1,800円以上の注文で送料無料

床屋さんへちょっと の商品レビュー

4.1

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2009/11/08

サラリとしてジンときてホロリとする。 山本さんの今度の小説は登場人物がみんな自分に対して一生懸命に生きている、だから頑張れって応援したくなる。 そしてそれを読むことによって自分に対しても前向きに頑張ろうって気持ちにさせてくれる。 途中ちょっと淡々として中だるみしそうなところもあっ...

サラリとしてジンときてホロリとする。 山本さんの今度の小説は登場人物がみんな自分に対して一生懸命に生きている、だから頑張れって応援したくなる。 そしてそれを読むことによって自分に対しても前向きに頑張ろうって気持ちにさせてくれる。 途中ちょっと淡々として中だるみしそうなところもあったけど最後はジーンときてあったかで爽やかな気持ちに。 やっぱり山本さんの作品は好きだなぁ。

Posted byブクログ

2011/07/19

ダメでしたね、私・・・。何も、善良な人とか賢い人とかだけ出てくる話が読みたい、というわけでは全然ないのですが、あまりにも類型的な「おバカ」が多くて、読み進むのが大変でした。で、そんな「おバカ」に後付けで一寸人間味を振り掛けて、奥行きを出してくれようとしても、許せる言動と許せない言...

ダメでしたね、私・・・。何も、善良な人とか賢い人とかだけ出てくる話が読みたい、というわけでは全然ないのですが、あまりにも類型的な「おバカ」が多くて、読み進むのが大変でした。で、そんな「おバカ」に後付けで一寸人間味を振り掛けて、奥行きを出してくれようとしても、許せる言動と許せない言動があるんだぁ〜〜〜と。製菓会社の二代目ながら、15年間の奮闘の末、会社をつぶし、その後は一介のサラリーマンである主人公、という設定は面白かったと思うんだけど、あまりに能天気な阿呆(今回、私、すっごく口が悪いですね。)がうじゃうじゃ出すぎ!時折、魅力的な人物が出てくるので、(赤道直下の国への出張中出合ったトムとか、元やくざで背中に刺青を入れているという噂の実は元製菓会社の社員羽生とか)なんとか最後まで読んだけど、それと、現在と過去がランダムに描かれているところは確かに面白かったけど、あまりにナマな勘違い野郎(また悪口だ! もう止まらないですね、これは)に翻弄されるという筋立ては安易としか思えない。私はダメだと思ったら、結構、早めに読むのをやめるので、感想で悪口を書くことは滅多にないのだけど、(好きな人もいるわけだしね)これは言わずにられない・・。申し訳ないけど、です。

Posted byブクログ

2011/08/06

山本幸久さんの本は、どれも読後、ほっこりと暖かくなって好きですが、中でも一番好きな作品となりました。それぞれのお話の会話やエピソードが、次々に繋がって最後のお話であたたたかくまとまります。仕事でも家庭でも、失敗したり、気持ちがすれちがったりして落ち込むこともあるけれど、いつかうま...

山本幸久さんの本は、どれも読後、ほっこりと暖かくなって好きですが、中でも一番好きな作品となりました。それぞれのお話の会話やエピソードが、次々に繋がって最後のお話であたたたかくまとまります。仕事でも家庭でも、失敗したり、気持ちがすれちがったりして落ち込むこともあるけれど、いつかうまくいくさ、わかりあえるさって思わせてくれます。年配の人の気持ちも子供の気持ちも、男性の気持ちも女性の気持ちも、どうしてこう上手に描けるんでしょ。おすすめです。

Posted byブクログ

2011/07/21

いい年して泣いちゃいました。「梳き鋏」「テクノカットの里」は特に。この物語は平凡な男の平凡な人生が描かれている。それは大河ドラマにあるような歴史や時代を動かした男の波瀾万丈のドラマチックな生き方ではない。しかし世の多くの男たちは平凡で善良な生き方を貫き、そして死んでゆくのである。...

いい年して泣いちゃいました。「梳き鋏」「テクノカットの里」は特に。この物語は平凡な男の平凡な人生が描かれている。それは大河ドラマにあるような歴史や時代を動かした男の波瀾万丈のドラマチックな生き方ではない。しかし世の多くの男たちは平凡で善良な生き方を貫き、そして死んでゆくのである。今更何になろうとも何を残そうとも思わない。そんなことができるとも思っていない。しかし、自分が行った些細な出来事は、周りの人々に様々な幸福や不幸をもたらしているのだろう。そしてそれこそが自分が生きていたという証となるのだろう。この物語を読んで人生を考えさせられました。どの話にも常に登場する香という一人娘の生き方や存在が主人公と世の中との結び付きを良く表している。たぶんこの本は山本幸久氏のベストです。そしてこの本は子ども向けではないなぁ40禁ですな^^

Posted byブクログ

2009/10/04

いつもの山本節より抑え目のしっとりした作品だった。 主人公が定年を迎えた男性だからかな。 宍倉勲はやり手ワンマン社長の父からシシクラ製菓を引き継いだものの、オイルショックの影響もあり会社を倒産させた過去を背負っている。 その後勤めた繊維会社での出来事、娘との思い出、その娘が子供...

いつもの山本節より抑え目のしっとりした作品だった。 主人公が定年を迎えた男性だからかな。 宍倉勲はやり手ワンマン社長の父からシシクラ製菓を引き継いだものの、オイルショックの影響もあり会社を倒産させた過去を背負っている。 その後勤めた繊維会社での出来事、娘との思い出、その娘が子供を連れて出戻ってきた現在、孫との交流・・・それらを行きつけの床屋、旅先での床屋などにからめて描いた作品。 時間は現在から始まり過去と現在を行きつ戻りつする。 「丈夫な藁」で登場する部下の里見さんは、お仕事系小説の頑張る女性を連想するし、勲の娘の香もやっぱり懸命に働いている。 けど、今回の主役はあくまでもお父さんである勲。 彼が二代目として奮闘したシシクラ製菓での仕事ぶり、その後の繊維会社での仕事ぶり、それが最後の「床屋さんへちょっと」でいきてくる。 じんわりときて、少し涙がこぼれた。 こんなテイストのお仕事系もいいもんです。

Posted byブクログ