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技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか の商品レビュー

4.1

69件のお客様レビュー

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2021/02/13

これからの日本で知財戦略をどう事業戦略に結び付けるのかよく分かる本であった。研究開発戦略と知財戦略と事業戦略の一体化、リスクミニマムとチャンスマキシマム、オープン(権利化)クロース(秘匿化)戦略、インターフェースのプロトコル、インベンションをイノベーションに繋げるためにはディフュ...

これからの日本で知財戦略をどう事業戦略に結び付けるのかよく分かる本であった。研究開発戦略と知財戦略と事業戦略の一体化、リスクミニマムとチャンスマキシマム、オープン(権利化)クロース(秘匿化)戦略、インターフェースのプロトコル、インベンションをイノベーションに繋げるためにはディフュージョンが必要、事業の軍師が必要とのことで特許が何のためにどういう使われ方がよく分かった良書であった。今後より活かしていきたい。

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2020/09/21

イノベーション論。技術力だけではなく、ビジネスモデルと知財マネジメントの重要性を説く。 とくに知財戦略を詳しく説明している。 量的成長と発展の違いを区別すること。 発展とは既存モデルとは全く異なる新規モデルへの不連続的移行。(オタマジャクシがカエルに移行) 発展はすなわちイノベ...

イノベーション論。技術力だけではなく、ビジネスモデルと知財マネジメントの重要性を説く。 とくに知財戦略を詳しく説明している。 量的成長と発展の違いを区別すること。 発展とは既存モデルとは全く異なる新規モデルへの不連続的移行。(オタマジャクシがカエルに移行) 発展はすなわちイノベーション。「新規性」「進歩性」を備えたもの。 同種モデル間競争において競争優位な者は、常に他に先駆けて異種モデルへの移行を成功させれば、その優位性を保持し続けることができるかもしれないこと。 →「パルミサーノ・レポート」で謳われた根底に潜む考え。常にモデルを創新し続けるものが生き残る。 (イノベーションのジレンマを超える方法。最近のアップルの戦略。一昔前富士フイルムも同様の戦略で生き残ってきた。) 内部は独自技術・摺り合わせよってブラックボックス化、外部はオープンに組み合わせで構成するように仕掛けて、インターフェースのプロトコルは標準化。このモデルが成功例多い。インテル、シマノ。 NIEs/BRICsの市場をどう取り込むか。彼らとの国際分業の戦略や市場として見たときの戦略。 欧米諸国の企業はすでに分業し、市場としても取り込んでいる。 三位一体経営。事業戦略、研究開発戦略、知財戦略の要諦を押さえる 三位一体モデル 1.製品特性(アーキテクチャー)に沿った急所技術の開発 2.「市場の拡大」と「収益確保」を同時達成するビジネスモデルの構築 3.独自技術の権利かと秘匿か、公開と条件付きライセンス、標準化オープンなどを使い分ける知財マネジメントの展開 インテルも、IBMも、アップルも、どれも徹底的に負けた経験を持っている。負けた悔しさの中で徹底的に議論し、考え、そして「プロイノベーション」を主導するに至ったように見える。つまり、試行錯誤と学習の歴史を持っている。 日本人は負けたとき、徹底的に解明することをいやがるが、ちゃんと振り返り、気づき、学び、考えることが重要。(水に流す前に、真摯に振り返る) プロフェッショナルに求められるのは、あの手、この手の戦略的選択肢を豊富に持つこと。

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2018/12/20

vol.94 画期的な新製品が惨敗する本当の理由とは? http://www.shirayu.com/letter/2010/000185.html

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2018/10/23

戦術では強いが、戦略では弱い日本企業の問題を見事に説明する。経営と正面から向き合うことを怠った日本企業の問題がここに来ての一気噴出、第2の敗戦と呼ばれるこの状況は、思考的構造不況なのだ。この構造は、「すり合わせ指向」vs「モジュール指向」と言い換えても良い。 技術の世界がすり合わ...

戦術では強いが、戦略では弱い日本企業の問題を見事に説明する。経営と正面から向き合うことを怠った日本企業の問題がここに来ての一気噴出、第2の敗戦と呼ばれるこの状況は、思考的構造不況なのだ。この構造は、「すり合わせ指向」vs「モジュール指向」と言い換えても良い。 技術の世界がすり合わせから、モジュールの組み合わせに変わっているにもかかわらず、相も変わらずすり合わせでもの作りにいそしむ日本企業の姿は、第二次世界大戦の日本陸軍とよく似ていると思うのは、この著者だけではあるまい。

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2017/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まず、タイトルのインパクトがすごい。 なぜ『技術大国日本』(技術力No.1)が『技術立国日本』(技術で世界の市場をリードする)になれないのか。 製造業を中心に、今まさに日本が直面している課題について、筆者は熱く語ります。 そして、自分の会社や業界と照らし合わせながら読んでいくと、残念ながら筆者の指摘・懸念は正しいと感じます。 著者は、とにかく今までのような垂直統合的な自前主義の経営戦略や、インプルーヴメント(進化・改良)のみに頼った競争戦略ではもう世界に通用しないし、世の中はすでに変わってしまった or (日本の脅威によって敗退した欧米企業によって)変えられてしまったと主張します。 かなり、くどく主張します。同じことをさんざん、再三にわたって主張します。 それぐらい主張されないと、読者にとって今の日本の(特に大企業の)危機感はホンモノにならないと思いますし、特に自動車業界にとっては、エレクトロニクス業界の日本勢惨敗の二の舞の危機が迫っていると感じます。 このような危機感を読者に突きつけた後に、今までの何がいけなかったのか(敗因の診断)とその対処法(処方せん)について、特許などを代表とする知財マネージメントを中心に本書では述べられています。 知識社会における知的財産を自分が有利になるようにどのように活かすか、「インテグラルとモジュール」「標準技術と独自技術」「オープンとクローズ」といった対比のキーワードをもとに語られる戦略からは、多くの示唆が得られます。 これら対比の戦略についても、「どちらかしか取り柄ないのか」「右か左か」といった単純・短絡的な話で済ませるのではなく、どこをオープンにするのかどこをクローズにするのか、といった柔軟な提案とその実例紹介がふんだんに盛り込まれ、なるほど~と納得すること請け合いです。 また、著者の想いは最終章(第8章)のコラム(第二次世界大戦における日本軍の大敗)にすべてが集約されていると思います。 まさに著者の指摘通りのことが今現在、戦争から経済へと舞台を変えて起こっているのではないでしょうか? 唯一の救いは「今ならまだ間に合う」と思えることです。

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2017/04/02

モノ売りから脱却して新たなビジネスモデルを構築するヒントを得るために読んだ。長編だが、内容が重複しているところが多い。重要な内容が含まれているものの、内容の濃さという点では薄いように感じる。商工ビジネスデータの「妹尾教授のビジネスモデル塾」は、全く無駄がなく極めてコンパクトに要点...

モノ売りから脱却して新たなビジネスモデルを構築するヒントを得るために読んだ。長編だが、内容が重複しているところが多い。重要な内容が含まれているものの、内容の濃さという点では薄いように感じる。商工ビジネスデータの「妹尾教授のビジネスモデル塾」は、全く無駄がなく極めてコンパクトに要点がまとめられているので、それと比較をすると☆を下げざるを得ない。

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2017/04/01

かつては世界を席巻した日本製家電。それがあっという間に中国や韓国製品に取って代わられ、シャープは台湾企業の鴻海に買収され東芝も解体の危機に直面。なんでこんな事になってしまったのか?日本企業はどうすればボーダーレスになった世界を生き抜いて行けるのか?インテルやアップル等の成功企業の...

かつては世界を席巻した日本製家電。それがあっという間に中国や韓国製品に取って代わられ、シャープは台湾企業の鴻海に買収され東芝も解体の危機に直面。なんでこんな事になってしまったのか?日本企業はどうすればボーダーレスになった世界を生き抜いて行けるのか?インテルやアップル等の成功企業の例を取り上げながら生き抜く為のヒントが書かれています。

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2016/12/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2008年刊。  一旦は頂点を極めた日本の製造業は大きな曲がり角、いや衰退過程にあり、例えばそれは、近い将来にモジュール化を想定できる電気自動車が主流に据えられそうな自動車業界も同様だ。  本書はかような現状の認知と、これを踏まえ目指すべき目標を示そうとする書。  もっとも、例えば、本書提示の知財戦略は、90年代での言及とさして変わらず、①インテル的な中枢部材販売と機器製造工程のパッケージ、②iPhoneのように機器と利用方法とのパッケージという実例自体に多少の変動が見受けられるのみである。  つまり目指すべき到達点は変わっていない。それは、問題がより深刻化しているのに何も対策が打てていないということに他ならない。  ならば重要なのは、そこで求められる人材育成の方法論、青少年の教育、現場トレーニングの内実、上層部が意図すべき注意点の具体的方法論であろう。  が、本書でそれが触れられるわけではない。カッコいい分類・分析用語と実例の新鮮さ、そして説明のための比喩の面白さのみの本書は、全くの期待外れである。  まあ約10年前の、この種の書を喜々と読破している私もどうかと思うが…。  著者は東京大学特任教授(東京大学イノベーションマネージメントスクール校長役)  なお、製品の商品スバンの極短期化により、従来の所謂下請け系列型・垂直型の製品開発・販売で投下資金回収・利潤確保が困難な中、技術やノウハウ開示、或いは個々の商品毎で製造・販売の協同先の変容すら、想定される以上、映画などの製作委員会方式を製造業に如何に落とし込むか、がウオッチすべき視座かもしれない。

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2016/09/03

2016_053【読了メモ】(160903 17:00)妹尾堅一郎『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのかー画期的な新製品が惨敗する理由ー』/ダイヤモンド社/2009/これは、きちんとレビューを書かないと頭に定着しないぞ。>来週の自分へ

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2016/01/28

東京大学 特任教授の妹尾堅一郎 氏の著書です。 タイトルがキャッチーです。 タイトルにある「日本が負ける理由」は、知財マネジメントとビジネスモデルの構築ができていないことに起因すると論じられています。 日本が得意としていたインテグラル型製造業が転換期を迎え、モジュラー型に移行...

東京大学 特任教授の妹尾堅一郎 氏の著書です。 タイトルがキャッチーです。 タイトルにある「日本が負ける理由」は、知財マネジメントとビジネスモデルの構築ができていないことに起因すると論じられています。 日本が得意としていたインテグラル型製造業が転換期を迎え、モジュラー型に移行していく中で、単に技術力だけでは勝てなくなりました。 自動車産業も電気自動車の登場で危なくなっています。 そんな中で勝ち組と言われる製造業がインテルやアップルです。 これらの企業は技術力だけでなく、オープン、クローズなどの戦略を立て有利なビジネスモデルを構築しています。 日本企業にも「三位一体」経営が必要されています。 1.急所技術の見極めと研究開発 2.戦略的な知財マネジメント 3.市場浸透を図るビジネスモデル それらを実現するためにどのような取り組みを行っていくかという概論が述べられています。 この本で論じられている現状分析は、わかりやすく的を得ていると思います。 ただし、三位一体経営のための取り組みについては、具体性に欠ける部分もあり、説得力が弱いと感じました。 この本の出版は2009年なのですが、2016年1月現在、この本に書かれているビジネスモデルですら、転換期を迎えつつあるようです。 書かれている理論も少し旬を過ぎた感があります。 やはり、ビジネスの世界の速度は速いですね。

Posted byブクログ