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技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか の商品レビュー

4.1

69件のお客様レビュー

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2013/02/07

モデル練磨競争で日本に負けた米国は、80年代から準備を始め、90年代にモデル練磨という競争モデルを前提に戦うことを捨てました。つまりモデル自体をかえる戦略に出た 第一原則 従来モデルの改善をいくら突き進めても、イノベーションはおこらない 2 イノベーションは従来モデルを駆逐し、...

モデル練磨競争で日本に負けた米国は、80年代から準備を始め、90年代にモデル練磨という競争モデルを前提に戦うことを捨てました。つまりモデル自体をかえる戦略に出た 第一原則 従来モデルの改善をいくら突き進めても、イノベーションはおこらない 2 イノベーションは従来モデルを駆逐し、その生産性向上努力を無にする 3 システム的階層構造上、常に上位のモデルのイノベーションが競争優位にたつ 4 下位レベルのモデル磨きは、上位モデル磨きにとどまる場合が多いが、時に上位モデル創新となる場合もある 5 プロダクト・イノベーションのほうがプロセス・イノベーションより強い 6 同種モデル間の競争はインプルーブメント、異種間の競争はイノベーション 7 成長と発展、イノベーションとインプルーブメントはスパイラルな関係 世界の産業においては、インプルーブメントで勝つすなわち従来モデルを練磨することで勝つ競争モデルから、イノベーションで勝つすなわち新規モデルへの移行によって勝つ競争モデルへと移行しつつある 日本の産業の問題の一つは、新規事業がなかなか生まれないこと  中途半端な大企業再生事業も産業保護政策もかえって逆効果 アキバと郊外電気量販店で電気自動車販売 自動車のディーラは日本中に敷きめぐらされた写真フィルムの現像所と同じモデルをたどるのではないか デジュール標準、デファクト標準、フォーラム標準 高級自転車シマノのインサイドモデル 岡山の林原 大企業が絶対にやらない研究テーマに10,20年の長期の研究開発をしながら挑戦することを戦略方針にしている 天然型ひとインターフェロン 製造ノウハウを非特許障壁とする 三菱化学のDVDメディア 彼を知り己を知れば、百戦危うからず。彼を知らずして己を知らば一勝一敗す。彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに必ずあやうし 役員に欠けている危機意識 現在は自然に出来上がった環境なのか 真珠湾マレー沖海戦思考 勝った理由をしっかり認識せず、また負けた理由をしっかり分析せず、それらへの対応を真剣に考えておらず、それゆえ適切な対処をしないこと 残念なことに日本人は教わることは得意ですが、自ら学ぶことがあまりうまくない国です。負けた時、悔しい時イギリス人は徹底的に振り返り、自省します。アメリカ人も中国人もそうです。日本人は徹底的に解明することを嫌がります。しかしちゃんと振り返らないと、気付き、学び、考えるは絶対におこらない

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2024/03/20

ゲームのルールを変えた者だけが勝つ。 invention(発明)がinnovation(価値創新)の時代は終わった。 イノベーションモデルの変化  1.個人発明家の時代  2.大企業による画期的発明の時代  3.複数の大企業による切磋琢磨の時代  4.ビジネスモデルと知財マネジ...

ゲームのルールを変えた者だけが勝つ。 invention(発明)がinnovation(価値創新)の時代は終わった。 イノベーションモデルの変化  1.個人発明家の時代  2.大企業による画期的発明の時代  3.複数の大企業による切磋琢磨の時代  4.ビジネスモデルと知財マネジメントによる国際分業の時代 インテルもアップルも「準完成品」 イノベーションプロセスを加速化するコツ:  ・インテグラル型の技術をモジュラー部品に落とし込み(invention):欧米企業  ・適切な分業相手とともに普及(diffusioin)する。:新興国企業    ・・・英国式植民地政策と同類系。 三位一体型の事業構想  1.製品特性に沿った急所技術の開発  2.市場の拡大と収益確保を同時達成するビジネスモデルの構築  3.独自技術の権利化と秘匿化、公開と    条件付ライセンス、標準化オープンなどを使い分ける知財マネジメント 分解してわかる技術は特許に、わからないものは特許にしない。 IBMは、 ものづくりからコンサルテーションに移行しているだけではない。 自社のスーパーコンピューターを活用できるサービスとして位置づけている。 主たる事業を中核においた上で、 それを包み込むサービスを展開する新しいビジネスモデル。 サービス業と言う他のレイヤーとの関係付けを行って新しいビジネスモデルに進出。  上位レイヤーの方が強い。   ネットワークという上位レイヤーによりWALKMANはIPODに負けた。

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2012/12/28

うーん。 私の期待するポイントとは違ったかな。 技術力=自動車という連想に新鮮味がなかったかなと。

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2012/12/09

妹尾堅一郎氏@2012/12/07@大阪での講話 ~ 「出願権利化を中心とする知財マネジメント」が機能していたのは、従来のビジネスモデル。モノの所有からサービスの使用”へ産業のパラダイムシフトが起きるなか、「技術で勝る日本がなぜ事業で勝てないのか」は、言い換えれば「特許(数)で勝...

妹尾堅一郎氏@2012/12/07@大阪での講話 ~ 「出願権利化を中心とする知財マネジメント」が機能していたのは、従来のビジネスモデル。モノの所有からサービスの使用”へ産業のパラダイムシフトが起きるなか、「技術で勝る日本がなぜ事業で勝てないのか」は、言い換えれば「特許(数)で勝る日本がなぜ事業で勝てないのか」だ。 技術者への出願ノルマや出願競争が、特許出願することを自己目的化した。特許出願により技術をフルオープンにしてしまったために、事業で勝てていない。 特許権は独占排他権だというのは、80年代のこと。今日では、特許が独占排他権だと言うのはミスリーディングだ。独占排他権の呪縛があるから、権利を独占的に使いたがる。  特許は参入障壁、標準化は参入促進だと言ってきたが、今日では、特許が参入促進になることもある。パテントプールが機能すれば、たくさんの企業が参入して、参入障壁にならない。標準化をとれれば勝てるというのも勘違いだ。 欧米企業はもっとうまく標準化を使って儲けている。それは、アジアの企業に国際標準化を推進させておき、その標準化以外の部分で利益は欧米企業に行くような仕組みをつくっている。電気自動車で日本規格のCHADEMOを国際標準にしようとしているが、それはどうか。 2000年代の「技術開発⇒特許取得⇒特許活用⇒回収」という技術主導の知的創造サイクルは、「事業構想⇒競争力⇒知財調達」という事業主導のサイクルに変わっている。 であれば、知財人材も、従来型の権利取得型から、事業主導の知財活用人材に変わっていかなければいけない。

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2012/08/23

オートメーション化された工作機械が日本独自の職人芸を不要とし、これらの機械が技術的に未熟練なアジア製造業に拡がったこと、また職人技を持っている熟練職人がリストラにより海外に流出したことなど、現在の電機業界をはじめとした日本の製造業の凋落要因が独自の視点で整理されている。

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2012/07/24

専門的な内容で、就業経験がない学生にとっては少し難しい箇所もあった。 しかし、有名企業の知財戦略や市場の技術標準化については非常に興味深く、とっつきやすい内容だった。 この本を読んで改めて日本の現状が少し理解できたと同時に、多くの技術者・経営者が考えていかなければいけない国際間...

専門的な内容で、就業経験がない学生にとっては少し難しい箇所もあった。 しかし、有名企業の知財戦略や市場の技術標準化については非常に興味深く、とっつきやすい内容だった。 この本を読んで改めて日本の現状が少し理解できたと同時に、多くの技術者・経営者が考えていかなければいけない国際間競争問題が多くあることに危機感を感じた。

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2012/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本が技術力で勝っているのになぜ負けるのか? ずっと疑問であった。 太平洋戦争中と同じ事が起こっている。 真珠湾攻撃という海から空への転換期を日本がイノベーションしたにも係わらず、その成功と失敗を見過ごしてしまった。 究極は戦略性の無さ、先見性の無さに尽きるが、今後の日本には、知財に対するマネージメントが必要である。

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2012/04/30

知財に関連してメーカーがどのように事業戦略を立てていくかについて。 主な概念は、 ・インテグラル(摺合せ型)とモジュラー(組立型)の対比 ・知財マネジメントについて ・・・どこまでを特許をとるか、製造ノウハウを自社内で秘匿するという選択肢、あえて技術をオープンにして標準化すること...

知財に関連してメーカーがどのように事業戦略を立てていくかについて。 主な概念は、 ・インテグラル(摺合せ型)とモジュラー(組立型)の対比 ・知財マネジメントについて ・・・どこまでを特許をとるか、製造ノウハウを自社内で秘匿するという選択肢、あえて技術をオープンにして標準化することで有利にすること、など。。 知財マネジメント全般について考えさせられた。就活始める前に読んでおけば、もっといろんな軸をもって動けたのかも。

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2012/04/04

技術があるにも関わらず、事業化に失敗してきた日系企業(主に製造業)と、デファクトスタンダードを打ち出し成功してきたインテルやマイクロソフトといった欧米企業のビジネスにおける違いを、技術経営の考えを用いて解説した1冊。 現状は更に深刻になっていると思われ、クラウドコンピューティング...

技術があるにも関わらず、事業化に失敗してきた日系企業(主に製造業)と、デファクトスタンダードを打ち出し成功してきたインテルやマイクロソフトといった欧米企業のビジネスにおける違いを、技術経営の考えを用いて解説した1冊。 現状は更に深刻になっていると思われ、クラウドコンピューティングのインフラ面でもGoogleやAmazonなどにもう遅れを取っている。 製造業が抱えている'今'の問題点を知りたい人へ。

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2012/03/21

日本の製造業は従来改善によるプロセスイノベーションで勝ってきたが、米国はイノベーションモデル自体をイノベートすることでそれを陳腐化し、それについていけなかった日本が国際競争で勝てなくなってきたということ。また市場の拡大時に日本企業がシェアを失う原因として技術のクローズ/オープン戦...

日本の製造業は従来改善によるプロセスイノベーションで勝ってきたが、米国はイノベーションモデル自体をイノベートすることでそれを陳腐化し、それについていけなかった日本が国際競争で勝てなくなってきたということ。また市場の拡大時に日本企業がシェアを失う原因として技術のクローズ/オープン戦略に触れる。著者の提唱するのは①急所技術の研究開発、②市場拡大と収益確保を両立するビジネスモデル構築、③クローズ/オープンを使い分ける知財マネジメントの展開、の三位一体の経営。著者の専門の知財マネジメントに関する部分が長かった。

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