怖い絵(3) の商品レビュー
なかなか、面白い絵画の解説本である。著者のように、当時の社会や風習のことを知っている人が解説すると、こんなに違うものかと思う。「かわいそうな先生」という絵の話しが興味ぶかいと感じる。ガヴァネスの社会的地位について克明にかいており、オースティンやサッカレーなどにも言及し、キュリー夫...
なかなか、面白い絵画の解説本である。著者のように、当時の社会や風習のことを知っている人が解説すると、こんなに違うものかと思う。「かわいそうな先生」という絵の話しが興味ぶかいと感じる。ガヴァネスの社会的地位について克明にかいており、オースティンやサッカレーなどにも言及し、キュリー夫人にもふれている。絵にも何か引きつけられる美しさがある。『ねじの回転』も読み返してみたくなった。『フランダースの犬』のネロ少年があこがれていたルーベンスは決して、ネロのような貧乏人は描かなかったという記述から、ネロ少年の報われない憧れが照らしだされます。「ヴェアトリーチェ・チェンチ」の伝説や絵も印象的である。
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