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技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか の商品レビュー

4.1

69件のお客様レビュー

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2011/07/06

ちょっと前のはやりの垂直統合/水平分業、オープン/クローズを知財管理の視点から書いた内容であるが、日本の産業の衰退の分析として説得力のある内容、大変乗りのよい書きっぷりと、わかりやすいメタファーにより新しい視点や既存視点の再整理が行えた。上述の論文で名をはせた小〇教授の論文より数...

ちょっと前のはやりの垂直統合/水平分業、オープン/クローズを知財管理の視点から書いた内容であるが、日本の産業の衰退の分析として説得力のある内容、大変乗りのよい書きっぷりと、わかりやすいメタファーにより新しい視点や既存視点の再整理が行えた。上述の論文で名をはせた小〇教授の論文より数段わかりやすい内容だった。日本の産業の衰退の原因として、本書でも最後の方ですこし触れられているが個人的には日本人マインド的要素も大きいとは思う。それでも技術的視点から一つの要因として納得。この著者の他の本もよんでみよっと!

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2011/06/18

題名の通り、個々に高い技術を持っている日本が、なぜグローバルな戦いでは勝てないのか、インテルやアップルの戦略を整理しつつ解きほぐしていて分かりやすい。 技術力は大事だが、それをどう活かすかで勝負が決まる。イノベーションを起こせるか、世の中のルールを変えられるか。

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2011/06/08
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発売後すぐに買ったのに忙しくて積読にしてた本。だけど本当に読んでよかった。MOT、知財、そして何より技術立国としての日本の戦略やあり方を体系だてて整理した熱い内容の本でした。もともと論文を書く人の著書なので英文にしても読めそうな簡潔な書き方だったけど、たぶん日本の歴史と文化が分かっているからこそ面白いという書き方なので厚いけどさくさく読めます。2回目からはマーカーと筆記用具ノートを用意して3回は読んだほうがいいと思うくらいお勧めです。

Posted byブクログ

2011/05/06

最近の日本企業の悩みを分析する上で、非常に参考になりました。ドラッカーやクリステンセンの本を読んだ後に、読むとさらに良く分かると思います。後半の特許に関する部分は理解はできますが、特許はもちろん、さらに多面的な参入障壁を構築しないと、韓国企業には勝てないと思います。

Posted byブクログ

2011/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

会社のある部長さんが推薦していたので、読んでみました。とっても参考になりました。 要は日本が90年代破竹の勢いで世界市場を席捲していた時に、欧米諸国はただ辛酸を嘗めていた訳ではなく、その次のビジネスの仕組みを着実に整えていた。日本はそこに胡坐をかいて座っていたことで、すっかり儲ける仕組みが変わってしまった現在でも、過去の成功体験にすがりついて、「今が踏ん張り時」と消耗戦を演じている・・・。 確かに、データを見ても身の回りを見ても明らか。過去電子機器は日本のシェア8割以上あったはずなのに、今は10%前後をうろうろ。自分の周りを見回しても、日本製品の割合が明らかに減っている。 iPhoneにACERのモバイルPC、特に感じるのがそれらの性能が格段に高まっていること。iPhoneは言うまでも無く、ACERのPCも日本製品以上に軽くて電池の持ちも良いし・・・。 じゃあ何故欧米企業が躍進したのか?どんな仕組みを作ったのか? その答えは「急所技術を抑え」て作った「インテル・インサイド」と「アップル・アウトサイド」型ビジネスの構築。 ご存知インテルは、パソコンの頭脳とも言うべきCPUを作っている会社で、今やほとんどのPCがIntelのチップを使ってます。CMでおなじみですね。 インテルが行ったのが、”急所技術”として中心となる演算装置と、その外部とをつなぐ通信装置(PCIバス)を徹底的に開発した。そしてPCIバスの内部の演算装置はブラックボックスとして内側に抱え込み、その外側は国際標準で規格化して完全に公開した。 公開された技術は台湾のメーカーによって安価で大量に生産され、世の中のパソコンはその規格と、安い台湾製品を使わざるを得なくなり、その規格に合ったCPUはインテルしか作れないのでIntelが市場を独占できる、という構図。 ここで重要なのが、急所技術以外は標準化、オープン化して他社の参入を促し、投資リスクを抑えつつ市場の拡大を狙えること。新規技術は「死の谷」といって、普及して市場が確立するまで時間もお金もかかる=ディフュージョンの過程。ここを他社と分業しているのだ。 アップルもしかり。MACにしてもiPhoneやiPodにしても、iOSというOSを公開することで、アップルはiTunesからの莫大なソフト収益を得ることができている。 大体こんなとこで、後は後は知財の仕組みが結構なボリュームがありましたが、難しめなので軽く読み進めました。 今後日本の技術を語っていく上での参考書にしたいと思います~

Posted byブクログ

2011/03/29

事例に重複はあるものの、 「知財マネジメント」について分かりやすく書かれていた。 いかにイノベーションを起こすか、その概念の変遷についても触れる。

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2011/03/26

ビジネスモデルの変化についていけない日本企業。 その変化は、 「相撲では絶対に負けない。」とある分野の実力を練磨してきたのだが、 「じゃあ、今からテニスで勝負を決めよう。」と戦いのルールそのものを変えられてしまうのに相当する。 ルールを相手に有利に変えられたのでは、戦いに窮するの...

ビジネスモデルの変化についていけない日本企業。 その変化は、 「相撲では絶対に負けない。」とある分野の実力を練磨してきたのだが、 「じゃあ、今からテニスで勝負を決めよう。」と戦いのルールそのものを変えられてしまうのに相当する。 ルールを相手に有利に変えられたのでは、戦いに窮するのも無理はない。 ただし、本書で成功例として出てくる、アップル、インテルも、かつてビジネスで大敗しているというところは、ある意味希望を与える。 失敗してからどうするというところに、本当の強さがあるのかも。

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2011/03/07
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* 日本連合軍とインテル軍の差 * ビジネス戦略を徹底的に考え抜く * PCという戦場の戦い方を熟知し、その上で市場の拡大と収益の確保を同時に達成する見事な戦略を描き、それを遂行に移すポジションを奪取し、そこから作戦を遂行している * 負ける日本の2つの問題意識 * 日本には技術力があるのに、事業で勝てない * 技術で勝っても、事業で負ける * 技術で勝って知財権をとっても、事業で負ける * 技術で勝って、国際標準をとっても、事業で負ける * 日本の産業競争力は崩壊間近いのではないか * IMD世界競争力年鑑 * 日本は鳴かず飛ばずな状態 * イノベーションとは現行モデルから新しいモデルに移行すること。現行モデルを磨くことではない。 * オープンとは単に仲良くやろうということではない。 * イノベーションのモデル自体が大きくイノベーションされてしまった * インベンション(発明、技術開発)とイノベーション(価値の創新)が同じであった自体は終わった * 三位一体型戦略 * 製品の特徴(アーキテクチャー)に応じた急所技術の見極めとその研究開発 * どこまでを独自技術としてブラックボックス化したり特許をとったり、どこから標準化してオープンに周囲に使わせるかという知財マネジメント * それらを前提に、一方で市場拡大、他方で収益確保とを両立させる。 * 成長とは既存モデルの量的拡大。発展とは既存モデルとはまったく異なる新規モデルへの不連続的移行 * イノベーションとは画期的な新規モデルの創出と普及、定着のこと * 日本はプロセスイノベーションに加え、そのプロセス自体のインプルーブメントで勝ってきた * ゲームのルールを変えたものだけが勝つ by IBM サミュエル・パルサミーノ会長 * アメリカはICT(情報通信技術)を軸に競争力モデル、ビジネスモデル自体を変えて世界に返り咲いた * 日本がそれについていけないのは、魅力的なモデルを与えられなければそれを洗練するわけにはいかない * 日本のお家芸であった既存モデルの錬磨では勝てなくなった * 妹尾のイノベーション7原則 * 従来モデルの改善をいくら進めても、イノベーションは起こらない * イノベーションは従来モデルを駆逐し、その生産性向上努力を無にする * システム的な階層構造上、常に上位モデルのイノベーションが競争優位に立つ * 下位レベルのモデル磨きは上位のモデル磨きにとどまる場合が普通だが、ときに上位モデル創新となる場合がある * プロダクトイノベーションの方がプロセスイノベーションより強い * 同種モデル間の競争はインプルーブメント、異種間の競争はイノベーション * 同種モデル間競争において競争優位なところは、できるだけ従来モデルを継続させることが得策 * 競争劣位なところは異種モデルへの移行、すなわち新規モデルで既存モデルをひっくり返すことが効果的であること * 競争優位なところは、常に他に先駆けて異種モデルへの移行を成功させれば、その優位性を保持し続けることができるかも * 成長と発展、イノベーションとインプルーブメントは「スパイラルな関係」 * 研究開発が事業に至らない原因 * そもそもアイディアが生まれない * アイディアが知識に至らない * 知識が技術に至らない * 技術が製品やサービスに至らない * 製品やサービスが事業に至らない * 事業が成功に至らない * キャズム * 技術が事業化を通じて社会に貢献するところまで至らない。この至らない狭間を「死の谷」「キャズム」などと呼ぶ * リソーシング * インソース * アウトソース * クロスソース(相互共有) * コモンソース(共通共有) * オープンソース(公開) * インテルインサイド(基幹部品主導型) * アップルアウトサイド(完成品主導型) * ディフュージョン * 有名ブランドの普及版/廉価版。ディフュージョンライン、セカンドライン * バーバリーでいえば、ブルーレーベル * インテルでいえば、ATOM

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2011/02/13

メモリー、液晶、DVDプレーヤー、太陽電池、カーナビ。多くの先端技術製品を世界に先駆けて開発してきた日本だが、それらの製品の普及に伴って、シェアが低下してしまった原因は何か。 本書では、単に優れた技術を開発するだけではなく、綿密な知財戦略に基づいたビジネスモデルを構築しなければ、...

メモリー、液晶、DVDプレーヤー、太陽電池、カーナビ。多くの先端技術製品を世界に先駆けて開発してきた日本だが、それらの製品の普及に伴って、シェアが低下してしまった原因は何か。 本書では、単に優れた技術を開発するだけではなく、綿密な知財戦略に基づいたビジネスモデルを構築しなければ、ビジネスとしての成功には繋がらないことを解説している。これからの日本の企業戦略立案のために、重要なヒントとなる考え方が示されている。

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2011/02/08

返却期限が来たので全般流し読み。 かなり端折ると...どこで主導権を握り儲けるか、儲けのしくみをいかに維持するのかという点の構想力が日本企業の弱さであり、オープンイノベーション【分業・協業の推進】と知財戦略【どこまで何を公開し、秘匿するか】とビジネスモデル【儲ける箇所・主導権を...

返却期限が来たので全般流し読み。 かなり端折ると...どこで主導権を握り儲けるか、儲けのしくみをいかに維持するのかという点の構想力が日本企業の弱さであり、オープンイノベーション【分業・協業の推進】と知財戦略【どこまで何を公開し、秘匿するか】とビジネスモデル【儲ける箇所・主導権を握れる箇所の維持】で実現しましょう、という話か。 Q: 技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか A: ・既存モデルのインプルーブメント(改善)を得意としてきたため、競争モデルを変えるイノベーション(発展)が起こり辛い ・【事業のための技術<技術起点の事業開発】の発想であり、独自技術開発の内製化のこだわり、イノベーションが起こせない ・開発した技術の市場導入により初期は大きなシェアを得、標準となるが、普及段階以降のイニシアティブを取る施策の不備により、主に新興国企業の低価格品に競合できていない

Posted byブクログ