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技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか の商品レビュー

4.1

69件のお客様レビュー

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2015/08/08

イノベーション・知的財産権の研究者である著者が、タイトルに示される要因の事象を分析し、今後の日本企業の技術経営のあるべき姿をまとめた一冊。 インテルの成功に顕著に示されるように、現在の技術経営のポイントは、自社の製品を準完成品として捉え、別レイヤーに位置する他社を巻き込むことで...

イノベーション・知的財産権の研究者である著者が、タイトルに示される要因の事象を分析し、今後の日本企業の技術経営のあるべき姿をまとめた一冊。 インテルの成功に顕著に示されるように、現在の技術経営のポイントは、自社の製品を準完成品として捉え、別レイヤーに位置する他社を巻き込むことで完成した製品/サービスの生態系を作りあげられるかどうか、という点が結論。インテルの事例自体はこの手の話ではよく出てくる話なので新鮮味はないが、そこからの示唆として、「レシピ付き中間部材の提供」という戦術を提示しているのは興味深い。 これは、インテルが台湾に自社MPUを組み込んだマザーボード(もちろんこのマザーボードは内部がブラックブックス化されており、外部IFがオープンになっている所謂「中インテグラル・外モジュール」の仕組みになっている)の製造ノウハウを提供し、彼らが安価なマザーボードを生産することでPC市場が一気に拡大し、インテルのMPUも自動的に拡販されるというメリットをもたらす。同様の例としては、三菱化学のDVDメディアなどが挙げられており、汎用性のある戦術として面白い。 技術経営に関する本は昔から様々なものがあるが、定番的なインテグラル・モジュールの議論なども含めて、類書の中でも網羅的に要素が押さえられている印象。

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2015/07/06

Intel inside/Apple outside 成功しているビジネスモデルを評論することは容易いが、このような戦略を考え実践することは難しい。 本を読めば実践できる類の話ではないが、こういう事実を認識し、きっかけにすることは大事だと思う。

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2015/02/21

以前から大変気になっていた本だったが、発刊から数年経った今ではますます喫緊の課題となっている内容であり、非常に勉強になった。 また、P232の麻雀の例えによる自前主義からの脱却の必要性の説明は非常に分かりやすく、技術戦略に疎い人にも感覚的に理解しやすいのではないかと感じた。 P3...

以前から大変気になっていた本だったが、発刊から数年経った今ではますます喫緊の課題となっている内容であり、非常に勉強になった。 また、P232の麻雀の例えによる自前主義からの脱却の必要性の説明は非常に分かりやすく、技術戦略に疎い人にも感覚的に理解しやすいのではないかと感じた。 P350からの全ての製品(部品も完成品も)を準完成品と捉え、様々な階層において活用法を探るという考え方は、インプルーブメント一辺倒から脱しイノベーションを起こすために取り組みやすい考え方であると思われる。 まずはそうした考え方を取り入れ、新しいイノベーションモデルに気づき、学び、考えるというトレーニングを行って行きたいと思う。

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2015/01/06

自分自身が身を置いている業界において、なぜ日本企業のプレゼンスが低下しているのか、分かりやすく説明してくれている本。頭の中で抽象度が高かったことが、整理することができた。 「イノベーション=インベンション」の時代は終わり、「イノベーション=インベンション×ディフュージョン」で考...

自分自身が身を置いている業界において、なぜ日本企業のプレゼンスが低下しているのか、分かりやすく説明してくれている本。頭の中で抽象度が高かったことが、整理することができた。 「イノベーション=インベンション」の時代は終わり、「イノベーション=インベンション×ディフュージョン」で考える必要がある。一般的に日本はディフュージョンの部分ができている企業が少ない。 ディフュージョンを加速する上で、製品のライフサイクルに合わせた事業モデルの構築、知財マネジメントを本気で考えなくてはならない。 技術を囲い込む戦略から、ある部分をオープンにすることで市場拡大をし、その上で利益を生むシステムを構築しなくてはならない。

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2014/07/27

輪講で使った。 ビジネスモデル成功の具体例が解説されておりわかりやすい。ただコンシューマー向けの例しかなかったのは残念。

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2014/03/26

日本の敗因は、すべて自前主義でやってきて変化のスピードに対応できないこと。一方、最近のオープンイノベーションという名のもとに、ただ知財を開放するという動きもあり、それも危険。大事なことは、技術開発、知財マネジメント、ビジネスモデルの三位一体の構想開発(これをイノベーションと呼ぶ)...

日本の敗因は、すべて自前主義でやってきて変化のスピードに対応できないこと。一方、最近のオープンイノベーションという名のもとに、ただ知財を開放するという動きもあり、それも危険。大事なことは、技術開発、知財マネジメント、ビジネスモデルの三位一体の構想開発(これをイノベーションと呼ぶ)。具体提案として、バリューチェーンごとに、ビジネスモデル、技術開発、知財マネジメントを可視化し、その上で、どの技術を「知財権で守る」「特許をとらず秘匿化する」「自社の技術を標準化させるためにオープン化する」「知財だけでなくビジネスモデルで参入障壁をつくる」などがあり、それぞれ判断が必要。

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2014/01/05

ビジネスモデルの話かと思って買ったが、意外にも知財に関する話題が多かったので参考になった。 関連図書 ヘンリー・チェスブロウ「オープンビジネスモデル 知財競争時代のイノベーション」http://www.amazon.co.jp/dp/4798115010

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2013/05/26

方向性はもっともだと思うけれど、実際にどうすれば事業で勝てるようになるのかが完全にわかるようにはならなかった。

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2013/05/21

ポイントは「イノベーション×ディフュージョン」。 確かな技術があっても、その分の価値を生み出さなくては意味がないし、持っている企業にとっては悔しい思いをすることとなる。 日本の企業は、技術を磨けばいいという怠惰なことはせず、ちゃんと”経営”しないといけない。 また、「準完成品」...

ポイントは「イノベーション×ディフュージョン」。 確かな技術があっても、その分の価値を生み出さなくては意味がないし、持っている企業にとっては悔しい思いをすることとなる。 日本の企業は、技術を磨けばいいという怠惰なことはせず、ちゃんと”経営”しないといけない。 また、「準完成品」が自分ではいい視点となると思った。

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2013/03/08

知財方面のブティックな課題と経営の打ち手の距離を縮める意欲的な一冊。 2009年の段階で約1,000あると推測されていた日本電気や東芝の特許数に対して、インテルはその数320程度というオドロキの比較から幕を開けます。 特許制度の活用を野球に例えるなら、十四安打、二十二残塁でま...

知財方面のブティックな課題と経営の打ち手の距離を縮める意欲的な一冊。 2009年の段階で約1,000あると推測されていた日本電気や東芝の特許数に対して、インテルはその数320程度というオドロキの比較から幕を開けます。 特許制度の活用を野球に例えるなら、十四安打、二十二残塁でまたも無得点。この敗因に、1970-80年代にかけて日本が席巻したイノベーションモデルが劣化したに違いないとしか考えられていないジレンマが挙げられています。 決定力不足を課題とした日本のサッカーを思い出せば、その後、世界に出た才能が日本のサッカーを変えて行くストーリーに、学ぶものが多いのではないかと考えさせられました。

Posted byブクログ