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技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか の商品レビュー

4.1

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2012/02/21

ルワンダに住んでいると、日本の存在感が益々小さくなっているように感じます。車こそトヨタ車が強いものの、建設やIT事業なども韓国中国企業の勢いは凄い。 他方、自分が担当している農業の国際協力事業においても、技術自体は日本が確かなものを提供しているにも拘らず、欧米各国が展開する事業に...

ルワンダに住んでいると、日本の存在感が益々小さくなっているように感じます。車こそトヨタ車が強いものの、建設やIT事業なども韓国中国企業の勢いは凄い。 他方、自分が担当している農業の国際協力事業においても、技術自体は日本が確かなものを提供しているにも拘らず、欧米各国が展開する事業に凌駕されないようあがいている状況。 「技術の急所を捉えて重点的に磨き上げ、それを今度は他のプレイヤーにも使いやすいように普遍的な形に加工することの重要性」を、アップルやインテルを事例に説明。 自分の仕事にどう活かせるかなあ。

Posted byブクログ

2012/02/12

”「日本の自動車産業は、十五年で壊滅状態になります」"というメッセージで始まる本書は、日本が”技術力”では勝っていても、"事業"、ビジネスでは惨敗してしまっているからくりを解く内容。 半導体、家電、IT、、、さまざまな分野でもはや日本企業がイニシア...

”「日本の自動車産業は、十五年で壊滅状態になります」"というメッセージで始まる本書は、日本が”技術力”では勝っていても、"事業"、ビジネスでは惨敗してしまっているからくりを解く内容。 半導体、家電、IT、、、さまざまな分野でもはや日本企業がイニシアチブを取っている分野はなく、唯一世界的に存在価値を保てている自動車産業も、電気自動車の本格到来と共に、日本の優位性を消滅してしまうとの見解。 ビジネスモデル形成の例として、"インテル・インサイド型"、"アップル・アウトサイド型"の話があり、 これからの日本に対して、 「事業戦略」、「研究開発戦略」、「知財戦略」 の三位一体経営の必要性を説く。 また、非常に複雑、且つ、スピーディーになっている現代社会において、社内で全てを完結させようとする事自体に無理とリスクがあり、オープンイノベーション、オープンインベンションの有効性を紹介。 そして、イノベーションからディフュージョンまでのビジネスロードマップを描き、それに応じて、事業戦略、研究開発戦略、知財戦略のそれぞれのロードマップを策定する必要があるとの事。 天然資源のない日本の唯一の資源は人材と技術力。しかし、それらをマネジメントするリーダーシップ能力がなければ事業までには至るわけもない。 現在、"事業"をマネジメントする高いリーダーシップ能力が最も社会に望まれているのだと強く思う。

Posted byブクログ

2012/01/26
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※このレビューにはネタバレを含みます

技術力で勝る日本がなぜ事業で負けるのか? 会社で特許検討ミーティングに参加し、特許権の活用が事業化のための必要条件と なっていることに対して体験を通じて興味を持ち、 また、「多数の特許の取得が、必ずしも事業展開に貢献出来てない」状況である事を知ったため、 「特許と事業化の関係性」について学ぶことを目的として選択した本。 全約390ページ 1章:成長か?発展か? 34ページ 2章:イノベーションモデルの基本型 28ページ    - 2つのサイクルと1つの事業モデル - 3章:インテル・インサイド型とアップル・アウトサイド型 44ページ 4章:イノベーションモデルのイノベーション 32ページ    - 新しい十分条件の登場 - 5章:技術のオープン化が市場を拡大する 40ページ 6章:イノベーションイニシアチブと三位一体経営  54ページ    - 「発明」「普及」を組み合わせる戦略的シナリオ - 7章:ビジネスモデルと知財マネジメント 98ページ    - 事業競争力の保持、強化に向けて - 8章:可変的/発展的イノベーションモデルへ 54ページ    - 科学技術立国日本に至る道 - 補章:思考イノベーションのヒント 12ページ ・技術戦略モデルの変容 個人発明→大企業独占→大企業切磋琢磨→ビジネスモデル知財戦略→(そして次世代へ) ・イノベーションとは何か? - 要はcollaborative invention. - それを「マネジメント」「アドミニストレート」「オペレート」する人材が必要 ・知財マネジメントの成功例 - 日清食品、シマノ、その他「独創的な基幹技術」を持ち標準化して他製品に組み込む。 - 「家でしっかり育て、18歳を過ぎたら家から出す。」ようなマネジメント 野球、麻雀、軍師、旧日本軍(真珠湾、マレー沖海戦)、 シナリオライターの例による説明 三位一体 ・「製品特性」に沿った急所技術の開発 ・「市場の拡大」と「収益保護」を同時達成するビジネスモデルの構築 ・独自技術の権利化と秘蔵化、公開と条件付きライセンス、標準化オープン等を使いわける知財マネジメントの展開 の事業構造を描くことが重要となってくる。 日本企業の特許戦略の実態について解説されており、 今後のビジネス戦略を考える基礎となった。 -- 読むのに2週間かかった。

Posted byブクログ

2012/01/01

うすうす気づいていたが、 1メーカーとして「ものづくり」にこだわりすぎている日本の弱点を 改めて発見。 【2011年10月一気に読破】

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2011/12/18

実はこの本は読んでおらず、「なぜ、日本が太陽光発電で世界一になれたのか」というNEDOの本を読んだのですが、装丁がそっくり!わざと?!

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2011/11/27

世界の半導体企業の中ででほぼ唯一と言って良い高収益を誇るインテル。日本の企業群全体で半導体に関する特許は1万余。ではインテルの保持する特許はどれくらいなのかという問いかけから始まる(答えは是非ご自身で読んでみてください)。 いいもの(技術)を作れば売れる、という時代は終焉を迎え、...

世界の半導体企業の中ででほぼ唯一と言って良い高収益を誇るインテル。日本の企業群全体で半導体に関する特許は1万余。ではインテルの保持する特許はどれくらいなのかという問いかけから始まる(答えは是非ご自身で読んでみてください)。 いいもの(技術)を作れば売れる、という時代は終焉を迎え、いかに自らで市場を創造するか、また、創造した市場の中で自身が存在感を持ち続けるにはどうすればよいのか、といったポイントについて成功事例を通しながら考察を行っている。技術を収益に繋げる方法論を学び取りたい一冊。

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2011/09/17

結論としては、三位一体の事業経営、知財マネジメントをどう行っていくのか。といったあたりかな。 成長か発展か、オープンかクローズか、急所技術の開発、市場の拡大か収益確保かなど、事象にあわせて、メリハリをつけていくことがいるのかな。

Posted byブクログ

2011/09/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白い内容の本だった.はず・・・(--;) 三位一体 第一章 ・成長(growth):既存モデルの洗練/磨き上げ ・インプルーブメント(improvement):モデル練磨 ・発展(development) ・イノベーション(innovation):モデル創新 第二章 ・イノベーションモデルの基本型 ・テクノロジープロジェクションモデル(技術シーズ起点型知的創造サイクルモデル) 知財の創造 → 保護・権利化 → 活用 ・ビジネスリフレクションモデル(イノベーションシナリオ起点型事業創造サイクルモデル) ビジネスモデル → 知財構成のデザイン → 知財(技術)の調達 第三章 ・インテル インサイド(基幹部品主導型) ・アップル アウトサイド(完成品主導型) 第四章 ・「アポロ計画」の時代:科学技術=競争力 ・「ヤング レポート」の時代:技術経営×プロパテント=競争力 ・「パルサミーノ レポート」の時代:プロイノベーション=競争力 ・第一期:個人発明家の時代 ・第二期:垂直統合型自前主義の単独一社による「画期的発明駆動型」イノベーション ・第三期:複数の垂直統合型自前主義の「切磋琢磨型」イノベーション ・第四期:ビジネスモデルと知財マネジメントの展開による国際針形分業形イノベーション 第五章 ・内インテグラル(摺り合わせ)外モジュラー(組み合わせ) ・内プロプラ(独自技術)外スタンダード(標準) ・内クローズ(秘匿)外オープン(公開) 第六章 ・「三位一体」モデル ・製品特性(アーキテクチャー)に沿った急所技術の開発 ・「市場の拡大」と「収益確保」を同時達成するビジネスモデルの構築 ・独自技術の権利化と秘匿化,公開と条件付きライセンス,標準化オープン等を使い分ける知財マネジメントの展開 第七章 ・有形資産重視経営から無形資産重視経営へ ・知財マネジメントの基本 ・事業力強化の知財マネジメント -事業リスクの最小化 -事業チャンスの最大化 ・プロイノベーション時代のビジネスモデルと知財マネジメント -インテル インサイド型 -アップル アウトサイド型 -ピストルビジネス型 -独立市場形成型 第八章 ・イノベーション=インベンション協業×ディフュージョン分業 ・イノベーションシナリオの作成 ・イノベーションモデル(可変的/発展的イノベーションモデル) ・イノベーションロードマップの作成 ・新興国の活用 補章 ・思考イノベーションのヒント ・知の新領域の創出モデル -アドバンスト(先端知) -インター(学際知) -ニッチ(隙間知) -フュージョン(融合知) -トランス(横断知) -メタ(上位知/俯瞰知) ・"創造"の6つの方法

Posted byブクログ

2011/08/16

垂直統合型で発展してきた日本の製造業がまだそのモデルに固執して、世界の製造業の事業モデル、特に新しいイノベーションモデル(=インベンション[発明、技術開発]×デフュージョン[普及])を基にした知的財産戦略を組み込んだ事業モデルに変化していることに追いついていないことに警鐘を鳴らす...

垂直統合型で発展してきた日本の製造業がまだそのモデルに固執して、世界の製造業の事業モデル、特に新しいイノベーションモデル(=インベンション[発明、技術開発]×デフュージョン[普及])を基にした知的財産戦略を組み込んだ事業モデルに変化していることに追いついていないことに警鐘を鳴らす内容で、製造業で働く私にとっては衝撃的でした。 よい技術を豊富に持つ技術「大国」の日本が、それを良い事業に育てて国を繁栄させる技術「立国」に発展させるために理解しなければならない「現状」を丁寧に説明し、何をしなければいけないかを提示した本でした。 特に研究開発と事業モデルの構築(事業開発マネジメント)と知財マネジメントの三つを統合する三位一体を主導する「事業軍師」が重要だということに私は強い感銘を受け、どうすればわが社で「軍師」を育成できるかの議論を深めてみたくなりました。 今年上半期に読んだ本で、私にとっては間違いなくベスト3にはいる有意義なものです。製造業に関わる人にはお勧めです。

Posted byブクログ

2011/07/15

まず、この本はオススメです。 タイトルにも惹かれてしまうが、中身も期待を裏切らない。 製造業を中心にした日本の実態、アップル・インテル(ウインテル)の成功パタンの解説はとてもわかりやすく書かれており、それが故に日本との差が明確にっている気がする。 基本は、オープンとクローズの使...

まず、この本はオススメです。 タイトルにも惹かれてしまうが、中身も期待を裏切らない。 製造業を中心にした日本の実態、アップル・インテル(ウインテル)の成功パタンの解説はとてもわかりやすく書かれており、それが故に日本との差が明確にっている気がする。 基本は、オープンとクローズの使い方になる。そこで重要なのが事業のロードマップである。シナリオと言ってもいいかもしれない。 そしてそれを状況に応じて修正・実施・省察することがもっと重要。 まさに軍師という人物が戦況を左右する。例にもマレーシア沖での日本軍が世界に与えた衝撃を書かれている。 個人的なまとめとしては、自分がどこで戦うかを把握して、何をオープンに、何をクローズにするかという観点で、それぞれのパタンでシミュレーションを行い、勝つシナリオを決めることからスタートすることになる。 簡単にいえば、戦うということを再認識して、それをコントロールしなければ、欧米諸国にもってかれ、NIEs/BRICSが大量生産、世界的な支配を凄いスピードで作りあげてしまう。これを危機感としてちゃんと認識して、事業シナリオを描き、実行させることなんだな。 ということで、行動力、求心力に加え、軍師として人を育てる必要があるな。 再整理のため、また読んでみる予定。

Posted byブクログ