レインツリーの国 の商品レビュー
ずいぶん前に1度読んだことがあるが、知り合いとの話に挙がったので読み返してみた。 正直、伸にもひとみにもそれぞれイライラしてしまうところはある。ふたりともデリカシーがない。 でもこれだけヒリヒリするような本音のぶつけ合いができるのは、やっぱりお互いが大事な存在だからなのかなと思...
ずいぶん前に1度読んだことがあるが、知り合いとの話に挙がったので読み返してみた。 正直、伸にもひとみにもそれぞれイライラしてしまうところはある。ふたりともデリカシーがない。 でもこれだけヒリヒリするような本音のぶつけ合いができるのは、やっぱりお互いが大事な存在だからなのかなと思うし、誰かと深い仲になるっていうのはこういうことなのかもしれないと思った。 関係が深まるのを恐れて逃げてばっかりじゃ成長しないよな〜と身につまされる思いだった。
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何も出来ないが、何かできることはないか考えを巡らせる事が尊い。 ましてや、それが思いをよせている相手なら尚さらである。
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障害があるということとを通じて、人と人の分かり合えなさを丁寧に読ませてくれる。登場人物の反応や苦悩にリアリティがあるなーと思ったので、きっと丁寧な取材がされたのだろう。 今の職場で補聴器を使用している同僚がいる。彼と自分で障害を挟んで一緒に働くと、自分がいかに便利な方にいるのか気づかされる。軽口を叩きあう程の距離感が作れたと思っていたが、きっとそれは彼が上手く私をあしらってくれてるからだろう。 そんなことをあらためて感じさせてくれた作品です。
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とにかく伸に惹かれる 尊敬できるひとだなぁ ひとみのことを内面から受け入れて、それでいて自分の気持ちとも上手に向き合ってる 怒りに身を任せるのではなく、一緒にいるためにはどうすれば良いのか考えて、行動していて 恋愛小説って、生々しい描写にゾッとして(冷めて?)しまいそうで読めてなかったけど、こんなに暖かい物語もあるんだ。読んでよかった 「痛みにも悩みにも貴賎はない」
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恋愛をした二人の人間がたまたま健聴者と聴覚障害者なのであって、これは聴覚障害の話ではなく、恋愛の物語だという意味がとても面白いと思った。 自分にある障害や病気で傷ついたんだからそれを盾にすれば相手を傷つける権利がある、なんて無茶苦茶なことを言っているのだろう。本当にそうだ。 医...
恋愛をした二人の人間がたまたま健聴者と聴覚障害者なのであって、これは聴覚障害の話ではなく、恋愛の物語だという意味がとても面白いと思った。 自分にある障害や病気で傷ついたんだからそれを盾にすれば相手を傷つける権利がある、なんて無茶苦茶なことを言っているのだろう。本当にそうだ。 医療で働いていると割と遭遇することである。私は一人の人間で、ただ仕事をしているだけなのに僻(ひが)まれて不快な気持ちになったことは数えきれないくらいある。 人間関係なのだからお互いが歩み寄ることが大切だということもわかってきた。 『聴覚障害者にしか聴覚障害の悩みや辛さは分からない。だから分かり合うことなどできないと思っていた。だが、他人に理解できない辛さを抱えていることは健聴者も変わらないのだ。その辛さの種類がそれぞれ違うだけで。聞こえるのだから自分達より悩みは軽いに決まっているなんて、それこそハンデのあるものの驕りでしかない』 これも言語化できなかったモヤモヤの一つである。こういうことだったのか、ありがとう。 『余裕がないと結局自分の都合を優先してしまう。分かったつもりで分かっていない、分かったふりしかできていない。後からそんな自分を振り返る時の自己嫌悪といったら。しかし、何度でも自己嫌悪するしかないのだ。常に適切な振る舞いができないとしても、その度にそんな自分を思い知ることは無意味じゃない。次から気をつけよう、何度でもそう思うしかない。立派で正しい人になれないのなら、間違って打ちのめされる自分でいるしかない。少なくとも、何も感じなくなるよりは間違う度に打ちのめされる自分でいたい。』 人を傷つけてしまって後悔することもある。この捉え方は面白いし自分を大切にできる。
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一緒にいるために逃げずにまっすぐ向き合ってぶつかってくれる伸行は本当に良い男。私も少し体調に事情を抱えていてそのことがきっかけで好きな人に縁を切られたので、2人の衝突は眩しく見えた。まっすぐ本気でぶつかってくれる人と恋をしたいと思った作品。
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2人の心情の流れが、もどかしくもあり、苛立ちを連れてきて、懐かしく感じた。 自分にとって、必要なこと、不必要なもの。 それは、相手によって、必要は最低限のものになり、不必要は重要なことになる。 いつの頃からか、何かがきっかけで、周りを良く観察するようになり、推察するようになった...
2人の心情の流れが、もどかしくもあり、苛立ちを連れてきて、懐かしく感じた。 自分にとって、必要なこと、不必要なもの。 それは、相手によって、必要は最低限のものになり、不必要は重要なことになる。 いつの頃からか、何かがきっかけで、周りを良く観察するようになり、推察するようになった。 好きな人なら、尚更この思いは強くなる。 好きになった人が、耳が聴こえなかろうが、目が見えなかろうが、片手しかなかろうが、金持ちだろうが、有名人であろうが、なんだろうが、そんなものは背景でしかなく、関係ないんだよね。 あんまり恋愛小説読まないけれど、好きです。
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私の夫が数ヶ月前に聴覚障害(メニエール病)になってしまい、図書館で医学者を読んだりしていました。医学知識だけでなく、なにか心にもヒントが欲しいなと思っていたところ、大好きな有川さんの本に聴覚障害をもつ女の子の恋愛小説があると知り、読みはじめました。 リアルを描いているから綺麗事...
私の夫が数ヶ月前に聴覚障害(メニエール病)になってしまい、図書館で医学者を読んだりしていました。医学知識だけでなく、なにか心にもヒントが欲しいなと思っていたところ、大好きな有川さんの本に聴覚障害をもつ女の子の恋愛小説があると知り、読みはじめました。 リアルを描いているから綺麗事だけじゃないけれど、障害のある恋愛はふつうの健聴者同士の恋愛と同じように応援したくなるし、ときめく。 ほっこりさせてもらえました!
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少し事情を抱えた男女が織りなす恋愛物語です、それぞれの個性や考え方がストレートに描かれていて読みやすく話にも勢いもありました 著者の本は他にも何冊か読みましたが、らしさが詰まった一冊です。
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読了。メールから始まる恋の話。図書館戦争に出てくる話なので、概要は知ってたので再読したような感じでした。障害という部分がテーマだけど、でもこういうズレは障害関係なくあるよなとも感じて、そういう感情のドロドロした部分を、どう乗り越えていくか、ちょっとキュンとしながら楽しみました。
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