後感。
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