罪と罰(3) の商品レビュー
いやあ良かった。余韻が残る。書物は異界への入り口だと内田樹先生が言っていたけれど、本当にその通りだった。150年前のロシアへあっという間に連れて行かれる。ときにはもどって来られずに、ホームのベンチにしばらく座り込むこともあった。どうしてだろう、殺人犯の主人公に感情移入することがで...
いやあ良かった。余韻が残る。書物は異界への入り口だと内田樹先生が言っていたけれど、本当にその通りだった。150年前のロシアへあっという間に連れて行かれる。ときにはもどって来られずに、ホームのベンチにしばらく座り込むこともあった。どうしてだろう、殺人犯の主人公に感情移入することができる。後半、かなり大きな存在となるスヴィドリガイロフ。ドゥーニャと2人になったシーンは、ちょうど並行して「痴漢外来」を読んでいたこともあり、それぞれの心理的状況を深く感じ取ることができた。そして、ピストル自殺。次第に近づいていく感じはしていたが、それでも最後まで、いや本当にアメリカに向かうのではと思ったり、最終的にはそっちが死ぬのかあ、というのが正直な感想。主人公ラスコーリニコフは結局、死を選ばなかった。エピローグ、入院する場面ではもう一波乱あるのかと思ったが、持ち直してくれた。ソーニャとの人生を受け入れ、明るく、前向きに終われたのではないか。清々しい気分である。ところで、「カラマーゾフの兄弟」を10年ほど前に読んで、次は・・・と思っていたのがいまになってしまった。また、10年後? 今度は「悪霊」か、「白痴」か・・・
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あぁ 終ってしまった… 42.195㎞のフルマラソンを走り終わったあとは きっと こんな感じを持つのでしょうね (残念ながら、私はその経験を持ちません) 人が生きていくこと 人が罪を犯してしまうこと 人が人を裁こうとすること 人がもう一度 生き延びてみようとすること 人が人を支...
あぁ 終ってしまった… 42.195㎞のフルマラソンを走り終わったあとは きっと こんな感じを持つのでしょうね (残念ながら、私はその経験を持ちません) 人が生きていくこと 人が罪を犯してしまうこと 人が人を裁こうとすること 人がもう一度 生き延びてみようとすること 人が人を支えていくこと 何か独特の 読み終えた後の余韻が 続きます
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今年の6冊目。今月の1冊目。 ついに読み終わりました。多分本を買ってから7、8年で全部読み終えました。やっと読み終わった感じがすごくて、達成感はありました。まあ、純文学は物語というより内面の変化をどういう風に感じるかが、楽しみだと思うので、物語的には今の感覚からすると普通だと思...
今年の6冊目。今月の1冊目。 ついに読み終わりました。多分本を買ってから7、8年で全部読み終えました。やっと読み終わった感じがすごくて、達成感はありました。まあ、純文学は物語というより内面の変化をどういう風に感じるかが、楽しみだと思うので、物語的には今の感覚からすると普通だと思います。
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【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・思ったほどのインパクトを感じなかったというのが正直なところ。ところどころ...
【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・思ったほどのインパクトを感じなかったというのが正直なところ。ところどころ、のめり込む部分はあったけど。 期待値が高すぎたかも。例えば殺害の現場はもっと葛藤や描写に割かれるかと思ってたし、ラスコーリニコフの救済の過程というのはもっと劇的かと思っていた。 ・スヴィドリガイロフは面白い登場人物だった。もっとひどい役回りかと思ったが。 ・これから、ふと読み返したくなる時が来るのだろうか。 【目次】
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殺人を犯した罪もその罰の意味も分かっていなかったラスコーリニコフがエピローグでようやっとその意味を理解する、そこに至るまで本当に長かったですが読んで良かったと思えました。
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言うまでもないが、人類史上最高の小説のひとつ。 新訳なので人名がごっちゃにならず読みやすかった。海外文学が苦手な自分でも読みだすと止まらなかった。 「ひとをなぜ殺してはいけないか」という答えがここに示されている。人間の良心に訴える名作。人生に迷ったときにもういちど読み直してみたい...
言うまでもないが、人類史上最高の小説のひとつ。 新訳なので人名がごっちゃにならず読みやすかった。海外文学が苦手な自分でも読みだすと止まらなかった。 「ひとをなぜ殺してはいけないか」という答えがここに示されている。人間の良心に訴える名作。人生に迷ったときにもういちど読み直してみたい。
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構成、スケール、テーマ、どれもとても大きい。世界的な文学作品といわれることはある。キリスト教的な愛を描いているが、もっと不変的な愛について考えさせられる作品である。 これを読んだあとに、筋肉少女帯のこれでいいのだも聞いて欲しい。
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この長い小説がたった2週間(14日間)の出来事であることに驚きつつ。 まぁ、こんだけ内面綴ればそうなるか、と納得もしつつ。 ここで語られる、人を殺すのが悪いことなのか?という問いかけには、ある意味賛同するものがあります。 私は、「権利がある」とラスコーリニコフが考えるような選民思想的な考え方は一切ないけれども、結局、殺人=罪というのも、今のこの瞬間の社会が決めたルールに過ぎないよな、とは、実際思います。 常にその思いは消えない。 このルールは誰がつくった?っていう話ですね。 大部分の人にとって気持ちが良いし、楽に生きるために必要だから維持されるルールだけど、それを納得できない人にとっては、別に殺人が「いい」とか「悪い」とかいう話ではないんですよね~。 単に、行為と社会的罰則が存在するのみ。 そうぃう意味では、一部、共有します。
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巷間に云う難読書の代表格。でも一端の大人になった今なら読めるのではと思い挑戦。 いささかクセのある文体で、時々セリフの語り手を見失うことがある(あと、指示語でも本名と愛称が混在するからわかりづらい)ものの、狂熱に浮かされるラスコーリニコフと周りの登場人物の機微がいきいきと描かれて、ついのめり込んでしまう。 いささか支離滅裂なきらいはあるものの、あれだけの事件を起こして平静ではいられい心理(交通事故を起こした直後、パニックで判断力が著しく低下している状況を想像するとわかりやすい)を慮れば、それも妙なリアリティを持って迫ってくる(もっともラスコーリニコフに云わせれば、そういう心理状態に陥る時点で凡俗に過ぎず、英雄には成り得ないということだろうけど)。 「百の善行は一の悪事に勝る」「英雄の資質がある人間は、人の法の先を征く」 いかにも若く充実した才能にありがちな先鋭的思想。でも現代社会に引き写してみても、法では裁けない悪、救えない善は枚挙に暇がない。世直しの旗手が型破りであることは古今東西の真理。 その意味で、本作は古典文学でありながら現代社会の矛盾をも衝くアンチテーゼとして今でも我々の日常に潜んで牙を研いでいるのだろう。 最後の「愛が世界を救う」といった風情の終わり方はやや唐突な気がしたが、後味よく未来への希望に満ちた読後感を与えてくれる結末だった。 やはり名作は名作たる理由があると再認識。機会があれば他者の訳本も読んでみよう。
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40代半ばにして初めて読みました。 主人公はもちろん、登場人物の内面の葛藤、逡巡、自分の中でのやりきれなさと、他者との尋常ない(と私には思える)やりとり。 通勤時間に読むのではなく、寝る前に少しずつ読むのに良いと思いました。 やはり、こういった「名作」は若いうちに読んでおきたいも...
40代半ばにして初めて読みました。 主人公はもちろん、登場人物の内面の葛藤、逡巡、自分の中でのやりきれなさと、他者との尋常ない(と私には思える)やりとり。 通勤時間に読むのではなく、寝る前に少しずつ読むのに良いと思いました。 やはり、こういった「名作」は若いうちに読んでおきたいものですね。
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